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第322回 集合住宅で火災が起きたら...ひとり暮らしの女性のための「避難」の知識

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消防庁の統計によれば、2019年に発生した建物火災21,003件のうち住宅で発生したのは10,784件。そのうち共同住宅が3,327件と、約1/3を占めています。
ひとり暮らしの女性も、もしもに備え火災対策が必須です。
火災を起こさないために、そして火災で逃げ遅れないために、避難のタイミングや避難方法を知っておきましょう。

ひとり暮らしの女性の自宅で、火災を発生させないために

住宅火災の原因は「こんろ」が最も多く、2019年にはこんろが火元となる火災が1,818件(16.9%)発生しています。ひとり暮らしの女性の場合、キッチンでお料理する機会も多いと思いますので、火を使うときは、いつも「火の用心」の意識が大切。 毎日のことだからこそ、油断しないようにしましょう。

● 火災を発生させないための注意点
□ 料理中

・火をつけているときはこんろから目を離さない
・レシピ本やフキンなど、こんろの周りに燃えやすいものを置かない(卓上こんろでお鍋をするときなども注意!)
・自分の服に火が燃え移る「着衣着火」を防ぐため、料理するときは袖の広がった服やフリルのついた服は避ける

□ 暖房器具

・暖房器具の周りに洗濯ものや雑誌など燃えやすいものを置かない(火を使わない電気ストーブやこたつでも使い方によっては火災が起きることがあります)
・就寝時や外出時は必ず暖房器具を消す

「もしも」の火災に備えましょう

火災が発生した場合、火の手が上がってすぐ(ごく初期)の段階なら、適切に消火活動を行えば消火することができます。
慌てず落ち着いて対応するために、次のような火災対策を心がけましょう。

● 住宅用火災警報器を確認

平成16年に消防法が改正され、現在ではすべての住宅で火災警報器の設置が義務化されています。ご自宅のどこに火災報知器が設置されているかを確認しておきましょう。
住宅用火災警報器は古くなると電子部品の寿命や電池切れなどで火災を感知しなくなることがあるため、設置から10年ほどで交換が必要とされています。
電池切れや故障がないか定期的に点検し、機器に記載された設置年月日もチェックしておくと安心。管理会社による定期点検にもきちんと応じましょう。

● 消火器の設置

集合住宅では共有部の通路などに消火器が設置されていることが多いですが、自分の部屋にも「マイ消火器」を置いておくことをおすすめします。
他の部屋で火災が起きる可能性もありますので、共有部のどこに消火器があるかも、確認しておいてください。

>消火器の選び方、消火器の使い方はこちらの記事を確認
火災の季節に備えて...ひとり暮らしの女性のための「消火器」の知識

● 避難経路の確認

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集合住宅で火災が発生したとき、どのルートで避難するかを知っておくことも大切。
煙で周りが見えなくなるような事態が起きても落ち着いて行動できるよう、避難経路を確認しておきましょう。
非常階段や避難はしごの場所、非常ボタンの位置を確認します。
非常階段は、実際に使って1階まで下りてみるといいでしょう。
玄関から避難できない可能性もあるので、ベランダや窓など2方向以上の避難経路をシミュレーションしておくと、より安心です。

<集合住宅の避難はしごについて>
ベランダの床面に設置されていることが多くなっています。
扉部分等に使い方が記載されているので、必ず目を通しておきましょう。
ひとり暮らし向けの住宅では、避難はしごが隣の部屋と共有であることがあります。
その場合、非常時にはベランダを区切る「隔て板」を破ってお隣に移動することになります。
隔て板や避難はしごの付近には、避難の妨げになる荷物などを置かないようにしてください。

火災が発生したら...避難のタイミングと避難方法

東京消防庁の調査によると、火災で亡くなられた方(放火自殺等を除く)のうち約4割は「逃げ遅れ」が原因だそうです。
住宅火災の火の周りは非常に早く、木造家屋では20分程度で全焼してしまうほど。
初期消火が可能な時期は、出火から2分前後。
天井に燃え移る前までと言われていますが、火の勢いや周囲にあるものの燃えやすさなどによっては、もっと早く避難したほうがいい場合もあります。
火災の状況を見極めて、冷静に避難に必要な行動を起こしましょう。

(1)火元を確認
どこの火災警報器が鳴ったのか、どこで・何が・どれくらい燃えているのかを確かめてください。
不明な場合は、すぐに避難しましょう。

(2)周囲に火災発生を知らせる
近隣に大声で「火事です!逃げてください」と知らせましょう。

(3)初期消火
消火できる状況かどうかを見極めてください。
火元が確認でき、天井まで火が届いていなければ、消火器を使って消火を行います。
消火できないと判断したら、すぐに避難を。

(4)避難する
煙を吸わないようにハンカチやタオルなどで口と鼻をおおい、姿勢を低くして、火元から遠ざかるように避難します。
玄関から避難できない場合は、ベランダから避難を。
隔て板を破って、隣の部屋から避難することも想定しましょう。
また、忘れ物などを取りに戻ることは絶対にしないこと。火災避難は、命を最優先に行動することが肝心です。

(5)119番通報する
消防の方から火事か救急か確認されるので「火事」である旨を伝えます。
状況や連絡先も聞かれるので冷静に答えましょう。

* * * * * * * * *

集合住宅のベランダによくある「隔て板」。
別名「蹴破り戸」といって、靴底で思い切り蹴破るくらいの力と勢いがないと、破ることができません。
サンダルでは危ないので、足元が安定したスニーカーなどのほうがいいそうです。
なかなか練習できませんが、メーカーによる無料動画なども公開されています。
ひとり暮らしの女性は、火災対策のひとつとして「隔て板の破り方」を一度チェックしておいたほうがいいですね。
まずは「火災を起こさないこと」が何より大事ですが、集合住宅では、別の部屋で火災が起きることも考えられます。火災対策をパーフェクトにして、あったかい冬をお過ごしください。

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