防災・防火 2021年12月08日

第344回 ひとり暮らしの思わぬ火災事故を防ぐには?

暖房器具が活躍する冬。
空気が乾燥することもあり、火災が増える時期でもあります。
住宅火災は毎年1万件以上発生しており、こんろ・たばこ・ストーブが三大出火原因です。
日ごろから火事には注意していると思いますが、誤った使い方などにより思いがけないものが出火原因になることも。
そこで今回は、意外な原因やものによる火災事故をまとめます。
ひとり暮らしの女性宅でも起こりうるケースばかりですので、ぜひ火災予防の知識としてお役立てください

2021.12.08更新

暖房器具が活躍する冬。
空気が乾燥することもあり、火災が増える時期でもあります。
住宅火災は毎年1万件以上発生しており、こんろ・たばこ・ストーブが三大出火原因です。
日ごろから火事には注意していると思いますが、誤った使い方などにより思いがけないものが出火原因になることも。
そこで今回は、意外な原因やものによる火災事故をまとめます。
ひとり暮らしの女性宅でも起こりうるケースばかりですので、ぜひ火災予防の知識としてお役立てください

かわいい家族が出火原因に?ペットが引き起こす火災事故

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犬や猫などのペットと暮らす方は少なくありません。
ひとり暮らしの女性向けの物件でも、ペット可というところもあるようです。
かわいいペットが火災のきっかけになることもあります。

<ペットが引き起こす火災の事例>
・猫がこんろのスイッチを入れてしまい、こんろが点火して出火
・犬や猫が電気コードやケーブルをかんだことにより、ショートして出火
・犬や猫がコンセントに何度も尿をかけ、ショートして出火
・犬が振り回した衣類に電気ストーブの火が着火して出火
・ペットが電気ストーブを倒して出火

ペットと暮らすためには、それにともなう責任や安全対策も必要です。
思いがけない火災を防ぐためには、次のようなことを心がけましょう。

<思わぬ火災事故を防ぐ対策>
・電気製品のプラグは使用しないときには抜く
・スマートフォンやバッテリー、充電コードなどは放置しない
・ペットが電気コードをかまないようにまとめ、電気コードに保護カバーを巻く
・こんろの元栓は閉めるか、ロックをかける
・ストーブなどの暖房器具の上には洗濯物などを干さない
・留守にするときや、目を離すときはペットをケージに入れる

ペット以外でも、ネズミやゴキブリなどの小動物や虫が原因となって火災になる可能性もあります。 電気製品の周りはこまめに清掃し、動作不良や焦げ臭いなどの異常がある場合はコンセントを抜き、必ず安全点検をしてくださいね。

女性の必需品が出火原因!?スプレー缶・ガスボンベによる火災事故

ヘアスプレーや日やけ止めスプレー、殺虫剤など、日常よく使うスプレー缶(エアゾール缶)のほか、カセットコンロに入れるガスボンベも、女性にとって身近なアイテムです。

ドラッグストアなどで簡単に手に入るものばかりですが、過去には火災事故が繰り返し発生していますので、注意が必要です。

<スプレー缶・ガスボンベによる火災事故の事例>
・台所で使用済みのガスボンベのガス抜きをしたところガスが噴出し、使用中のこんろに引火
・室内に消臭スプレーを使用したあと、すぐにたばこの火をつけたところ出火
  ※殺虫剤、冷却スプレー、日やけ止め、制汗剤などでも同様の事故が発生します!
・ヒーターのそばに置いてあったヘアスプレー缶が爆発して出火
・食器棚と壁の隙間に殺虫剤を噴きかけたら、電気製品をつないだコンセント付近で出火

スプレー缶(エアゾール缶)やガスボンベには、可燃性の液化石油ガスなどが使われており、使い方や処分方法を間違えると、思わぬ火災事故につながります。
次のようなことを注意しましょう。

<思わぬ火災事故を防ぐ対策>
・スプレー缶は火気のそばでは使用しない
・スプレー噴射中や直後の火の取り扱いに注意する
・直射日光があたる場所、高温となる場所で保管・放置しない
・廃棄するときは中身を使い切る
・ガス抜きは風通しが良い屋外でおこない、大量のガス抜きはしない
・廃棄方法がわからない場合は、メーカーや自治体に問い合わせる

スプレー缶やガスボンベの処分方法は、自治体によって異なりますので、お住まいの地域の「ゴミの出し方」を確認してください。
またガス抜きにはいくつか方法があり、製品のパッケージに方法が書いてある場合があります。
自己流ではなく、説明に従って安全にガス抜きをおこないましょう。

使用頻度が増えている消毒用アルコールによる火災事故

新型コロナウイルスの感染拡大により、自宅でも外出先でも、手指の消毒のために消毒用アルコールを使用する機会が増えていると思います。
アルコール(消毒用アルコールの場合は「エタノール」)度数が60%以上の製品は、消防法に定められた危険物である「第四類アルコール類」に該当し、引火しやすいため火災を引き起こす可能性があります。

<消毒用アルコールによる火災事故の事例>
・消毒用アルコールで手指を消毒したあと、すぐにたばこの火をつけたところ出火
・料理前に手指を消毒し使用したところ、使用中のこんろに引火
・車内に放置していた消毒用アルコールの容器が爆発して出火

消毒用アルコールは蒸発しやすいので、火のそばで使うと蒸気が引火することもあります。
目には見えなくても、消毒用アルコールを使った直後にこんろで調理したりするのは危険です。
次のようなことに注意しましょう。

<思わぬ火災事故を防ぐ対策>
・消毒用アルコールは火気のそばでは使用しない
・直射日光があたる場所、高温となる場所で保管・放置しない
・消毒用アルコールの容器を落下させたり、衝撃をあたえたりしない
・容器に詰め替えするときは、換気の良いと場所でおこなう
  ※消毒用アルコールがあふれたり、飛散したりしないよう注意!
・密閉した部屋で大量の消毒用アルコールを噴霧しない

パッケージに「第四類アルコール」「火気厳禁」などの表示がある製品は、貯蔵・取り扱う数量に応じて許可申請または届け出が必要とされています。
危険物に該当しない消毒用アルコールでも、主成分は同じエタノールなので、自宅で使用するときは十分注意しましょう。

* * * * * * * * *

ご紹介した火災事故以外にも、古い家電(冷蔵庫、扇風機、エアコンなど)の部品劣化による火災や、エアコン洗浄液が機器内部に侵入して漏電を引き起こしたり、発煙・発火したりする事故が毎年発生しています。
家電は、使用前に製品に異常がないかを確認し、取扱説明書の通り正しく使うことが大切です。

ひとり暮らしの女性は、万が一に備えて、自分が住む物件に火災報知器や消火器が設置されているか確認を。
初期消火は消火開始までの時間が重要なので、家のなかにも「マイ消火器」を用意しておくとさらに安心です。

自分にできることを心がけて、思いがけない火災事故を未然に防ぎましょう。

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