写真:わらび

山菜そばや山菜ごはんに欠かせない!

独特のぬめりと食感を持つわらび。春の山菜の中でも人気が高く、源氏物語や万葉集にも登場するほど日本では古くから親しまれてきました。現在でも山菜そばや山菜ごはんには欠かせない食材です。
シダ科の植物で、日当たりの良い場所に自生し、葉の開いていない若芽を食用とします。暖かい九州では3月中旬ごろから採れ始め、本州では平地は4月下旬ごろ、産地では5月下旬ごろから旬を迎えます。全国で最も生産量が多いのは山形県で、山形県の生産のうち7割を占める置賜(おきたま)地方はわらびの一大産地となっています。

干して乾燥させると栄養価アップ!

わらびはカリウム、βカロテン、食物繊維、ビタミンB群を比較的多く含みます。カリウムには体内の余分な塩分や水分を排出するはたらきがあり、むくみや高血圧を予防します。βカロテンは皮膚や粘膜を強くして風邪を予防したり、抗酸化作用があるのでアンチエイジングやガン予防が期待できます。わらびを干して乾燥させると、カリウムとβカロテンはさらに増加します。
葉酸、ビタミンB2、ナイアシンなどのビタミンB群は水溶性のため、アク抜きをするとほとんど流出してしまうので、あまり期待できません。

写真:わらび

気軽に楽しめる「わらび狩り」

旬の春を迎えると、わらびは他の山菜に比べて身近な里山でも採れるので、気軽にわらび狩りを楽しむことができます。前の年に生えていたわらびの枯れ葉が残っている場所で見つかることが多く、先が丸くてまだ開いていないものを採ります。手でポキっと簡単に折れるところから上を採り、時間が経つと固くなるので当日のうちにアク抜きをしましょう。
店頭で購入するときは、産毛がたくさん付いているものは鮮度が高い証拠。また、茎が太く短いもの、茎が緑色っぽいものを選ぶようにしましょう。鮮度が落ちると茎が茶色っぽく変色するので注意します。

アク抜きをしっかりすることが重要!

わらびはアクが強く、毒性のある成分も含まれているので、しっかりとアク抜きをする必要があります。重曹や石灰を入れて沸騰させたお湯にわらびを入れて火を止め、落しぶたをしてそのまま自然に冷まします。冷めたら水を交換し、ひと晩水にさらします。ゆですぎると歯ごたえがなくなるので、注意しましょう。
アク抜きしたわらびは、冷蔵庫で3日ほど保存できます。水に浸したままにしますが、水は毎日交換したほうが良いでしょう。長期保存するときは小分けにして冷凍するか、塩漬けにしたり、天日に3~4日干して乾燥させます。塩漬けは塩抜きして、乾燥させたものは水で戻して使うことができます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

春の山菜の代表格であるわらび。日本には古くから塩漬けや乾燥わらびにして長期保存する食文化があり、農作物が不作のときに重宝された食材です。地下茎から採れるデンプンは「わらび粉」と呼ばれ、わらび餅に利用されますが、非常に手間がかかることから、現在は本物のわらび粉を使ったわらび餅は希少で高価なものになっています。わらびに含まれる有害物質は、アク抜きをすれば他の成分に変化しますが、まれに中毒を起こす可能性があるので食べ過ぎには注意しましょう。副菜として食べる程度なら問題ありません。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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