第3回
生活を見直して、腰痛フリーに (2)
腰痛の予防、再発を防ぐ腰痛体操
Q.自宅でも簡単にできる腰痛対策はありますか。
重いものを持ち上げるときなどには、おなかに力を込めますが、このとき、おなかのなかに生じる圧力が「腹腔内圧」です。この腹腔内圧が、背骨とともに、腰を支える力となります。腹腔内圧は、腹筋が強ければ、それだけ高まります。このように、腹筋や背筋も、腰を支える自前の"コルセット"として大事な働きをしています。
前述のとおり、背骨は老化とともに衰えていきますが、腰のまわりの腹筋や背筋を強くしておけば、それを補ってくれるので、腰痛も起こりにくくなります。
そこで、おすすめしたいのが、「腰痛体操」[下記(1)~(5)]です。
前述のとおり、背骨は老化とともに衰えていきますが、腰のまわりの腹筋や背筋を強くしておけば、それを補ってくれるので、腰痛も起こりにくくなります。
そこで、おすすめしたいのが、「腰痛体操」[下記(1)~(5)]です。
腰痛の予防・再発を防ぐ腰痛体操
仰向けに寝て、ひざを曲げる。ひざを胸に引き寄せて抱え込み、おしりが床から浮くぐらいの姿勢で5~10秒保つ。
仰向けに寝て、ひざを立てる。手を頭の後ろで組んで、肩をゆっくりと床から約10cm浮かせる。おへそのあたりを覗くような姿勢で5秒停止する。
仰向けになり、ひざを曲げる。おなかに手を当てて足を踏ん張り、腰を持ち上げる。このとき、上がるのがおしりだけにならないようにする。
腰痛予防のためのストレッチ
1.伸ばした右脚の内ももに、曲げた左足の右の裏をつける。
2.両手で、右足の裏(辛ければ足首)をつかむように上体を倒し、太ももの裏と背中をしっかり伸ばす。
3.左足を伸ばし、同様のストレッチを行う。
1.仰向けになり、右脚を曲げて左の脚側に倒す。(右の太ももと伸ばした左脚の角度が90度になるように)
2.曲げた右脚のひざの上に左手を置き、軽く押し、右側の腰を伸ばす。上体にひねりを加えると、より効果的。
3.左脚を曲げて、同様のストレッチを行う。
腰痛体操の効果をまとめると、次の3つのようなことがあげられます。
- からだを柔軟にする
- 筋肉や靭帯を伸ばすストレッチ効果によって、柔軟性を高め、ケガなどをしにくくします。
- 筋肉を強化する
- 腹筋と背筋は、いわば筋肉のコルセット。これらを強くすることで、椎間板や腰椎への負担を軽減します。
- 血液の流れをよくする
- 体操をしてからだを動かすことで、血液の流れがよくなり、疲れがとれやすくなります。
大切なのは、自分のペースで無理をしないこと
Q.腰痛体操のポイント、また注意すべき点は。
腰痛体操で大切なのは、自分のペースで続けることと、無理をしないこと。とくに以前、腰痛になったことのある人は、回数や程度を考えながら、慎重に行ってください。
一応の目安としては、柔軟性を養うストレッチ、腹筋、背筋のトレーニングを、それぞれ10回ずつ行い、朝、昼、晩の3回繰り返します。仕事などの都合で、昼に行えない場合は、朝と晩だけでもかまいません。そして翌朝、痛みや疲れがないようなら、回数を徐々に増やしたり、負荷を大きくしたりしていくとよいでしょう。
注意していただきたいのが、腰痛体操の目的は、腰痛を治すのではなく、腰痛の予防と再発の防止にあるということ。したがって、激しい痛みがある急性の腰痛の人が、この体操をすると、かえって症状を悪化させてしまいます。急性の腰痛の場合は、まず安静を心がけ、症状が落ち着いたら専門医の下で適切な治療を受けてください。
一応の目安としては、柔軟性を養うストレッチ、腹筋、背筋のトレーニングを、それぞれ10回ずつ行い、朝、昼、晩の3回繰り返します。仕事などの都合で、昼に行えない場合は、朝と晩だけでもかまいません。そして翌朝、痛みや疲れがないようなら、回数を徐々に増やしたり、負荷を大きくしたりしていくとよいでしょう。
注意していただきたいのが、腰痛体操の目的は、腰痛を治すのではなく、腰痛の予防と再発の防止にあるということ。したがって、激しい痛みがある急性の腰痛の人が、この体操をすると、かえって症状を悪化させてしまいます。急性の腰痛の場合は、まず安静を心がけ、症状が落ち着いたら専門医の下で適切な治療を受けてください。

大野高也(おおの たかや)
医学博士
医学博士
【略歴】 |
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杏林大学医学部卒業 1982年 同医局入局 1995年 社会福祉法人康和会 久我山病院 医長 現在は副院長、リハビリテーションセンター長。専門は関節外科、スポーツ外傷、リハビリテーションなど |
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