2002年2月15日
株式会社パスコ
パスコがGISの世界ナンバーワン企業ESRI社(米国)と合弁会社を設立
―― 急成長する日本市場へのグローバルGISサービス体制を強化 ――
要旨
 航空測量とGIS(地理情報システム)の最大手である株式会社パスコ(本社:東京都目黒区 社長:大嶽 貞夫 資本金:87億 セコムグループ)は、ITの進展に呼応して急速に拡大している日本のGIS市場に対するグローバルGISの供給体制の強化と顧客サービスの向上を目的として、世界ナンバーワンのGIS企業である米国ESRI社との共同出資で合弁会社を設立することを発表した。新会社はエスリジャパン株式会社(略称 ESRIジャパン)で設立は4月15日の予定。資本金は5千万円で、パスコが75%を出資、25%を米国ESRI社が出資する。同社の年間売上高は、2002年度末で20億円、3年後の2004年度末で35億円を見込んでいる。

ESRIジャパン設立の背景と目的
 GIS先進国の米国では、既に官民問わず広範な分野でGISが活用され広く普及している。日本でも一昨年に発表されたe−ジャパン構想や電子政府に向けた動きの中で、IT戦略の新しい武器としてGISへの関心が急速に高まりを見せてきており、市場が大きく成長し始めてきた。

 この度パスコと合弁会社を設立する米国ESRI社は、1981年に世界初のGISソフト「ArcInfo」をリリースして以来、常にGIS分野の最先端をリードしており、世界市場で36%のシェアを持つトップ企業。現在75カ国にディストリビューションの拠点を持ち220カ国以上の国でそのソフトが利用されている。この数年間は年率15%以上の成長を続けており、昨年はIT対応力を飛躍的に高めた「ArcGIS」ファミリーを5月にリリースしたことにより20%を超える成長率を達成している。

 全世界で最も普及しているESRI社製GISソフトは事実上世界のディファクトスタンダードとなっており、ネットワークによる地理情報の交換や相互活用を指向したGISの活用が今後益々増加する日本市場においても、世界中で活用されているESRI社製GISソフトへのニーズが大幅に増加することが見込まれている。このGIS市場の拡大にスピーディーかつタイムリーに対応し、多種多様な顧客に高品質のサービスを提供することが新会社ESRIジャパン設立の目的。

新会社設立後のサービス体制など
 新会社ESRIジャパンは、GISソフトおよび関連ソフトの販売にフォーカスしたマーケティングを展開する。昨年9月にリリースした上記「ArcGIS」ファミリーの日本語版を始めとする豊富なGISソフトのラインナップを武器に、ソフト専門会社としてユーザーに対するサービス体制を強化、GISの専門知識のない顧客でもGISが活用しやすくなるよう導入初期のトレーニングプログラムやサポートデスクの増強を実施する。また既存の顧客からの高度な要求にも速やかに対応するためのコンサルティング・サービス体制も構築する。更に、GISの普及・啓発活動を目的として、小中高などの教育機関との連携も深めて行く。パスコ本体との明確な役割分担によりグローバルGISであるESRI社製GISの市場シェアを一気に拡大する販売戦略を実施する。

 パスコはこれまで、GISを活用したコンサルタント業務やソリューション提供業務などの受注業務に付随する形でGISソフトの販売を行ってきたが、新会社設立後はパスコの強みであるシステム構築力やソリューション開発力を活かし、今後GISの活用が大きく期待される環境・防災・医療福祉・教育などの新分野や企業の経営情報システムなどへのGISの新しい応用手法の開発や活用分野の新規開拓などに集中し、ソリューション&サービスプロバイダーとしての対応力を強化していく。

関連情報
 既に米国では、IBM社がESRI社との包括的業務提携を結ぶなど、GISの普及を踏まえた戦略的な動きが活発になっている。日本においても、この動きを受けてパスコは2001年10月、日本IBM社と提携を結んでいる。

 また、パスコでは、GISやデジタルセンシング技術をベースとした海外事業拡大に向けて、子会社が担当していた海外事業を昨年10月からパスコ本体が担当する機構改革を実施したが、これもESRI社製GISソフトが東南アジア市場でディファクトスタンダードとなっている点を踏まえた戦略である。

関連資料
資料1 エスリジャパン株式会社の概要
資料2 ESRI社概要

<報道関係の問い合わせ先>
株式会社パスコ 企画広報室 TEL:03-3715-0150