その他安全 2011年05月16日

第44回 ストレスと上手に付き合って、ハッピーライフを!

こんにちは。初夏の陽気で、日焼けが気になり始めましたね。毎年進化している日焼け止めを、今年はどれにしようか悩み中。この時期は、夏ほどお肌自体に免疫ができていないそうなので、ダメージを受けやすいとか。天気の良い日には日傘や日焼け止めで紫外線をブロックするようにしないと!皆さんも気をつけてくださいね。

2011.5.16更新

新年度からの新しい環境には慣れたものの、G.W.などの長期休暇の後は、なんとなくメンタル的に本調子に戻れなかったり、ストレスを感じたりするのが、この5月だそうです。「5月病」なんて言葉も耳にしますよね。
今回は、誰もが感じるストレスについて、セコムで産業医を務める中澤廣重医師にお話を伺いました。

お話を伺った方
医療法人社団恒新会 武蔵境クリニック 中澤廣重医師

医療法人社団恒新会 武蔵境クリニック 中澤廣重医師

1974年医師となり、約13年間大学病院に勤務。その後一般病院に勤務し、1988年からは武蔵境クリニック、現在のセコム統括産業医に至る。 2003年にはオリコン・メディカルの「患者が決めた!いい病院」特集の内科領域で1位にランク。
なお、現在も東京都武蔵野市にある武蔵境クリニックで毎週土曜日に診療を継続中。

そもそもストレスってなに?

Q
私たちは「ストレス」という言葉を何気なく使っていますが、そもそもストレスとはどんなものなのでしょうか?
A
簡単に言うと、人にとって刺激となるものすべてです。精神的な苦痛や不快感はもちろん、体に感じる痛みや過労、騒音、暑い、寒いといった気温などもストレスの一種です。
そして、ストレスには、"良いストレス"と"悪いストレス"があるんですよ。たとえば、会社で大きな仕事を任されたとき。プレッシャーもあるけれど、がんばろう!とワクワクし、やる気が出ることがありますよね。その場合、仕事を任されたことは"良いストレス"と言えます。
反対に、仕事がたくさんあって憂鬱だったり、イライラしたりするとき。この場合、仕事は"悪いストレス"です。現在、一般的に「ストレス」と言うと後者を指しますね。そして、この"悪いストレス"が続いたり、非常に大きな"悪いストレス"を受けたりしたときに心身が耐えられなくなって、異常を生じた状態がいわゆる"ストレス病"です。
Q
ストレスには良いものと悪いものがあるんですね!知りませんでした。"悪いストレス"についてもう少し教えてください。
A
ストレスの原因は、人それぞれです。個人の性格の特性が大きく影響します。また、その日の体調によっても違ってきます。同じことが起こっても、元気なときであればなんとも思わないのに、調子が悪い日だと、考え込んでストレスになってしまう、という経験をされたことがある方も多いと思います。
多くの場合、ストレスの原因はひとつではなく、複数のことが重なってストレスを感じています。また、今までに経験したことのあるストレスは克服するすべを身につけていますが、初めて経験するストレスは対処法がわからず、ため込んでしまうことが多いようです。
写真:中澤廣重医師
Q
実際に、どんな症状が表れるのでしょうか。
A
精神面で不安定になり、イライラしたり、ひどく気分が落ち込んだりします。そのほかにも、ストレスによって自律神経が乱れ、自律神経失調症になることもあります。具体的には、夜眠れないなどの睡眠障害、頭痛、吐き気などさまざまな症状が表れます。
ときには心身に深刻な症状が表れることもありますから、たかがストレスとあなどってはいけません
Q
女性特有のものはありますか?
A
女性特有のストレスというと、出産、育児、生理不順など、女性ならではの経験からくるものでしょうね。そのほかに、女性だから感じるストレスはあまりないと思います。私の経験からすると、女性の方が、上手にストレスを発散しているように見えますよ。
Q
もし、いつもとは違う症状を感じたら?
A
まず、自分自身がストレスを感じているんだと気づくことが大切です。本人が自覚を持つことから、ストレスの克服が始まります。最近疲れやすいとか、よく眠れない、頭痛が続いているといった症状がある場合は、「何かストレスを感じているのかも」と思ってください。
次に、ストレスの原因をどう排除するかを考えてみてください。原因がある限り、ずっとそのことについて悩まされるわけですから。そのストレスに対して気にしないようにすると症状が軽くなることもありますが、それができない人も多いはずです。また、入ってきたストレスに対して、無理に戦おうとするとストレスによる症状が強く出ることもありますので、十分な注意が必要ですね。

ポイントは「楽しく」!ストレス解消法を見つけよう

Q
女性におすすめのストレス解消法はありますか?
A
たとえば、おいしいものを食べながら、楽しくおしゃべりする。これは、女性の皆さんは得意でしょう。また、買い物がストレス解消につながるという方もいるかもしれませんね。
ストレスは個人個人で感じ方が違うので、解消法も人それぞれ。自分が楽しいと感じること、夢中になることがその人のストレス解消法です。スポーツで体を動かすことも一つのストレス解消法ですが、スポーツが嫌いな人にとっては、それがストレスになることもあります。また、楽しいことをほかの人と共有する、コミュニケーションを取りながら行うことができればより効果的だと思います。
普段から、趣味や夢中になれることを見つけておくといいですね。
写真:中澤廣重医師
Q
自分にとって楽しいこと、夢中になることが解消法なんですね!私の大好きな"お買い物"も、ストレス解消のための手段だったのかも(笑)。最後に、毎日がんばって働く女性にメッセージをお願いします。
A
医療の世界では、自律神経を整えることと、呼吸は密接な関係にあることが知られています。ですから、適度な身体の動きと深い呼吸が組み合わされたヨガは、自律神経の調節に有効なのではないかと思います。最近では多くの女性がヨガをされているようですね。ゆっくり呼吸することで、自分自身を冷静に見つめることもできるのではないでしょうか。
あとは、朝はきちんと起きて、太陽の光を浴びて、体内時計を合わせることも効果的です。最近流行りの"朝活"も、楽しいことを朝に行うことでストレス解消に一役かっているのかもしれませんね。
ぜひ、自分らしいストレス解消法を見つけて実行してみてください。
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