写真:とうがん

旬は夏!それなのに、「冬瓜」と呼ばれる理由は?

クセのない味わいで、煮物や汁物の具として重宝する冬瓜。東南アジアやインドが原産地で、奈良時代には日本に伝わってきたと言われ、平安時代に成立した日本最古の薬物事典「本草和名(ほんぞうわみょう)」には、「加毛宇利(かもうり)」の名で登場しています。
暑い地域が原産地だけに、強い日差しを好み、旬は7〜9月の夏。貯蔵性が高く、冬までもつことから「冬瓜」との名前がついたと言われています。日本では沖縄、愛知、岡山などで生産量が多く、西日本での消費が比較的多い食材です。

形は違っても、味には大差なし!

冬瓜は、丸みのある球形の「丸冬瓜」、長さのある楕円形の「長冬瓜」に大別されます。形は異なりますが、味にはそれほど違いはありません。冬瓜は完熟すると、表面全体が白い粉(ブルーム)に覆われますが、粉をふかない長冬瓜系の「沖縄(琉球)冬瓜」も流通しています。また、1〜2kg程度の使いきりサイズで人気の「小丸冬瓜」「姫冬瓜」などの品種もあります。
中国では、縦に切った大きな冬瓜を器として使い、わたと種を取ってスープを入れ、3〜4時間かけてそのまま蒸し上げた宴会料理があります。写真:とうがん柔らかくなった内側の実の部分を削ぎながら、スープと一緒に楽しむ華やかな料理です。

身体を冷やす夏向きの食材

冬瓜は95%以上が水分で、低カロリー。消化がよく、量をたくさん食べることができるので、ダイエット向きの食材です。栄養価はそれほど高くありませんが、カリウムビタミンCが比較的豊富です。
カリウムは利尿作用や体内の塩分を排出する作用があるので、高血圧やむくみ予防になります。ビタミンCは、肌の潤いを保つコラーゲンの生成に関わり、シミ・そばかすの元となるメラニンの生成を抑えるので、美肌効果の高いビタミンとして知られています。
また、冬瓜は身体を冷やす作用があるので、暑い夏にピッタリの食材ですが、冷えが気になる方、妊娠中の方などは食べ過ぎに注意してください。

丸のままなら長期保存可能、カットしたら早めに食べきる!

丸のままの冬瓜を選ぶときは、持った時にずっしりと重く、白い粉(ブルーム)で表面が覆われているものが良品です。沖縄冬瓜など粉をふかない品種は、皮の緑色が濃く、傷がないものを選ぶようにしましょう。2〜3ヶ月は冷暗所に置いて保存できますが、カットすると日持ちしません。カットされた冬瓜を選ぶときは、切り口がみずみずしく真っ白なもの、種の部分までしっかり実が詰まっているものを選びます。
カットした冬瓜はわたと種を取り除いてからラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。2〜3日のうちに食べ切るようにしましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

淡白な味わいで、スープや他の具材の味を引き立てる冬瓜。調理するときには皮をむきますが、薄い緑色を残して仕上げたいときはピーラーで薄くむき、口当たりをなめらかにしたいときは厚めにむきましょう。面取りをして下ゆでをしてから使いますが、下ゆでしたものを密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しておくと、煮物や汁物に手軽に使えます。煮物にするときは、冬瓜にはあまり味がないので、鶏肉やエビなどうまみの強い食材と一緒に薄く味付けした出汁で煮含めると、おいしくいただくことができます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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