写真:デコポン

「デコポン」と「不知火」の違いは?

ジューシーで濃厚な味わいのデコポン。1972年に「清見」と「ポンカン」の交配によって誕生し、熊本県不知火(しらぬい)町に伝わって栽培が始まったことから、品種名は「不知火」と名付けられています。「デコポン」は熊本県果実農業協同組合連合会が持つ登録商標で、不知火の中でも糖度13度以上、クエン酸1.0%以下などの基準を満たし、各地の柑橘関係農協を通じて出荷されたものだけが「デコポン」と名乗ることができます。全国で統一された糖酸品質基準がある唯一の柑橘類です。
おいしさが評判となり、1990年代後半から急速に栽培が拡大し、愛媛では「ヒメポン」、静岡では「フジポン」、広島では「キヨポン」など、地域によって名付けられ、親しまれています。

熊本県が生産量No.1!

デコポンはハウス栽培ものが12~1月に出荷され、露地栽培ものは2月から出回ります。収穫したばかりのものは酸味が強いので、1カ月ほど追熟されてから出荷されることが多く、収穫できるのは4月いっぱいですが、貯蔵されたものが6月まで流通しています。品種名の不知火の語源ともなった熊本県が生産量No.1です。
流通量は少ないですが、果実のひとつひとつを木にヒモで結び、木に付けたまま完熟させる「完熟デコポン」は4月頃に出回ります。完熟デコポンは追熟の必要がなく、採れたての鮮度が高いものほど美味。愛知県は完熟デコポンを「樹熟(きじゅく)デコポン」と呼び、ブランド化しています。和歌山県も完熟デコポンの生産に力を入れています。

疲労回復に効果的なクエン酸が豊富

デコポンの酸味はクエン酸です。クエン酸は疲労回復効果があることで知られていますが、血液をサラサラにしたり、ミネラルの吸収を高めるはたらきもあります。がん予防効果が期待されている注目の栄養素βクリプトキサンチン、免疫力を高めて風邪を予防したり、肌のうるおいを保つコラーゲンの生成を促進するビタミンCも豊富に含まれています。
ミネラルでは、体内の余分な塩分や水分を排出し、高血圧やむくみを予防するカリウムが豊富。

写真:デコポン

骨や歯の形成に必要なマグネシウム、カルシウムも含まれています。

「デコ」はなくても味に影響はない!?

デコポンを選ぶときは、濃いだいだい色で、ズッシリと重みがあり、軸の色が緑色っぽいものが良品です。特徴的なコブは、あってもなくても味に影響はありません。スーパーなどに「不知火」として流通しているものは、糖度などがデコポンの基準値に達していないことがあるので、注意しましょう。
保存性は比較的高く、冷暗所でそのまま10日ほど保存できます。酸味が強い場合は、すぐに食べずにしばらく置いて追熟させると酸味が抜けてきます。気温が高くなる4月以降は、乾燥を防ぐためにポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存したほうが良いでしょう。5度以下で保存すると、低温障害を起こすことがあるので注意しましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

甘みと酸味のバランスが良く、果汁たっぷりのデコポン。皮が柔らかくてむきやすく、袋(じょうのう)のまま食べられる手軽さもあり、大人気の果物です。開発当初は形が悪いことから品種として認められませんでしたが、見た目とは裏腹に味がとても良いことに着目した熊本県が栽培を始め、人気が広がった経緯があります。袋には食物繊維のペクチンが豊富で、血糖値やコレステロール値の上昇を抑えたり、整腸効果が期待できます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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