防犯 2022年03月16日

第351回 女性が盗撮されやすい場所は?盗撮被害を防ぐ対策

「盗撮」は、女性が特に用心したい犯罪のひとつ。
外出先や移動中など、盗撮の危険はあらゆるところに潜んでいます。スマートフォンや高性能な小型カメラが普及するなか、女性の盗撮被害は増加傾向にあります。
盗撮されやすい場所や、盗撮を防ぐために心がけたいことなど、女性が意識したい盗撮対策をまとめます。

2022.03.16更新

「盗撮」は、女性が特に用心したい犯罪のひとつ。
外出先や移動中など、盗撮の危険はあらゆるところに潜んでいます。スマートフォンや高性能な小型カメラが普及するなか、女性の盗撮被害は増加傾向にあります。
盗撮されやすい場所や、盗撮を防ぐために心がけたいことなど、女性が意識したい盗撮対策をまとめます。

「盗撮されやすい場所」とは

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盗撮の事案が多いとされているのは、不特定多数が行き交う場所や、大勢の人が集まる場所。
誰でも自由に通行でき、不審な行動が目に留まりにくい場所で犯行が多発しています。

【盗撮されやすい場所の例】
・駅構内の階段やエスカレーター

階段やエスカレーターは下方向からカメラを近づけることが容易なので、盗撮されやすい場所です。駅のホームなどでも盗撮が発生しています。

・電車やバスなどの車中
混み合う乗り物内でも盗撮に注意が必要です。
スマートフォンで胸元を、靴先やカバンに仕込んだ小型カメラでスカート内を盗撮される被害が発生しています。

・ショッピングモールなどの商業施設
多くの人が集まり、誰でも自由に出入りできるため、盗撮されやすい場所です。
盗撮目的で買い物客に紛れ込んでいる可能性があります。

・書店やゲームセンターなど
本やゲーム、目の前のものに夢中になっている瞬間は、周囲に気がつきにくく、盗撮されやすい傾向にあります。

・公共施設のトイレ
個室に隠しカメラを仕込んだり、ドアと床の隙間からカメラを差し込んだりと、さまざまな手口の盗撮が発生しています。

・脱衣所や更衣室、試着室
女性が衣服を脱いだり着たりする場所は、盗撮犯にとって絶好の盗撮場所です。
盗撮犯は男性とは限りません。売却目的で女性が盗撮するケースもあるので、男性がそばにいなくても用心が必要です。

盗撮されやすい場所での防犯対策

外出時は、「どこで盗撮されるかわからない」という意識が必要です。
日ごろから、次のような防犯対策を心がけてください。

【自分の身を守るための防犯行動】
・背後に注意を払う

エレベーターや階段での盗撮を防ぐためには、下方向につねに注意を払ってください。
階段ではスカートをはいているときはバッグで隠すなどして、背後にすきをつくらないこと。
エスカレーターでは、手すり側にやや背中を傾けるような姿勢で、視線を後ろの下方向にやると盗撮抑制効果が期待できます。

・近づいてくる人に注意する
混み合う電車やバス、商業施設など、盗撮されやすい場所では、周囲の人の動きに注意を払ってください。スマートフォンを手にして不自然に近づいてくる人がいたら、用心が必要です。
また店舗で商品を選んでいるときなども、時々振り返って背後に不審な人がいないか確認してください。小型カメラを靴先に仕込んでいるケースもあるので、足元にも注意しましょう。

・「ながら」歩きはしない
スマートフォンで音楽を聴きながら、スマートフォンを操作しながらなどの「ながら」歩きは、近づいてくる不審な気配に気がつきにくくなります。すきを見せないことが大切です。

・トイレなどでは不審なものがないかチェックする
公共施設のトイレ、脱衣所や更衣室、試着室など、衣服を脱ぐ場所は、隠しカメラに注意してください。
トイレでは、トイレットペーパー置場やごみ箱などに巧妙にカメラが隠されていることがあります。
利用する前に四方をよく見まわして、カメラらしきものや不審物がないかを確認しましょう。
床とドアの隙間にも注意が必要です。
怪しいと感じたら利用するのをやめて、施設のスタッフなどに報告しましょう。

・服装にあわせて注意する
スカートのときはもちろん、トップスの胸元や袖ぐりなどから盗撮されるケースもあるので、インナーを着る・上に一枚はおるなどの工夫をしましょう。

・エレベーターでは背後に注意
密室になるエレベーターでは、女性が被害者となる犯罪が発生しています。
エレベーターに乗ったら、何かあったらすぐ降りられるようにボタンの前に立ち、壁を背にして立つなど、背後にすきをつくらないようにしてください。

【あわせて読みたい!関連コラム】
エレベーターの安全な乗り方

盗撮被害の実態

盗撮の被害は年々増加傾向にあります。 警察庁から発表された2019年の統計によると、全国の盗撮検挙件数は3,953件。
2010年の検挙件数(1,741件)と比較すると倍増していることがわかります。
2020年10月からは、盗撮が「迷惑防止条例」のひとつとして規制の対象になりましたが、依然として被害が増え続けている状況です。

盗撮に使われるカメラが小型化・高性能化していることも、盗撮が増えている要因のひとつ。
盗撮方法も巧妙で、カメラのレンズがどこにあるかわからない場合もあります。

スマートフォンによる盗撮も急増。
シャッター音が出ないカメラアプリなどもあるので、犯行に気がつかないことも珍しくありません。
本人が被害にあったことに気がつかず、検挙されていない犯行も多数発生していると考えられます。

盗撮された画像や動画がインターネット上に公開されたり、売買されたりすることもあります。
インターネット上に出回ると、回収は困難です。

盗撮は、決してひとごとではありません。
「もしかしたら自分も狙われるかもしれない」と考え、未然に盗撮を防ぐことが大切です。

* * * * * * * * *

盗撮は、犯行が発覚しにくい犯罪です。
盗撮の可能性を考えて行動し、盗撮されるすきをつくらないことが肝心。
盗撮されやすい場所では特に、周囲への警戒と防犯対策を忘れないようにしてください。

また、盗撮対策としてバッグの目立つ場所に防犯ブザーを着けておくのもおすすめ。
防犯意識の高さを周囲にアピールできるので、盗撮だけでなく、痴漢などの女性を狙う犯罪の抑止効果が期待できます。

自分を守るために、できることからはじめましょう。

【あわせて読みたい!関連コラム】
痴漢対策にもおすすめの「防犯ブザー」


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