光、電波、音波による屋内外監視技術

状況を正しく把握する技術

サービスを提供するうえで、人やモノ、空間などがどのような状況にあるかを正しく把握することが重要です。

IS研究所では防犯カメラをはじめとして、さまざまなデバイスやセンサーを利用して状況を把握する技術を研究してきました。

そして屋内や屋外での状況把握のために、屋内や屋外の状況を把握する監視技術の要素として、光・電波・音波という3つのセンシング技術を研究しています。


光を活用したセンシング

光には人間の目に見える可視光のほかにも、さまざまな特性をもった波長の光が存在します。それら目に見えない光の特性も利用したセンサーの1つが赤外線カメラです。

全ての物体は温度に応じた赤外線を放射しており、赤外線カメラはそれを捉えることができます。

これにより赤外線カメラは、可視光カメラでは見えない環境、例えば夜間でも照明を使うことなく物体を捉えることができ、さらに煙や霧を透過することもできるのです。

自動車の熱分布
自動車の熱分布
人体の熱分布
人体の熱分布

このように目に見えない光の特性からさまざまな情報を得ることができます。

では、可視光や赤外線以外の波長の光を捉えるにはどうすればよいのでしょうか。その方法の1つが分光分析という手法です。

分光分析は、分光装置を使うことでさまざまな波長の光の強度の分布を表した光スペクトル情報を測定します。

物質には、分子構造によって特定の波長の光を吸収または反射するという特性があるので、光スペクトル情報から物質の種類の識別を行うことができるのです。

可視光帯
可視光帯
近赤外線帯
近赤外線帯

また光には偏光という、光の振動方向の偏りという特性もあります。

光が物体に反射すると、角度や物質の種類によって偏光の特性が変化します。そこで偏光がどのように変化したかを分析することで立体形状の測定や物質の判別などへの応用が可能です。

偏光の特性の違い
偏光の特性の違い

電波を活用したセンシング

電波は、可視光や赤外線よりも波長の長い電磁波であり、通信からセンシングまで幅広い用途に使われています。

電波も波長によってさまざまな特性があり、それを利用したセンシング技術を研究中です。

例えば電波は耐候性に優れているという特徴があります。この特性は屋外で利用される侵入検知センサーとして有用です。

カメラにとってはノイズとなる雨の中でも、電波を利用することで対象物の位置や速度を測定することができます。またカメラと異なりプライバシーを保護した監視や見守りも可能です。

電波を活用して状況把握
電波を活用して状況把握

電波には非金属の物体を透過するという特性もあります。そのため布や木材などがあっても、それを透過してセンシングすることができるのです。

この特性を利用した非接触バイタルセンシングを実現することもできると考えています。この技術はヘルスケアサービスへの応用が期待されている技術でもあります。

目に見えない電波を捉える
目に見えない電波を捉える

このように電波を利用したさまざまなセンサーを研究するのはもちろん、異なる複数の設置形態のセンシングデータから高精度・高信頼の検知の実現を目指した研究や、ソフトウェア無線機を利用した無線端末位置特定技術なども研究中です。


音波を活用したセンシング

電波や光などは電磁波を利用しましたが、音波のセンシングで利用するのは空気の振動です。

音波は人には聞こえる可聴帯と、人には聞こえない超音波帯の2つに分類されます。

可聴帯を扱った研究は、「音響異常検知センサー」です。これは音の種類を判別し、異常な音を検知します。異常な音とは、悲鳴や「助けて」などのヘルプ要請、うめき声などの人の声のほかに、何かの破壊音や衝突音などがあります。

またこのセンサーには、音の発生場所を特定するという機能も必要です。例えば、防犯カメラの映像に映らない位置で異常な音が鳴ったとき、音の発生場所がわかればその方向にカメラを向けることもできます。

無響室
音響実験を行う無響室

つぎに超音波帯を扱った研究では、人間の微細な動きを計測して状況把握を行うことを目指しています。

将来的には住居内に超音波センサーを配置して、人の活動状態を把握し、異常を早期発見することのできるシステムが実現できると考えています。

音波解析
音波解析

見守りなどの屋内のサービスの需要は、今後さらに増加すると予想されます。そして電波や超音波などの、プライバシーを保護しつつ状況把握のできるセンサーの需要もまた高まることでしょう。