報道資料 2013年5月28日
セコム株式会社

日本初、肌の色を精確に再現する
「モバイル遠隔診療システム」を開発

照明環境に依存しない色再現で遠隔診療や訪問看護に利用

セコム株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:前田修司)は、このほど、これまでセコムが培ってきた画像処理技術を駆使した、日本初の環境の変化などに左右されず、肌の色を精確に再現できる「モバイル遠隔診療システム」を開発しました。

65歳以上の高齢者人口が3,000万人を超える超高齢社会の日本において、現在、訪問看護サービスの利用者数は約38万人(注)にものぼります。また、病院の在院日数の短縮化傾向にある現在、退院後の療養や経過観察などを行うため、訪問診療や訪問看護などの在宅医療の需要が急速に高まっています。それに伴い、医師の直接対面によらない遠隔診療の普及が期待されています。(注)中央社会保険医療協議会 総会 第237回 資料
 通常、医師が患者を診る場合、各種検査結果に加え触診、聴診などのほかに、傷跡などの患部の色はもちろんのこと、問診時の表情や顔色などを診る視診も重要な要素となります。
 しかし、遠隔診療などにおいては患者の自宅が診療の場所となるために、従来の技術では照明環境がさまざまであり、忠実な肌の色再現を行うことができませんでした。

今回セコムが開発した「モバイル遠隔診療システム」では、セコム独自の画像処理技術により、部屋の明るさや照明の種類に依存することなく忠実に患者の顔色や患部の色を再現し、遠隔診療での医師の視診に活用していくことを目指します。
 また、本システムの操作は非常に簡単であり、医療知識や専門技術を持たないご家族やヘルパーといった非医療従事者でも利用可能なため、医師や看護師が訪問しなくても、患者は質・満足度の高い診療を受けることができます。
 また、今回開発した色再現技術を監視カメラに用いることで、洋服や髪の色を用いた迷子の自動検索や、車体の色による盗難車輌の認識などのセキュリティニーズへの応用も行ってまいります。
 今回の新たな肌の色再現技術は、医療やセキュリティなどのフィールドでサービスの質的向上に貢献できるものと確信しています。

■「モバイル遠隔診療システム」の概要

「モバイル遠隔診療システム」は、音声・映像通話を行い、診療に必要な視覚情報を医師が確認できるシステムです。

「モバイル遠隔診療システム」の概要

患者と医師はテレビ電話のように、双方向で音声・映像通話をすることができます。
医師は、患者宅の照明の影響を排除した、正しい色合いの患者の患部などの画像を見ることができます。
診療結果は、電子カルテに記録。過去の診療結果や過去の画像と比較することができます。
すべてのデータはセコムの「セキュアデータセンター」に安全に保管することができます。

「モバイル遠隔診療システム」は通常のテレビ電話システムと異なり、以下の特長を持っています。

■「モバイル遠隔診療システム」の特長

「モバイル遠隔診療システム」を用いることにより、医師が患者の肌の色を正確に把握できるため、より質の高い遠隔診療や訪問看護サービスの提供に貢献していくことが期待されます。


正しい肌の色再現
初診時と異なる照明環境であっても、肌の色を精確に再現できるため、顔色はもちろん、湿疹・褥瘡【じょくそう】(床ずれ)・色素沈着の観察にも有効であり、必要な医療処置などをより迅速に行うことが期待できます。
ポータビリティと簡単設置
本システムは訪問看護師が持ち歩けるよう、小型・軽量化の設計。そして患者宅でも大きなスペースを使うことなく、短時間で設置できます。無線通信を行い、バッテリーも搭載しているので、インターネット回線や電源の準備も不要です。
また、患者の家族や介護ヘルパーのような非医療従事者であっても、簡単にセットアップし、遠隔診療を開始することができます。
実物大サイズでの顔画像の提示
これまでの顔画像認識技術を活用し、自動で画像サイズの調整を行うことができるため、医師と会話する際などには、対面診療のような環境を再現することが可能です。
独自の顔認証技術による患者認証
セキュリティ技術で培ってきた顔認証技術を電子カルテシステムと連動させることで、患者本人のカルテを確実に表示でき、患者の取り違え防止につながります。
過去画像との比較
過去の遠隔診療時の画像との比較を行うために、色を精確に再現した画像データを保存しており、医師の必要に応じて過去画像と現在の画像を並べて表示し、経過観察を行うことができます。過去画像はすべてセコムの「セキュアデータセンター」で安全に管理するため安心です。
 セコムは今後、「モバイル遠隔診療システム」を用いることで、セコム独自のメディカルサービスの提供を視野に、今後ますます必要とされる超高齢社会に必要なサービスの開発に努めてまいります。

<参考>
セコムのメディカル事業

 セコムは1981年に日本初のホームセキュリティシステムを開発し提供を開始。翌82年にはホームセキュリティのオプションとして、救急通報時には緊急対処サービスを行い、必要に応じて119番通報する救急通報システム「マイドクター」を「セコム・ホームセキュリティ」のオプションとして発売。今年4月には高齢者救急時対応サービス「セコム・マイドクタープラス」(ホームセキュリティのオプションサービス)を発売するなど、防犯や防火対策だけでなく、救急や健康に関するサービスを提供しています。
 セコムのメディカル事業においては、1991年に訪問看護と薬剤提供を行う民間としては日本初の本格的な在宅医療サービスとして、訪問看護サービスと薬剤提供サービスを開始。現在、全国31カ所に「セコム訪問看護ステーション」を設置し、訪問看護サービスを提供しています。
 また、1994年には日本初の遠隔画像診断支援サービス「ホスピネット」を開始。セコムグループのIT・ネットワーク技術や画像処理技術などを用いて、専門医による迅速な画像診断支援を実現、現在約280の医療機関と契約し、読影診断支援を行っています。


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セコム株式会社 コーポレート広報部 齋藤 TEL:03-5775-8210



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