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第36回
2017/03/10

海外に誇れる日本の街

小樽 歴史的街並みを活かす観光都市 北の商都から観光都市に(後編)

小樽市は北海道の中でも早い時期から観光開発に取り組んできた街だ。明治時代からの街並みを大切に保存して観光資源として活用する手法は、日本の地方都市活性化のお手本とも言われている。そんな小樽の街を散策する。

北海道鉄道発祥地

 後半も小樽繁栄の歴史を訪ねてみよう。
 小樽の繁栄を語る上で忘れてはならないのが鉄道だ。小樽は北海道における鉄道建設の拠点だったのだ。鉄道建設のための資材や機関車は、アメリカから小樽港まで船で運ばれ、ここを起点に、北海道初の官営鉄道・幌内鉄道が敷設されたのである。その名残が、南小樽と手宮を結んだ旧国鉄手宮線だ。
小樽市総合博物館 本館
小樽市総合博物館 本館
 手宮線は1985年に廃線になったが、市は歴史的遺産としてレールや踏切施設などを保存していて、たくさんの鉄道ファンが訪れている。
 私も廃線に沿って旧手宮駅構内にある「小樽市総合博物館本館」を目指すことにした。運河から西は観光客の姿も少なく、街歩きに向いている。
 途中、小樽の銘酒「宝川」の蔵元「田中酒造本店」を訪ねた。1927年に建てられた木造建築で、店内には利き酒コーナーも。南小樽にある亀甲蔵の見学も受け付けている。
田中酒造本店
田中酒造本店
 さらに西に歩く。取材は4月の終わりだったが、錆びたレールの脇に蕗の薹が花をつけていて北海道らしい景色だ。しばらく歩くと、1906年完成の「旧日本郵船(株)小樽支店」。石造り2階建ての洋館で、日露戦争後に日露両国の間で樺太国境画定会議が行われた建物でもある。
「小樽市総合博物館本館」はここからすぐ。旧手宮駅構内を利用した施設で、鉄道・科学・歴史の総合博物館。ただし、今回の目的は鉄道関係の展示だ。
 明治時代に活躍した蒸気機関車「しづか号」や、現存する国産最古の蒸気機関車「大勝号(7150形)」など、北海道を走った鉄道車両が展示されているほか、敷地内にはレンガ造りの機関車庫、転車台、貯水槽などの重要文化財「旧手宮鉄道施設」や北海道鉄道開通起点標(ゼロ・マイル)がある。
 さらに、構内線の手宮駅と中央駅の間には、1909年にアメリカでつくられた蒸気機関車「アイアンホース号」も走っている。
 ここに来ると、石炭の積み出し港として賑わっていた頃の姿がはっきりと目に浮かんでくる。

ニシン最盛期の名残

小樽市鰊御殿
小樽市鰊御殿
 もうひとつ、小樽を栄えさせたのがニシン漁だ。かつて北海道西海岸のニシン漁は「一網千両、万両」といわれるほどの富をもたらした。明治時代にはピークを迎えて、日本中から出稼ぎの漁業労働者が集まってきた。
 網元は「鰊御殿」と呼ばれる大きな屋敷を建て、家族のほかに船頭や出稼ぎの人たちを住み込ませた。
 小樽市には「小樽市鰊御殿」や、「旧青山家別邸」などが残っているが、今回は「小樽市鰊御殿」に行くことにした。駅からバスで約30分。祝津港を見下ろす丘の上に「小樽市鰊御殿」は建っている。
 この御殿は、現在の泊村にあった建物を移築復元したもので、オリジナルは1897年の建築。どこかお寺の本堂を思わせるつくりで、旬にはニシンで海面が盛り上がった、という最盛期の輝きを伝えている。
 御殿内には、当時の写真も展示されている。浜辺に運ばれたニシンの写真が圧巻だ。水揚げされたニシンは大窯で煮た後に油と水を絞って乾燥させ、「〆粕」として肥料にされたそうだ。
 すごいですね、と言うと、案内の方が「獲り過ぎちゃったんですな」と説明するのを聞いてちょっとせつなくなった。ニシンはある年突然来なくなったのだ。
 しかし、ニシンは尽きても、観光資源は尽きることがない。アイデアやサービス精神は無限にわき出すものだ。今の小樽の良さはそこにあるのだ、と思った。


【SPOT】
石原裕次郎記念館
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小樽の名所。少年時代に父親の勤務地だった小樽に暮らし、小樽に強い思いを持っていた俳優の故・石原裕次郎ゆかりの品などを展示。残念ながら、建物老朽化のために2017年夏で閉館予定。
おたる水族館
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「小樽市鰊御殿」のすぐそばにある。北海道の川や湖、オホーツクの海の珍しい魚などを展示するほか、海獣公園ではセイウチやアザラシなどを多数展示。イルカのショーやペンギンのショーなども楽しめて、市民に人気の施設だ。
取材先
  • 【田中酒造本店】小樽市色内3-2-5 TEL: 0134-23-0390
  • 【旧日本郵船㈱小樽支店】小樽市色内3-7-8 TEL: 0134-22-3316
  • 【小樽市総合博物館 本館】小樽市手宮1-3-6 TEL: 0134-33-2523
  • 【小樽市鰊御殿】小樽市祝津3-228 TEL: 0134-22-1038
  • 【石原裕次郎記念館】小樽市築港5-10 TEL: 0134-34-1188
  • 【おたる水族館】小樽市祝津3-303 TEL: 0134-33-1400
※小樽市総合博物館本館のアイアンホース号など、野外の展示物は冬季には見学できません。2017年は4月29日から公開予定です。

※このコラムは『セコムライフ』2012年夏号に掲載した記事をベースにWEB用に再構成したものです。

第36回 小樽 歴史的街並みを活かす観光都市 北の商都から観光都市に(後編)

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