2002年2月21日
株式会社パスコ
パスコとライカジオシステムズが業務提携に合意
要旨
 航空測量とGIS(Geographic Information System=地理情報システム)のリーディングカンパニーである株式会社パスコ(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:大嶽貞夫、セコムグループ、以下パスコ)と、計測・測量システム機器の国際的企業Leica Geosystems社(本社:スイス、CEO:Hans Hess、Leica Geosystems、以下ライカ)は、包括的業務提携を結ぶことを21日に発表した。両社はこれまでも具体的なシステム開発を通じて協力関係を築いて来たが、GIS市場の急速な拡大と顧客サービスの拡充への対応力を一層増強するため、販売協力と技術協力を骨格とした、より緊密で包括的な提携を結ぶことに基本合意したもの。

提携によるシナジー効果
 ライカは、測量・エンジニアリング・GIS等空間データを扱う分野で、総合的なシステムサプライヤーを目指す戦略を掲げ、各種測量機器への最新技術の導入とGPSや航空機からのレーザーセンシング、リモートセンシングなどの新技術分野への進出で事業領域を拡大している。GPSを含めたライカの各種計測・測量システムは、日本でも既に多くの分野で幅広く利用されている。またライカは、GISとの連動を戦略のキーとして、ESRI社等のGISソフトウェアとのシームレスな連携に注力しており、この点がパスコの戦略と合致した。デジタル技術を活用した新サービスの開発に取り組んでいるパスコは既にライカの新システムを導入している

 成長するGIS市場において、ライカは総合的なシステムサプライヤーを目指し、一方パスコは総合的なサービスプロバイダーを目指しており、両社はGISという共通基盤の下で相互に補完しシナジー効果を生み出す経営戦略を展開している。

 提携によるシナジー効果の実現に向けて両社は、各々の販売チャンネルを通じて既存商品を相互に販売する販売協力や、ライカのシステム開発力とパスコのサービス開発力を活用した新システムの共同開発などをテーマとして今後具体的な検討に入る。また、両社の強みを融合して、マッピングやGISシステム構築時のデータ取得からサービス提供までの工程をシームレスなデジタルプロセスに転換することなどにより、スピーディで便利な顧客指向の新しいサービスの開発も視野に入れている。

両社の協力による実績など
 
(1) GPSを適用した新方式航空測
   従来の航空測量では、航空機搭載型の専用アナログカメラを使用、これで撮影された航空写真を素材として主に人手によって様々な地図が作成されている。航空測量のパイオニアであるパスコはこの分野のトップ企業であり、ライカグループのLHシステムズはカメラメーカーとしてグローバル市場で大きなシェアを持っている。この分野にパスコは、GPSと慣性計測装置(IMU)などのデジタル技術を適用した新方式を昨年10月から適用開始し、複雑な計算が必要とされていた空中三角測量での大幅な時間短縮と関連業務の削減などによる納期の大幅短縮をメリットとして、新しい市場を開拓している。

(2) デジタルイメージセンサーの共同開発
   両社は、カメラユニット自体も完全デジタル化した新型航空機搭載型デジタルイメージセンサー(ADS-40)の開発を既に完了。今年4月の本格稼動を目指して、世界に先駆けた実証実験を国内で実施している。これらのデジタル技術を適用した航空測量のプロセス革新により、GISを利用している自治体や企業に素早く効率的にサービスが提供される。

(3) レーザー計測と3次元モデリング
   ライカグループの米国CYRA社が開発した地上据置型レーザーシステムにおいても、パスコはGISとの連携を実現している。このシステムで工場内部の3次元モデルを作成し生産ライン最適化のシミュレーションなどに適用している。また、貴重な文化財を3次元デジタルデータとして保存する遺跡調査などにも適用されている。
 

<報道関係のお問い合わせ先>
株式会社パスコ 企画広報室 TEL03-3715-1048