ニュースレター 2010年8月6日
  セコム株式会社
高齢者の見守りに効果を発揮、幅広いニーズに応える位置情報提供システム
「ココセコム」の現状と今後の可能性
MVNO※として約62万9千件に達し、貢献事例は累計約4,300件に
 わが国初の本格的なGPS(全地球測位システム)衛星と携帯電話基地局の電波を利用した位置情報提供システム「ココセコム」は、2011年4月に発売10周年を迎えます。
「ココセコム」は、最新の位置検索技術と、セコムが培ったオンライン・セキュリティシステムのサービスネットワークを融合させて、屋外を移動する人、車、物の行方不明や盗難などに遭った時に位置を特定し、要請があれば全国約2,750カ所の緊急発進拠点から緊急対処員が24時間365日現場急行を行うサービスです。屋外向けとしては、わが国初の本格的なセキュリティサービスとして評価をいただいています。

「ココセコム」は当初、人物(高齢者、子ども、女性など)、自動車・オートバイ、荷物などの行方不明や盗難を防ぐセキュリティサービスでしたが、発売開始から9年半が経過し、サービスの対象もタクシーやバスの運行管理、建設機械やATM・金庫の盗難対策、セキュリティシステムのバックアップシステムなどにも利用が広がっています。
「ココセコム」は、こうした多用な利用形態を持つようになり、MVNO※としては約62万9千件(2010年6月末)となっています。1日の検索回数はインターネットで約14万件、オペレーションセンターへ電話での位置検索要請は約400件にのぼるなど、日々の利用頻度も高いものとなっています。発売以来、帰宅が遅い認知症高齢者や子どもの発見・安全確保、車の発見・盗難防止など、貢献事例も約4,300件(2010年6月末)となりました。

 近年では、高齢化社会を迎えて徘徊高齢者の問題は社会的な問題にもなっています。 特にこれからの夏場から秋口にかけては、高齢者の炎天下の外出にご家族の心配が高まる時期でもあり、「ココセコム」もこの時期は位置検索や現場急行サービスの回数が他の季節の約1.5倍に増える傾向があります。こうした背景から夏のこの時期に、また9月20日の「敬老の日」に向けて、取材のご検討をいただければ幸甚です。

※「MVNO=Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者」とは、携帯電話などの無線通信ネットワークを既存の通信事業者から借り受けてサービスを提供することを指します。

目次
■ 「ココセコム」の特長
■ セコムにおける「ココセコム」展開の意義
■ 「ココセコム」の提供サービス
■ 「ココセコム」の貢献事例
■ 今後「ココセコム」の需要が見込まれる対象層
■ 「ココセコム」シニアを見守る安心キャンペーンについて

■「ココセコム」の特長
(1)GPS衛星と携帯電話基地局を融合した高度な位置検索が可能
写真:ココセコム専用端末GPS衛星と携帯電話基地局の電波を融合した高度な位置検索機能を持ち、最良の条件化では5〜10mの誤差で、専用端末の位置の特定が可能です。通常は3個以上のGPS衛星の電波を捉えることが位置検索には必要ですが、1個または2個しか捉えられない場合でも、携帯電話の基地局を仮想的なGPS衛星とみなし、補完することで、位置検索を全国一律で提供できます。位置検索は、インターネットを通じて「ココセコム」専用ホームページで行う(パソコン・携帯電話のモニターの地図上に所在場所を表示)か、ココセコムオペレーションセンターに電話で要請し、オペレーターが位置検索し、位置をお知らせします。

(2)「ココセコム」の専用携帯端末は小型で軽量
専用携帯端末のサイズは、縦7.9cm×横4.3cm×厚さ2.25cm、重さ約53gです。
専用携帯端末には通報ボタンが中央にあり、緊急時にオペレーションセンターに異常事態を知らせることができます。操作ボタンはこのボタン1個のみなので異常時にも、戸惑うことなくボタンを押して通報できます。専用携帯端末については、契約期間中、レンタルで使用いただくことになります。また、バッテリーの連続動作時間は、1回のフル充電(約2時間)で最大240時間(約10日間)です。
(3)ココセコムオペレーションセンターで24時間365日位置検索要請など電話対応
「ココセコム」では、24時間365日稼動するココセコムオペレーションセンターがあり、これまでのセキュリティサービスの中で蓄積したノウハウを活用し、オペレーターが位置検索や現場急行サービス要請などについて、的確な対応を行います。
お客様とオペレーターが電話中に事件性が高いと判断した場合は、その電話をつないだままで警察におつなぎし、三者間通話でサポートしますので安心です。
(4)セコムならではの現場急行サービス
「ココセコム」の専用端末の位置が特定されても、お客様が仕事中や手を離せない場合、またその現場が遠い場所ですぐに行けない時があります。その場合、24時間365日体制で、セコムの全国約2,750カ所の緊急発進拠点の中から最寄りの緊急対処員を現場に急行させ、できるだけ早期の発見に努めます。
また、発見後の対応も、安全な場所への誘導だけでなく、「ココセコム」携帯者がご自宅へ帰るためのタクシー手配(お客様負担)まで、お客様のご要望に応じてセコムが行います。
(5)低価格な利用料金
「ココセコム」は、長期契約制(当初3年契約、以後1年後ごと自動更新)となっていますが、月額基本料金は900円(月10回位置検索プラン、消費税別)と低価格です。月30回位置検索プランは月額1,900円(消費税別)、月60回位置検索プランは月額2,900円(消費税別)と、利用増でより割安になる価格プランをご用意しています。
そのほか加入料金が5,000円(消費税別)、充電器(標準充電器は2,000円(消費税別)) などの購入が必要です。また、現場急行料金は1回10,000円(消費税別)となっています。


■「ココセコム」の社会的意義とセコムの革新
(1)企業・家庭から、身近な個人のセキュリティサービスを実現
セコムは1962年に日本初の警備保障会社として創業し、常駐警備・巡回警備のサービスを開始。66年からはわが国初の企業向けオンライン・セキュリティシステムを開発しました。また、81年には日本初のホームセキュリティシステムを発売し、家庭にも安全を普及してきました。そして、2001年「ココセコム」の発売によって誰でも買える身近な個人のセキュリティサービスを実現し、普及に努めてきました。
(2)屋内中心の企業・家庭のセキュリティから屋外にセキュリティ提供エリアを拡大
企業向けのセキュリティシステムやホームセキュリティシステムは、建物の中のお客様の財産や生命を守ることを中心にサービスを提供してきましたが、路上や公園など、屋外の公共的エリアを対象とした本格的なセキュリティサービスは存在しませんでした。この「ココセコム」によって、屋外という広い対象エリアに初めてセキュリティサービスを提供することができるようになりました。
(3)有線の情報通信ネットワーク基盤に加え、無線のネットワーク基盤を構築
セコムのご契約先は2010年3月末現在、企業が約80万件、家庭が約47万2千件、合計約127万2千件に及んでいますが、これらは有線の通信回線をセキュリティシステムの通信手段として使用しています。さらに、「ココセコム」によって、新たな無線のネットワークを構築でき、このネットワーク基盤を活用したり補完することで、いろいろな展開が可能となっています。


■「ココセコム」の提供サービス
「ココセコム」の提供サービスは、以下の通りです。

(1)位置検索を必要とする人(高齢者、子ども、女性など)に小型の専用端末を持ってもらうか、または車や物の中にその専用端末を隠しておきます。

(2)位置検索が必要となった場合、インターネットを通じて「ココセコム」専用ホームページからお客様が独自に位置検索できます。また、ココセコムオペレーションセンターに電話で位置検索を要請し、オペレーターが検索の結果、位置情報を、お客様へ電話で連絡することもできます。

(3)お客様から要請があれば、緊急対処員による現場急行サービスを提供することができます。対応を要請された場合、最寄りの緊急発進拠点(全国約2,750カ所)から緊急対処員を急行させます。小型専用端末を所持された人物や、装着された車両の安全確保を実施、お客様に状況報告するとともに、必要に応じて警察・救急に通報します。

「ココセコム」サービス概要図
「ココセコム」サービス概要図


■「ココセコム」の貢献事例
「ココセコム」は約4,300件の貢献事例がありますが、最近の事例を紹介します。
◎徘徊の高齢者の方を安全確保した貢献事例
午後3時52分奥さんからご主人の帰宅が遅いと位置検索と現場急行サービスの要請があった。その後、位置検索の結果、O市O区某所と位置を特定。
午後4時7分要請を受けて駆けつけた緊急対処員が到着。
午後4時33分ご自宅から約1.3kmの地点で、路上を歩いていたご主人を緊急対処員が発見。
午後5時35分奥さんがタクシーで迎えに来られ、ご主人と合流し、帰宅された。
◎迷子のお子さんを安全確保した貢献事例
午前11時33分お母さんから、お子さんが施設から行方不明になったとのことで、ココセコムオペレーションセンターに位置検索と現場急行サービスの要請があった。その後、位置検索の結果、O区O町某所と位置を特定。
午前11時45分要請により駆けつけた緊急対処員が現場に到着。
午前11時51分施設から約7kmの地点で緊急対処員がお子さんを発見。
午前12時38分お母さんが到着され、無事お子さんと合流。
◎女性を不審者から安全確保した貢献事例
午後4時9分「ココセコム」の非常通報信号を受信。
午後4時10分緊急連絡先に連絡したところ、本日所持されているのはお嬢さんであり、連絡を取っていただいた結果、自転車で走行中に不審な男性に声をかけられ怖くなり、通報ボタンを押した。その後、不審者は立ち去ったが、セコムから安全な場所への移動を要請。
午後4時14分現場急行サービスの要請があり、現地でお嬢さんと合流し、タクシー手配を行うことで調整。その後、緊急対処員が到着し、お嬢さんと合流し無事を確認。
午後4時57分ココセコムオペレーションセンターからタクシー手配。
午後5時9分タクシーが到着し、お嬢さんをお乗せした。
午後5時56分無事、自宅に到着されたことを確認。
◎車の盗難を防いだ貢献事例
午前9時54分ご契約者から、自宅付近の月極駐車場に駐車してあった車が盗難に遭ったという車両盗難申告および位置検索と現場急行サービスの要請があった。その後、位置検索の結果、駐車場から約10km離れたO市O町の道路上の場所を特定できたことをお知らせし、110番通報。
午前10時26分緊急対処員が現場付近に到着。警察官とも合流し、位置情報付近に路上駐車されている該当車らしき車を発見。運転席が無施錠、ナンバープレートは付け替えられてあったが特徴は一致。
午前10時45分ご契約者に上記状況をご連絡。車を断定するため、「ココセコム」専用端末のブザー鳴動の許可をいただく。
午前10時47分車内から「ココセコム」のブザー音も確認できたため、ご契約者の車であることを断定。警察で該当ナンバープレートを照会した結果、被害届が出ていることが判明。車はイグニッションキー部分を外されていたほかは損傷なし。車内も荒らされた様子はなかった。

■今後「ココセコム」の需要が見込まれる対象層
(1)高齢者
高齢化社会を迎え、徘徊高齢者の問題は深刻化しています。特に介護を必要としない認知症高齢者の場合は、一人で外出したあとに帰れなくなる危険性があり、ご家族の心労は大きくなっています。今後、ますます増えると予想される徘徊高齢者の問題にも「ココセコム」 は大きな威力を発揮します。また、「ココセコム」 は、高齢者の突発的な病気やけがなどの緊急事態が発生した場合でも簡単にボタン操作で通報できるセキュリティ専用端末ですので、すぐにセコムに通報することができます。

グラフ:介護を必要としない認知症高齢者の数
出典 厚生労働省老健局総務課推計


(2)子ども
2009年1月に文部科学省は、児童・生徒を「ネット上のいじめ」やインターネット上の違法・有害情報から守るため、全国の小中学校に学校への携帯電話の持ち込みを禁止することを通知しています。一方で、小学生以下の児童が被害に遭う犯罪の件数は、全体の刑法犯認知件数が減少傾向なのに対し、毎年約2万4千件〜5千件で推移しており、減少傾向にはありません。子どもが登下校する際の連絡手段がない中で、犯罪が発生する危険性も多くあります。
「ココセコム」は、GPS衛星と携帯電話基地局の電波を融合して位置検索するシステムですが、通話・メール・インターネット機能のない、防犯機能に徹したセキュリティ専用端末ですので、学校での所持も問題ありません。万が一の時の通報機能とともに、子どもの安否を親御さんが簡単に確認できる「しらせてコール」というサービスも提供できます。

グラフ:刑法犯認知件数/小学生以下の被害件数
出典 警察庁犯罪統計資料


(3)女性
女性が被害に遭う犯罪件数は、刑法犯認知件数が減少するにつれ減少傾向にありますが、悪質な犯罪は後を絶ちません。年齢層で一番多いのは30歳未満の女性で全体の4割にあたります。特に、夜間一人で行動する際に犯罪に巻き込まれるケースが多くあります。
このような場合にも「ココセコム」の通報サービスが威力を発揮するとともに、たとえば女性が一人で夜道を歩くなど不安を感じる時、セコムが安否を見守る「みつめてコール」というサービスも提供できます。

グラフ:女性が被害にあう犯罪件数
出典 警察庁犯罪統計資料


(4)自動車・オートバイ
自動車盗、オートバイ盗の刑法犯認知件数は、経済状況の悪化から販売台数が落ち込んだこともあり、減少傾向にあります。しかし、検挙率は自動車盗で約4割、オートバイに至っては約1割と過去5年間の推移を見ても、ほぼ横ばいで推移しています。
また、近年の自動車盗難の手口はますます巧妙化し、イモビライザーやカーアラームをつけていても盗難に遭うケースも発生しています。実際に、犯罪の発生場所を見ると、駐車場が最も多く、エンジンキーをつけていない状態での被害が全体の7割〜8割を占めます。
「ココセコム」発売以来、数多くの盗難車(盗難車発見909台、2010年6月末)が「ココセコム」で発見され、オーナーの元へ戻っています。「ココセコム」は、「万が一盗まれても追跡する」ことを考えて設計されたサービスです。
「ココセコム」の自動車用のサービスには、車が一定の距離を超えて移動したと判断された場合、セコムへ異常信号が送信される異常監視サービスもあります。

グラフ:自動車・オートバイ窃盗の刑法犯認知件数
出典 警察庁犯罪統計資料


■「ココセコム」シニアを見守る安心キャンペーンについて

時期 2010年7月15日(木)〜2010年10月15日(金)
対象 期間内に「ココセコム」 標準タイプを個人契約で申し込みされた方
特典 「セコムオリジナルリフレクター(反射材)」を契約者全員にプレゼント

※ 警視庁は高齢者の交通安全対策として、①信号を守る、②左右をよく見ること、とあわせ、③反射材を身に着けること、を推奨しています。


<本報道に関するお問い合せは、下記までお願いいたします。>
セコム株式会社 コーポレート広報部 讃岐 TEL 03-5775-8210