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第29回
2016/12/06

海外に誇れる日本の街

函館 エキゾチックな建物を背景に路面電車が走る歴史の街(前編)

北海道新幹線・新函館駅開業で賑わう函館。この街は、幕末になって、横浜、長崎とともに開港された国際貿易港。函館山の周辺には外国人居留地がつくられ、港と外国人居留地を中心に新しい街が形成されていった。今でも異国風の建物が残るエキゾチックな街の歴史をたどりながら歩いてみた。

明治生まれの市電で港へ

 函館に生まれ育った画家に田辺三重松がいる。自然の景観を独特の色づかいと大胆なタッチとで描いたことで知られる画家である。三重松は作品のモチーフとして、函館を好んで取り上げた。函館山の麓から港を見下ろした絵や、坂道と教会を描いた絵が、私は好きだ。今回の取材では、田辺三重松の函館を歩いてみようと思う。
赤レンガ倉庫
赤レンガ倉庫
 羽田発函館行き便の機内アナウンスが着陸を告げ、窓からは三方を海に面した市街地が見えてきた。函館は天然の良港だ。縄文時代から本州と北海道を結ぶ海の交易拠点だった、と言われている。15世紀半ばには、陸奥国の豪族・安東政季とともに北海道に渡った戦国武将・河野政通が宇須岸に方形の館を築き、これが「箱館」の地名の由来となった。幕末になって、函館は、横浜、長崎とともに国際貿易港として開港された。函館山の周辺には外国人居留地がつくられ、港と外国人居留地を中心に新しい街が形成されていったのだ。
 空港ビルの表に出ると、本州とはまるで空気が違うのに驚く。何度も来ているのに、やはり驚く。空もずいぶん広く感じる。
函館市電
函館市電
 連絡バスで、湯の川温泉まで。ここからは市電に乗り換える。今回の旅には路面電車がふさわしい。函館に市電の前身となる馬車鉄道が走り始めたのは1897(明治30)年のこと。北海道初の路面電車が走ったのは1913(大正2)年。札幌よりも5年も早かった。
 モーター音と気持ちのいい振動とともに電車は市街地をのんびり走り抜けていく。JR函館駅前を過ぎてしばらくすると、車窓の両側には異国情緒あふれる建物が見えはじめる。擬洋風建築と呼ばれるもので、日本人大工が洋風建築を見よう見まねでつくったものだ。これだけの数の擬洋風建築がまとまって残っているのは珍しく、路面電車と実によくマッチしている。
 路面電車が南北に別れる十字街で下車。海側がベイエリア、山側が元町。潮の香りにひかれて、まずベイエリアに向かった。かつて函館港の中心として賑わった地区で、港の主力が北側の中央埠頭などに移った現在は、煉瓦造りの倉庫街が商業施設として活用された観光名所になっている。
はこだて明治館
はこだて明治館
 その原点とも言えるのが、旧函館郵便局をリニューアルした「はこだて明治館」だ。煉瓦造りの建物には蔦が絡まり、入り口には古い郵便受けが並ぶ。館内ではオルゴールやガラス製品などが販売されているほか、体験コーナーもある。
 倉庫街には金森洋物館や金森ホール、函館ベイ美食クラブなどの施設があり、湾内一周の観光船「ブルームーン」の乗り場も。ヨットやプレジャーボートも浮かび、観光客だけでなく、市民が休日やアフター5をのんびり過ごす場所にもなっているそうだ。取材中、結婚式を挙げているカップルに出会った。

歴史的な建物が並ぶ元町

 十字街の駅に戻り、市電の線路に沿って歩く。ここが元町と呼ばれるエリア。旧函館市分庁舎のモダンな建物、明治時代に金森洋物店の店舗として建てられた市立博物館郷土資料館、大正時代に銀行として建てられた函館市文学館、旧日銀函館支店の北方民族資料館などのすばらしい建物が並ぶ。ヨーロッパのような街角を路面電車が抜けていく風景は、田辺三重松も描いている。
函館市旧イギリス領事館
函館市旧イギリス領事館
 北方民族資料館の向かい、基坂という坂を登ると左手に函館市旧イギリス領事館(開港記念館)が見えてきた。大正時代の建築で、1934(昭和9)年まで領事館として使われていた。その向こうには函館公園と1910(明治43)年建築の旧函館区公会堂。ほかにも純中国風レンガ造りの函館中華會舘、現存する写真館としては北海道最古の洋風建築・旧小林写真館など、レトロな建物が並んでいる。
 このあたりから港を見下ろす風景を三重松は「港内の大小汽船の巧まぬ配列、そして白く航跡をひいてゆきかうランチなど、前景の坂道の建築を配しての構図は無限である。私は元町あたりからの展望を最も好む」と書いている。
 ここらで小休止としよう。


【SPOT】
函館市電
100年以上走り続ける函館市民の足。現在は湯の川~函館どつく前と、湯の川~谷地頭の2系統がワンマンで運行されている。明治の市電をイメージした「函館ハイカラ號」や、最新式のLRV「らっくる号」などが走っている。
取材先
  • 【旧函館郵便局(はこだて明治館)】 函館市豊川町11-17 
    TEL: 0138-27-7070
  • 【函館市旧イギリス領事館(開港記念館)】 函館市元町33-14 
    TEL: 0138-27-8159
※このコラムは『セコムライフ』2010年夏号に掲載した記事をベースにWEB用に再構成したものです。

第29回 函館 エキゾチックな建物を背景に路面電車が走る歴史の街(前編)

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