2003年7月15日
セコム医療システム株式会社
わが国初のASP型「医用画像管理システム」(PACS)を開発
 セコム医療システム株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:小幡文雄、資本金:2億円)は、Secured DICOMServerで医療画像システムの開発・販売に実績があるテクマトリックス株式会社(本社:東京都台東区 社長:由利 孝)の協力を得て日本初となる ASP型「医用画像管理システム」(PACS)を開発いたしました。これによって、セコム医療システムは、先行しているASP型「セコム電子カルテシステム」と「セコム医事システム」に加え、診療所や小規模医療機関を中心にASPサービスメニューの充実を図り完全フィルムレスを実現しました。

 今回開発したASP型「医用画像管理システム」は、セコムのセキュアデータセンターに大型画像サーバーを設置し高速インターネット網を通じて、画像診断 装置(CT、MRI、CR、DR、超音波、内視鏡等)からのデジタル画像データを医療機関に設置する画像ゲートウェイ装置に取り込み、センターに送信保管 します。保管された医用デジタル画像データはインターネットに接続されている診療所の端末や専門病院の端末からWeb画面で参照できます。

 PACSは1980年代後半からわが国の病院に普及が始まり、今日まで多くの医療機関に導入されてきました。画像診断装置(CT、MRI、CR、DR、 超音波、内視鏡等)の進歩に伴い、CTやMRIやCR検査は膨大なデータを取り扱うことから、ネットワーク負荷が大きく院内LANでの利用に留まっていま した。また肥大化するフィルム管理の手間、コストを改善するものと期待されましたが、かわりにサーバー室の構築やシステム管理の負担が増え、データ量の増 加に伴うシステムの再構築などからコスト増となり、医療機関の抱える問題を根本的に解決するには至っておりませんでした。ブロードバンドの普及に伴い、高 額医療機器の共同利用や患者情報を共有するマーケットが大きく見込めると判断し、本システムを開発しました。

 デジタル化が進む医用画像分野において、内視鏡検査や超音波検査、心電図検査や脳波検査などもDICOM(ダイコム)形式のデジタル画像データが各検査 装置から出力されるようになりつつあります。診療録(カルテ)の電子保存に加え、重要な診療データの電子保存も同時に行わないと、患者にとって真に役立つ 電子カルテとは言えません。予防・診断・治療・経過観察の場面で、患者の医用画像データがいつでも、どこからでも参照可能なネットワーク環境は以前から望 まれており、各種検査機器の進歩とブロードバンドの低価格化とWeb技術の進展により本システムが実用可能となりました。

 各画像診断装置(CT、MRI、CR、DR、超音波、内視鏡等)とは、業界標準規格であるDICOM3.0に準拠した手順で接続いたします。画像データ の圧縮は可逆圧縮であり画像品質を低下させることは一切ありません。回線速度が遅い環境で画像参照する場合、JPEGに自動変換した画像で参照することも 可能です。
 2002年3月に厚生労働省から、一定の基準を満たせば診療録等の電子媒体による外部保存を認める通達がされました。個人情報保護法が成立したこともあり、2003年度以降に診療録の電子媒体による保管場所の規制について、見直しが検討されます。
ネットワークを活用した医療機関の経営改革・業務改善は、今後多くの医療機関で検討され、問題解決の有効な手段として取り上げられASP型システムが導入されます。

 DPC(包括払制度)が今年4月から特定医療機関に導入され、医療の現場には品質を低下させることなくコストの削減が強く求められるようになりました。
高額な医療情報システムを医療機関に直接導入するのではなく、ネットワークを活用した安価で高性能な医療情報システムを利用したいユーザーにとってASP−医用画像管理システムは選択肢の1つと言えます。
ASP型−医用画像管理システムの特長は以下の通りです。
 
1. ASP型システムで医用画像情報を共有化
(1)汎用のWebブラウザ上で動作し、端末にアプリケーションを登録しないで利用できます。
(2)ソフトウェアも共用利用のため、初期投資やランニングのコストが低減されます。
(3)主治医−専門医間の画像連携が容易に可能となります。
2. ネットワーク
通信回線は、セコム医療情報専用ネットワーク(セコムヘルスケアネット)を使用することによって安全なネットワーク環境下でのASPを可能にしています。セコムヘルスケアネットはNTTのサービスであるB−フレッツ網とIP−VPNで接続でき、末端に至るまで高速で安全な医療専用ネットワークを実現しています。
3. 使い勝手
電子カルテシステムとシングルサインオンの技術を用いてシームレスに操作できます。
比較画像なども容易に表示可能で診療の質の向上にも寄与する製品です。
操作法は非常に簡単で、インターネットを用いたWebの操作でご利用いただけます。
 なお、セコムは7月16日から18日の期間、東京ビッグサイトで開催される国際モダンホスピタルショー2003に本システムを出展いたします。本システムは、早急に商品化を図り、今秋の発売開始をめざします。
<技術関係のお問合せ>
セコム医療システム株式会社 企画部 柏木
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