ネットセキュリティ 2011年12月19日

第75回 【インタビュー】スマートフォンに潜む危険とその対策を教えてもらおう!

こんにちは。いよいよ今週末はクリスマスですね。今年は3連休になる人も多いようで、都内のホテルでも予約がいっぱいというところもあるそうです。ホームパーティーを開くにしても、翌日がお休みだと思うと、思いっきり楽しめそうですね!
今年頑張った自分へのご褒美として、クリスマスに"セルフプレゼント"する女性が多いそうです。欲しかったものを思い切って購入する理由づけなのかもしれませんが、また頑張ろうという気持ちになれるので、いいのでは?と、私は思います。なんていうのは、自分自身への言い訳でしょうか??

2011.12.19更新

今、便利で高機能なスマートフォンユーザーが急増中です。データ通信量が増えたため携帯電話の回線が足りないといわれるほど、利用者数は増え続けています。ただ、利用者が増える一方で、さまざまな危険がニュースになることも。
そこで今回のテーマは、スマートフォンに潜む危険性と対策。
セコムグループで情報系事業を担う、セコムトラストシステムズ(株)の二人に話を伺いました。以前ご紹介した「ネットに潜む危険と対策」でも登場した、取締役の藤川春久さんと、セキュアサービス部の木村仁美さんです。セコムトラストシステムズ(株)は、スマートフォンの安全利用促進のために発足した「日本スマートフォンセキュリティフォーラム」に参加しているんですよ。

プロフィール
写真:セコムトラストシステムズ株式会社 取締役兼情報セキュリティサービス本部長 藤川春久

セコムトラストシステムズ株式会社
取締役兼情報セキュリティサービス本部長 藤川春久

1997年1月、セコム(株)に入社。情報系サービスの商品企画部長、運用技術統括部長を経て、2004年6月に取締役に。2006年5月、セコムの情報系グループ会社であるセコムトラストシステムズ(株)の取締役兼情報セキュリティサービス本部長として、情報セキュリティ部門を統轄。

写真:セコムトラストシステムズ株式会社 セキュアサービス部 木村仁美

セコムトラストシステムズ株式会社
セキュアサービス部 木村仁美

2004年4月、セコムトラストシステムズ(株)に入社。電子認証サービス部、SDC(セキュアデータセンター)サービス部などを経て、現在のセキュアサービス部に。「情報セキュリティアドミニストレータ」、「ソフトウェア開発技術者」、「情報セキュリティスペシャリスト」の公的資格を取得し、「安全・安心」なネット社会の構築をめざす。

"スマートフォンはパソコンと同じ"と思って!

Q
スマートフォンは、画面が大きくて見やすいメリットがありますが、やはり公共の場で使用するときは、携帯電話以上に気を付ける必要がありますよね。
A
(木村)画面をのぞき見されないようにというのは従来の携帯電話も同じだと思いますが、スマートフォンの場合、鮮明な画像を楽しみたいということで、のぞき見防止シートを使用していない人が多いように思います。せっかくのきれいな画像を楽しみたい気持ちもわかるので、使うときには周囲の目線に気を付けて欲しいですね。
快適

快適"スマホライフ"の裏にあるリスクを教えてくれた藤川春久役員

(藤川)スマートフォンで、ツイッターやフェイスブックを利用する人が増えましたよね。そういった情報は公開している情報なので、「他人に見られる」という感覚にそれほど敏感になっていないのかもしれません。
しかし、個人情報が表示されている時や、大事なメールなどの時は気を付けてもらいたいです。
それに、スマートフォンの機能はパソコン並みといわれますが、パソコン並みではなく、パソコンと同じと思ったほうがいいです。携帯電話からスマートフォンに買い換える流れなので、"携帯電話が進化したもの"と思いがちですが、"モバイルパソコンがコンパクトになって通話機能がついた"と思ってください。OSはパソコンと同じですからね。
Q
パソコンと同じということは、どのような危険があるのでしょうか。また、対策方法はどうしたらいいですか。
A
(木村)たとえば、コンピューターウイルスがスマートフォンに入って、有料サイトにアクセスして課金されるというようなことがあります。そのほか、プライバシーの侵害です。
誰と電話やメールをしているかという情報から、その個人をプロファイリングして、その人のライフスタイルに合わせた広告を送ることができるので、企業間で個人情報が売買されてしまう可能性があります。
アプリなどをダウンロードするときは、信頼できるものかきちんと確認しないとウイルスが入ったものをダウンロードしているかもしれませんよ。
(藤川)ダウンロードの時は、利用規約が提示され「同意しますか」と、必ず聞かれるのですが、きちんと内容を読む人は少ないでしょう。利用規約をしっかり確認しないと、ウイルスが組み込まれたアプリをダウンロードしてしまう可能性もあります。アプリ自体は誰でも作ることができて、それを公開することで誰もがそのアプリをダウンロードできるものもあるので、提供元もしっかり確認してから同意してください。
Q
確かに、文章が長いときちんと読まずに同意していることがあります。では、ダウンロードする際に、安全かどうか見分ける方法があれば教えてください。
A
(木村)まずは、公式のマーケットからダウンロードしましょう。さらに、何のアプリであるかも確認して、注意事項で確認された内容がそのアプリの機能に関係のないものであれば、まず、疑ってダウンロードはやめておいた方がいいですね。
たとえば、電卓機能のアプリで、GPSを利用するといったアテンションが入ると、これはおかしいですよね。計算するのに、位置情報はいらないわけですし。ここを確認することがとても大切です。

(藤川)常に持ち歩くものなので、セキュリティをおろそかにしていると、その人のすべてがわかってしまいます。GPSの位置情報については、特に注意してください。
高機能の端末を持ち歩いているという意識を持って使ってほしいです。
Q
ウイルスに対する防御アプリもいろいろあると思いますが、どのようなものを導入すればいいのでしょうか。また、導入時に気を付けることはありますか。
A
(木村)各社から防御アプリは発売されていますが、まずは自己防衛につきます。
パソコンほど守ってもらえないと思っていた方がいいです。というのも、ウイルスのほうが強く、戦っても勝てない場合があるからです。

(藤川)ウイルスは目的があって作られているので、ウイルスと判断されず、正当なアプリと同じように入ってくる恐れもありますし、実際に正当なアプリで似たような機能を持ったものもあるので、意識しないと自分自身の情報は守れなくなっています。OSを必要に応じて更新するようにすることも重要です。
Q
防御アプリを導入したからと言って、それだけで安心していてはいけないのですね。あとは、携帯電話以上に多くのデータを持ち歩くことになりますが、なくしたときはどうすればよいでしょうか。
A
(木村)なくしたときには、防御アプリを活用できることもありますよ。なくしたときにパソコンから遠隔操作でロックしたり、データを消去したりできます。
Q
以前のインタビューで、パソコンを使う上で推測されにくいパスワードについて教えていただきましたが、スマートフォンをロックする方法でもなにか安全な方法はありますか。
A
(木村)英数字のパスワードでロックするだけでなく、「パターンロック」といわれる方法などもあり、これはスマートフォンならではでオススメです。
画面に表示されるマークをあらかじめ決めた順番で指でなぞる方法で、対応している機種も多いです。暗証キーワードが面倒でロックしていない人も、これならすぐに始められると思いますよ。
具体的な対策を説明してくれた木村仁美さん

具体的な対策を説明してくれた木村仁美さん

Q
最後に、スマートフォンを愛用されている方や、これから新たに買い換えようと検討している皆さんにメッセージをお願いします。
A
(藤川)便利なアプリには危険な機能もあるので、持っている人が意識して使ってほしいですね。

(木村)スマートフォンをきっかけに、SNSデビューするという人も多いようですが、プライバシーには気を付けて、自分の情報を公開し過ぎないようにしてください。
いろいろなことができるおもしろい端末なので、十分に気をつけながら楽しく使って欲しいですね。
まだまだ進化し、楽しめそうなスマートフォン。便利さだけでなく、危険も知った上で、"スマホライフ"を楽しみましょう。
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