再検査!?
学校健診での結果について
2026.04.22
5月12日は「看護の日」です。
フローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんで定められたこの日は、「看護の心」や「ケアの大切さ」に改めて目を向ける日です。
一人ひとりの小さな変化に気づき、寄り添い、支えるーその積み重ねが、これからの高齢化社会や次世代を守る力になります。
看護の現場で大切にされてきた「気づく力」は、医療機関の中だけでなく、子どもたちの健やかな成長を見守る場面でも欠かすことのできない視点です。
毎年行われる学校健診は、病気を見つけるためだけのものではなく、成長過程での変化や、体からの小さなサインを早めに知るための大切な機会です。
例えば、学校健診で指摘されやすい「尿たんぱく」や「視力低下」には生理的変化や環境要因が関わっていることも多く、 必ずしも病気とは限りません。
このコラムでは、学校健診でよく見られる
「尿たんぱく」と「視力低下」について、その理由をていねいに、わかりやすくお伝えします。
目次
尿たんぱくとは?
尿たんぱくとは、尿の中にたんぱく質が混ざっている状態のこと。
実は子どもの健診では”病気が原因のとき” と “病気ではないとき” の両方があります。
<病気が原因の場合>
- 軽い場合:腎盂炎・膀胱炎など
- 検査・治療が必要な場合:腎炎・ネフローゼ症候群など
- 精密検査が必要な場合:生まれつき腎臓の構造の異常・腫瘍など
<病気以外の理由で出る場合(生理的たんぱく尿)>
- 激しい運動のあと・発熱・ストレス・過労による一時的な変化
- 肉などたんぱく質を多く含む食品を過剰に摂取
- 立っているときだけ出る「起立性たんぱく尿」(10代に多い)
尿たんぱくは、病気以外の理由で出ることも多い一方で、病気の早期発見につながる大切なサインでもあります。
「その日は風邪だったから大丈夫」と決めつけず、必ず医療機関で再検査を受けましょう。
視力低下
学校から「視力の精密検査を受けてください」と通知が来ると、視力が急に悪くなったのでは?と心配になりますよね。
子どもの近視は、大人の近視と異なり、一時的な『仮性近視』の場合があります。
原因に合った治療が大切なので、早目に専門医に診察を受けましょう。
<精密検査では何を調べるの?>
眼科で行う精密検査では、視力低下の原因を詳しく調べます。
主な検査内容はこちら:
- 裸眼での視力測定
- 眼鏡をかけたときの視力の変化
- 乱視・遠視の有無
- 斜視のチェック
- 眼の病気がないか
- 心因性視力低下の可能性も考慮
こうした検査を通して、「近視かどうか」 が判断されます。
<「仮性近視」とは?>
実は、子どもの視力低下の中で時折みられるのが 仮性近視(偽近視) です。
長い時間、近くを集中して見続けたあと、
目のピント合わせの筋肉(毛様体筋)が緊張したまま戻らなくなり、一時的に遠くが見えにくくなる状態 のことです。
教科書やタブレットを長時間見ていた後に検査をすると、
本当は近視でないのに「近視のように見える」ことがあるのです。
その場合、緊張をゆるめる目薬(調節麻痺薬)を点眼してから再測定します。
これで視力が戻れば 仮性近視 と判断できます。
<「近視」とは?>
眼球の形が前後方向に長くなって、目の中に入った 光線のピントが合う位置が網膜より前になっている 状態です。近視の多くは、子どもの頃に、眼球の前後方向の長さを表す眼軸長(眼の奥行き)が、正常よりも過剰に伸びることで生じます。
近視は、遺伝要因と環境要因の両方が関係するといわれていますが、近年の近視の増加は、環境による 影響が大きいと考えられています。
子どもたちを取りまく生活環境の変化によって、世界的に近視人口は増加傾向にあります。裸眼視力1.0未満のこどものうち、約8~9割は近視であることが指摘されています。
<視力低下を防ぐための生活習慣>
視力低下を完全に防ぐことはできませんが、
日常生活の中でできる工夫によって目の負担を減らすことは可能です。
①屋外活動の確保(屋外活動は近視の発症を予防することが科学的に証明されています)
- 1日2時間の屋外活動が望ましい
②近くを見る作業の管理(紙やペン・読書・電子機器)
- 近くを見る作業を行う際は30㎝以上離してものを見ること、また30分以上連続して見続けないこと
- 正しい姿勢を保ち、使用する電子機器の輝度を教室や部屋の明るさに合わせて適切に調整する
- 就寝前1時間は電子機器を使用しないように心がける
“小さな習慣”が、子どもの目を守る大事な鍵になります。
<近視は治せる?一度低下した視力は回復できる? >
治るものと治らないものがあります。仮性近視は目薬などで治療できる場合があります。しかし、近視による視力低下は主に軸性近視です。一度伸びてしまった眼軸長を元に戻すことはできないと言われているため、近視は予防や早期発見がとても重要です。
学校健診で「再検査」と言われると不安になりますが、正しい評価を受けておくことが何より大切です。
特に視力は成長とともに変わりやすいため、眼鏡を作る前に、まず精密検査で原因を見極めることが重要です。
子どもには子ども特有の疾患や変化があります。気になる点は早めに専門医に相談し、安心につなげましょう。
ほっと健康ラインをご活用ください
お子さんの変化に気づけるのは、誰よりも近くで見守っている保護者のあなただからこそです。
その気づきを大切にしつつ、不安なときは早めに専門家に相談することが“お子さんの未来の目と健康を守る第一歩”になります。
気になることがあれば、ほっと健康ラインにいつでもご連絡ください。
24時間365日、看護師がやさしくサポートします。

