IETF103ハッカソン ベストプロジェクトに選出

コミュニケーションネットワークグループ 海江田洋平 / 瀧田悠一

暗号・認証基盤グループ 伊藤忠彦

IETF103ハッカソン
ベストプロジェクト受賞の様子(左から海江田さん、伊藤さん、瀧田さん)

インターネット上のサービスで利用される技術の標準化を行うため、世界中から有志で集まったエンジニアが議論をする場である「IETF (Internet Engineering Task Force)」で行われたハッカソンで、IS研究所の海江田さん、瀧田さん、伊藤さんがメンバーとして参加したプロジェクトがベストプロジェクトとして選出されました。

3名が参加したのは「SUIT (Software Updates for IoT)」というプロジェクトです。SUITは、IoT機器のファームウェアを安全に更新する仕組みを目的とし、ファームウェアの配布方法に依らず、発行元が正しいかを認証する方法を提案しています。ハッカソンではそのアイデアを実証し、多くのエンジニアから高い評価を得られました。

3名はそれぞれ、海江田さんがデバイス関連技術、瀧田さんがサーバーとデバイス間のファームウェア保護技術、伊藤さんはデバイスでの鍵管理技術を担当しました。

IETF: Internet Engineering Task Force

情報処理学会 2018年度山下記念研究賞受賞

スマートコンピューティンググループ 坂本一仁

坂本一仁
山下記念研究賞を受賞した坂本さん

情報処理学会では、研究会および研究会主催シンポジウムの研究発表から、特に優秀な論文の発表者に「山下記念研究賞」を贈っています。坂本さんは、「セキュリティ心理学とトラスト研究会」の中で発表した論文「オプトアウトの神話と真実:行動ターゲティング広告におけるオプトアウトの効果に関する調査」が評価され、2018年度山下記念研究賞を受賞しました。

この論文は、行動ターゲティング広告のオプトアウトの効果の実態を調査したものです。調査の結果、約半数の広告事業者がオプトアウトによって行動ターゲティング広告の配信を止めても、行動の追跡を継続していることがわかりました。

行動ターゲティング広告の自主規制ガイドラインでは、追跡の継続は規制されていませんが、プライバシーの配慮を欠かすことはできないため今後の改善に期待していると坂本さんは語っています。

日本ネットワークセキュリティ協会
組織で働く人間が引き起こす不正・事故対応ワーキンググループ

リスクマネジメントグループ 甘利康文

甘利康文
WGのリーダーを務める甘利さん

日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の「組織で働く人間が引き起こす不正・事故対応ワーキンググループ(WG)」では、組織内部で発生する不正や事故を防ぐ方法を、科学と社会学の双方の視点から検討しています。甘利さんは、このWGを発足し、現在もグループリーダとして牽引役を務めています。

セコムはお客様の鍵を預かることもあり、内部不正対策のノウハウを持っています。そのノウハウを社会に還元するために甘利さんが執筆した論文がきっかけになり、JNSAからWG発足の提案を受けました。

今の内部不正対策は、さまざまな制限をかけるという犯罪機会論的なものです。しかし、根本的に解決するためには、悪事を働くという気持ちを起こさせない犯罪原因論的な対策が必要だと考えています。

日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)

キッズデザイン協議会理事

リスクマネジメントグループ 舟生岳夫

舟生岳夫
協議会設立から精力的に活動する舟生さん

キッズデザイン協議会は、「子どものためのデザイン」について協議する団体です。さまざまな商品や施設の設計段階から「子どもの安全」を考慮したデザインの普及や啓蒙活動などを行っています。

この協議会が設立したときからセコムは理事企業として参加しており、当時から子どもの安全についての活動をしていた舟生さんが理事として参加しています。また舟生さんは、今では研究開発部会の副部会長も務めています。

研究開発部会では実際の建物にある子どもの安全に関する問題点を調査して、改善に繋げるという取り組みを行っています。また、優れたキッズデザインのものや取り組みを表彰する「キッズデザイン賞」の選考などもキッズデザイン協議会の重要な活動です。


日本ネットワークセキュリティ協会
セキュリティ啓発ワーキンググループ

リスクマネジメントグループ 舟生岳夫

舟生岳夫
安全をどう教育するかを模索

日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の「セキュリティ啓発ワーキンググループ(WG)」では、主な活動として独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の委託事業「インターネット安全教室」の運営を行っています。

舟生さんは、インターネットに関する最新のトピックなど、IPAから提供されたものを基に教育用コンテンツを作成し、インターネット安全教室を行う各地のNPOに説明のやり方などのレクチャーも行っています。

またセコムで行っている安全教室でも、インターネットに関するトピックを扱うことが増えているため、このWGの活動とうまく連携したいと舟生さんは語っています。

スーパーサイエンスハイスクール特別講座
東京学芸大学附属国際中等教育学校

ターゲット・ディテクショングループ 氏家秀紀

氏家秀紀
高校生にAIを講義する氏家さん

セコムの行っているスーパーサイエンスハイスクール特別講座の一環で、東京学芸大学附属国際中等教育学校にて「機械学習 – AIのホントのところ –」と題して講義を行い、画像処理技術にAIを活用している氏家さんが講師を担当しました。

AIは、大きく分けて「万能型AI」と「特化型AI」があり、いま実用化されているAIは特化型がほとんどです。機械学習はなくてはならない技術として研究が進められています。この講義では、AIの歴史から特化型AIの中核である機械学習の基本、またAIの課題などを解説し、生徒たちは興味深げに聴講していました。

日本ネットワークセキュリティ協会
電子署名ワーキンググループ

暗号・認証基盤グループ 佐藤雅史

佐藤雅史
安全・安心なサービスに電子署名は必要不可欠

日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の電子署名ワーキンググループ(WG)は、安全・安心なデジタル社会をつくるための基盤づくりを目指しています。そのために電子署名に関する技術的な議論を行い、課題の解決やその標準化活動、各分野への電子署名のプロモーションなどを行っています。

佐藤さんは、電子署名WGの立ち上げから関わっており、電子署名の標準化活動のほかに、ブロックチェーンの調査や解説なども行っています。

佐藤さんがいま注目しているのは、クラウド上で鍵を預ける「リモート署名」です。欧州ではリモート署名を導入するケースが増加しているため、日本でもその議論が必要だと考えています。また電子契約の手続きを円滑に行うための電子委任状にも注目しており、今後の活動として取り組んでいく予定です。

日本国際賞学術懇談会

サイバーセキュリティグループ 島岡政基

島岡政基
暗号分野の有力者達にセコムをアピール

日本国際賞とは、ノーベル賞並みに権威のある賞を目指して日本でつくられた賞で、科学技術の進歩や人類の平和や繁栄に貢献した研究を表彰するものです。

2017年度の受賞者は、RSA暗号の発明者であり暗号分野の権威でもあるAdi Shamir博士でした。この受賞を記念して開催されたのが、国内から暗号分野やその周辺分野を代表する研究者10名を招いた学術懇談会です。そして島岡さんは、この10名のうちの1人として招待されました。

参加者のほとんどがアカデミックな方々で、島岡さんは唯一の民間企業からの参加者でした。懇談会では、参加者各自の取り組みについてプレゼンする機会があり、島岡さんは「Web PKI の側面から標準化と専門家の育成」について話をしました。Shamir博士をはじめ有数の研究者の方々に、サービス企業であるセコムならではの視点から暗号に関わる課題を共有でき、非常に価値のある機会になりました。

3次元地図情報共通プラットフォームの仕様検討

スマートコンピューティンググループ 宮澤慎一

宮澤慎一
IS研究所の「空間情報」の知見が活かされる

現在、セコムは「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」という国家プロジェクトに関わっています。SIPの取り組みにはインフラ維持管理や防災、自動走行などがあります。そして、これらを実現するための重要な共通要素が3次元地図データです。

宮澤さんの参加しているテーマでは、各種アプリケーションで3次元地図データを共通化して扱うことのできる「3次元地図情報共通プラットフォーム」の構築を目指しています。セコムが提供しているさまざまなサービスにおいても、地図などの2次元データや建物などの3次元データ、センサーやIoT機器から得られる時系列データを統合的に扱うことが重要です。

IS研では従来からこのような研究課題に取り組んでおり、その知見や成果を活用して、本テーマに取り組んでいます。宮澤さんは分散処理システムの研究に取り組んでおり、都市レベルの大規模な3次元地図データとセンシングデータを効率的に扱う観点からこのプロジェクトに参加しています。