防災・防火 2020年10月07日

第316回 災害から“わたし“を守るために!「マイ・タイムライン」をつくろう

秋は天気が不安定な季節。
近年は、突然の豪雨や雷雨、大型台風の接近など、生活を脅かすほどの被害がもたらされています。
命にかかわる災害が短時間で発生することもあり、自分を守るための判断が必要とされる場合があります。
どんな状況になったら避難をするのか、どこに避難をするのか、きちんと考えておくことが大切。
自分や住んでいる地域の状況にあった判断基準や対応を整理しておくための「マイ・タイムライン」がおすすめです。
女性のひとり暮らしでは不安なこともたくさんありますが、ポイントを押さえてつくり方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

2020.10.7更新

秋は天気が不安定な季節。
近年は、突然の豪雨や雷雨、大型台風の接近など、生活を脅かすほどの被害がもたらされています。
命にかかわる災害が短時間で発生することもあり、自分を守るための判断が必要とされる場合があります。
どんな状況になったら避難をするのか、どこに避難をするのか、きちんと考えておくことが大切。
自分や住んでいる地域の状況にあった判断基準や対応を整理しておくための「マイ・タイムライン」がおすすめです。
女性のひとり暮らしでは不安なこともたくさんありますが、ポイントを押さえてつくり方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

"わたし"の避難計画「マイ・タイムライン」

「マイ・タイムライン」とは、川の氾濫や土石流、崖崩れや地滑りなど、大雨や台風がもたらす災害に備えて作成する、自分自身のための避難計画。
家族構成や生活環境にあわせて、取るべき行動を時系列で整理して一覧にまとめます。
大規模な水害が発生したとき、どこに避難するか、何を持っていくかなどをよく考えておくことが必要です。
国土交通省や各自治体のウェブサイトでは「マイ・タイムライン」の作成フォーマットが公開されていますので活用してみてください。

「マイ・タイムライン」作成イメージ

画像

拡大画像はこちら

東京マイ・タイムライン」(出典:東京都)より引用


東京都のウェブサイトではパソコン・スマートフォンや手書きで作成できる「マイ・タイムライン」について紹介されています。

「マイ・タイムライン」の作り方

(1)避難のための事前準備

水災は、土地の特徴によって、どのような災害が起きるかが異なります。
たとえば河川の近くなら、氾濫が予測されますが、土地の高低差などで道をひとつ挟んだだけで被害の大きさが異なることも少なくありません。
マイ・タイムラインを作成する前に、まずはハザードマップを確認しましょう。
自分の生活エリアのどこで・どんな災害が起こりうるのかを、具体的に知ることが必要です。

ハザードマップは、各自治体のホームページや、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で確認することができます。もしもの時にすぐに再確認できるよう事前にダウンロードしてデータを保存するか印刷しておきましょう。

【関連記事】
水災の種類やリスクについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
第312回 豪雨災害への備え、ひとり暮らしの女性にできる事前の対策

(2)情報収集の方法を確認しておく

大雨による災害が予測されるときは、まずどのような状況なのか正しく情報を把握することが、何より大切です。その情報を元に、避難のタイミングを判断することになります。
現状を正しく知るには、複数の情報を確認することが大切です。
災害情報のソースとしては、以下のようなものがあります。

・お住いの自治体が配信する災害情報(ホームページ、SNSなど)
・テレビのデータ放送からの災害情報
・河川の水位情報や土砂災害警戒情報など
・お天気アプリ(複数のアプリを確認する)
・地域の防災無線(警報レベル、避難情報などの呼びかけを行う一斉放送)

ネット上でチェックできる確認先については、事前にダウンロードやブックマークをしておきましょう。

(3)避難情報の意味を知り、行動を考える

マイ・タイムラインでは、気象庁や自治体から発表される防災気象情報の「警戒レベル」を目安にして、時間軸で行動を考えていきます。
警戒レベルが意味する危険度を知り、「警戒レベル●が発令されたらどのように行動するか」を考えてみましょう。

・警戒レベル1:早期注意情報(大雨が予想される数日~1日前に発令)
警報級の災害が発生する可能性を伝えるもの。
<あなたが取る行動>
最新の防災気象情報を確認しながら、災害への心構えを高めます。

・警戒レベル2:注意報(大雨の半日~数時間前に発令)
災害が発生する可能性があることを伝えるもの。
<あなたが取る行動>
河川の洪水、氾濫、高潮、土砂災害など、自分の生活エリアの災害リスク、避難場所や避難経路をチェックし、自分の避難行動を確認します。

・警戒レベル3:警戒警報(大雨の数時間~2時間前に発令)
災害が発生する可能性が高く、危険が迫ってきていることを伝えるもの。
<あなたが取る行動>
災害を予測して、避難の準備を開始。ご高齢の方や体が不自由な方が同居している場合は、避難を開始します。

・警戒レベル4:避難勧告・避難指示(記録的な大雨で災害発生の危険性が高い時に発令)
災害発生直前ともいえる非常に危険な状況です。地元の自治体からは避難勧告などが発令されます。
<あなたが取る行動>
一刻も早く、危険区域の外に避難する必要があります。
道路が冠水してからでは避難が困難なので、早急に避難を終えましょう。

・警報レベル5:災害発生(災害が発生したときに発令)
すでに災害が発生している状況であることを知らせるもの。
<あなたが取る行動>
避難経路でも災害が発生している可能性があり、安易な避難は逆に危険。
高い位置にある2~3階以上の部屋への避難なども含め、命を守るために最善の行動を取ることが大切です。


警報レベルは、行動するための判断の目安にはなりますが、一概にすべての方に当てはまるわけではありません。
災害リスクが高い場所に住んでいるなら、「警報レベル4になったから、さあ避難」では遅いかもしれません。住んでいる場所の災害リスクを見極め、早めに避難する判断も必要です。
何か事情があって避難に時間がかかることが考えられる場合も、早めの避難行動が求められます。

避難は、誰かに強制されておこなうものではなく、自分の意志でおこなうもの。
自分に合った判断基準を持つために、マイ・タイムラインをつくっておきましょう。

(4)具体的な行動をシミュレーションする

自分の住んでいる場所、生活エリアの災害リスクを考慮しながら、具体的な行動をまとめます。
「いつ」「何をするか」をシミュレーションし、マイ・タイムラインに段階ごとの取るべき行動を記入していきましょう。
ご家族と同居しているなら、それぞれの役割分担や連絡手段なども話しあって、マイ・タイムラインに反映しておくと良いでしょう。

たとえば、「警戒レベル1が発令されたら、避難先に持っていくものの用意をはじめる。スマホを充電しておく」「警戒レベル2が発令されたら、家族に連絡して今いる場所を確認。避難について意識あわせする」といった具合です。


ひとり暮らしの女性の場合、避難所生活でストレスを感じることが少なくありません。
災害被害が及ばないエリアに住む家族や友人の家に避難させてもらう、という考え方もあります。
マイ・タイムラインづくりを良い機会として、あなたにとっての「最適な避難場所」がどこなのかも、あらためて考えてみてください。

* * * * * * * * *

いざ避難するときに慌てないために、避難先に持っていく物もチェックしておきましょう。
避難中の感染リスクを避けるためにも、「自分で使うものは自分で用意する」という意識が大切です。
たとえば、常用薬やマスクなどは、避難先で入手するのが困難です。
女性の場合、生理用品や化粧品なども必要ですよね。
避難生活中も欠かせない物品、「私はこれがないと困る!」というものは、忘れないようにマイ・タイムラインにメモしておきましょう。

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