このページでは、オリンピアンや長距離競技の専門家に監修をいただき、これからランニングを始めようと思っている人から、ランニング初心者、さらにはレースに挑戦するランナーにとってランニングを「安全・安心・快適・健康」に楽しむために役立つ情報を、毎月1回お届けします。

前河 洋一(まえかわ よういち)
【プロフィール】国際武道大学教授 日本陸連普及育成委員会ランニング普及部長
筑波大学大学院修了、日本陸連公認上級コーチ、国際陸連レベル1公認コーチ、健康運動指導士。筑波大学時代に箱根駅伝(5区)出場。訳書は「アドバンスト・マラソントレーニング」と「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」(ともにベースボール・マガジン社)、著書「ありそうでなかったマラソンの教科書(ランナーズ)」など。マラソンベストは2時間19分34秒。

都心に3万人のランナーを集めて2007年にスタートした東京マラソンは、今回が10回目の節目となりました。2013年にはWMM(ワールド・マラソン・メジャーズ)の仲間入りを果たし、「ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク」とともに世界のトップ6大会として、国際的な地位を築き、海外からも多数のトップランナーや一般ランナーが出場しています。そして今年は、4年に一回のオリンピックイヤー(閏年でもある)を迎えましたので、男子の日本代表選考会として注目を集めました。
参加者の応募倍率は初回が約3倍、その後は参加定員を増やしたにもかかわらず、定員の5倍、7倍、9倍と応募者が急増し、5回目からは10倍前後で推移。今回は定員が1,000人増えて37,000人になりましたが、倍率は約11倍だったそうです。スタートラインに着くのは至難の業、まさに東京マラソンの出場権はプレミアムチケットと言えるでしょう。
その一方で、前回から"RUN as ONE"として国内提携大会から準エリート枠などが設けられ、参加者枠の拡大に様々な工夫がなされています。
参加者の応募倍率は初回が約3倍、その後は参加定員を増やしたにもかかわらず、定員の5倍、7倍、9倍と応募者が急増し、5回目からは10倍前後で推移。今回は定員が1,000人増えて37,000人になりましたが、倍率は約11倍だったそうです。スタートラインに着くのは至難の業、まさに東京マラソンの出場権はプレミアムチケットと言えるでしょう。
その一方で、前回から"RUN as ONE"として国内提携大会から準エリート枠などが設けられ、参加者枠の拡大に様々な工夫がなされています。

※編集部注 東京マラソンEXPOは2月25日から27日まで開催され、3日間で11万人以上が来場されました。
また、レース前日には有明においてフレンドシップランやジャパンディレクターズミーティングが開催され、ランニングを通じての海外交流、国内マラソン大会の発展に向けた意見交換など、様々なプログラムが実施されました。実は私も、日本陸連を代表して「市民ランナーの現状と日本陸連の取り組み」というテーマで講演させていただいたのです。
"東京マラソンウィーク"と言われるように、マラソンの枠組みを超えて楽しめる、お祭りのような盛り上がりでした。日本にランニングブームを巻き起こした東京マラソンが、次の10年でさらなる進化を遂げることを予感させられた印象です。

3月に入り、草花が目覚める季節を迎えます。ランナーにも快適な気候となりますので、寒さから解放されて気分を新たに、風景を楽しむランニングに出かけましょう!
第4回 「東京マラソン2016レポート」