防災・防火 2009年08月31日

第15回 もし仕事中に大地震が起きたら?

こんにちは。
あっという間に暑い8月が終わろうとしています。
私は、今年の夏は思いっきり遊んで、思い切って日焼けをしよう!と計画していましたが暑さに勝てず、夏らしい遊びをあまりしないまま夏が終わってしまいました。
でも次は食欲の秋!今年は9月にも「シルバーウィーク」があるので、夏に遊ばなかった分、充実した秋にしようと思っています。

2009.08.31更新

8月上旬に、静岡県・駿河湾を震源とする大地震をはじめとして、各地で地震が起きたことは、皆さんも記憶に新しいことと思います。私が住む東京でも揺れましたが、「大地震がきて家族と連絡が取れなくなったら・・・」と考えるととても怖くなり、同居家族と近隣の避難場所を確認し、連絡が取れなかった場合の最終的な集合場所を話し合いました。

昨年も「防災の日」を前に、家の中での備えを中心に地震対策のポイントをご紹介しました。しかし、地震はいつ襲ってくるか分かりません。今回は「仕事中に地震が起きたら」と想定して、対策をご紹介します。

すぐ家に帰れるとは限らない

皆さんの中にも、日中は仕事をしている方が多いと思います。職場で大地震に遭った場合のことを想定して、避難訓練に参加された方もいらっしゃるかもしれませんね。仕事中に災害が起きた場合、被災直後は勤務先の指示に従うことになりますが、その後、家族の安否や自宅の被災状況を確認するために、帰宅することになるでしょう。

災害が起きると、公共交通機関がマヒしてしまうことが考えられます。そのため電車やバスなどの公共交通機関を使って家に向かう被災者は、帰宅することが難しくなります。このように、災害発生時に自宅へ帰ることが難しくなる方々を「帰宅困難者」といいます。しかし、家族が心配という気持ちから、ほとんどの帰宅困難者は我れ先にと、徒歩で家路に向かい、路上ではかなりの混乱を招くことが予想されます。

表:首都直下地震(東京湾北部地震)により発生する帰宅困難者

右の図表のとおり、首都直下地震(東京湾北地震)が日中に起きた場合、地震により発生する帰宅困難者は、東京・埼玉・神奈川・千葉県の1都3県で約650万人にも上ると推測されています。

帰宅には大変時間がかかる場合も想定されるため、家族の安否を確認した後、帰宅するのは状況が落ち着いてからにする方が良いケースもあります。災害時は携帯電話がつながりにくくなりますので、普段から家族と連絡手段の確認をしておきましょう。通話以外の安否確認手段として、NTTが提供する「災害用伝言ダイヤル」、携帯電話各社が提供する「災害用伝言板サービス」があります。むやみやたらに帰宅をめざすのではなく、テレビやラジオなどの確かな情報をもとに、一旦は最寄りの避難所に身を寄せるなど、安全な判断のもとに行動しましょう。

帰宅支援マップを用意しておきましょう

電車やバスで通勤している皆さんは、徒歩での安全な帰宅ルートを把握していますか?災害時には、被災した地域の道路が通行止めになることもありますし、幹線道路が救援のために閉鎖されることもありますので、迂回路を事前に確認しておきましょう。

徒歩での帰宅時に必要な「危険な場所」「役に立つ場所」の情報がつまっているのが「帰宅支援マップ」です。書店などで販売されていますし、セコムのグループ会社である(株)パスコでも「帰宅支援マップサービス」をインターネットでご提供しています。自宅への安全なルートや最短なルートを検索することができ、そのルートを掲載したオリジナルの帰宅支援マップを作成することができますので、1人1冊の準備があると心強いツールです。秋の晴れた日、余裕があれば、帰宅ルートを徒歩で歩いてみるのも災害訓練になります。

写真:「災害時帰宅支援ステーション」のステッカー

また、家まで長時間かかることも考えられますので、普段から帰宅ルート内にある「災害時帰宅支援ステーション」をチェックしておくと安心です。これは、自治体によって指定された、コンビニエンスストア、ファミリーレストランやガソリンスタンドなどが、地震など大規模災害の時に帰宅困難者に水道水やトイレ、道路状況などの情報を提供してくれる場所を指します。地域によっては一時休憩所として利用できる場所もあります。このような場所には「災害時帰宅支援ステーション」と一目でわかる目印のステッカーが貼ってあります。

徒歩での帰宅時に便利なもの

便利グッズ(1) 運動靴
徒歩で帰宅する際、路上は地震によって崩れ落ちた看板や外壁、飛散したガラスの破片などがあって大変危険な状況になることが予想されます。女性は、普段ヒールのパンプスで通勤する人が多いですが、このような靴で災害後の路上を長時間歩くことはとても危険ですし、疲労をもたらします。けがから足を守るために、履きなれた底の厚い運動靴を会社に用意しておきましょう。新しいものを用意しなくても、古くて履かなくなった運動靴を備えておいても良いでしょう。

便利グッズ(2) 懐中電灯
夜間に外を歩く場合や、地震後の停電のことを考えると懐中電灯が必要になります。運動靴と一緒に懐中電灯を職場の自分のデスクに置いておくとすぐに取り出すことができ、安全です。懐中電灯を会社にまで置くのは・・・という方でも、小型のライトを一つ用意しておくと手元を照らすことができ、便利です。

便利グッズ(3) バッグ
外を歩くときは、余震で上から壁やガラスの破片などの落下物があることにも気をつけ、バッグで頭部を保護するなど、注意しながら歩きましょう。また、両手を開けておくためには、リュックサック型のバッグがより理想です。万一の雨に備え、バッグに折りたたみの傘やレインウェアを忍ばせておきましょう。

便利グッズ(4) 飲料水・キャンディ
普段はあまり必要ないと思っているものでもバッグの中にちょっと入れておくだけで、いつ起きるかわからない災害時に非常に役に立つものがあります。ペットボトルの飲料水やキャンディ、チョコレートは貴重な食料になり、緊急時のエネルギー補給に役立ちます。

便利グッズ(5) ホイッスル
さらに、ホイッスルを携帯しておくと、万が一、身動きが取れなくなった場合、自分の居場所を知らせるために役に立ちます。ホイッスルは、周囲へ救助を求めたいとき、体力が低下していても軽く息を吹き込むだけで大きな音が鳴るものがベストです。夜間役に立つ蓄光反射材と笛がセットになったキーホルダータイプをはじめとして、携帯電話のストラップになる小さなものも売られていますので、自分に合ったものを用意してください。

緊急時に怖いのはなんといっても、"いざ"というときに頭が真っ白になってしまうことではないでしょうか。冷静なときは頭でわかっていても、緊急時に行動に移せないこともあります。あらかじめ、できる限りの準備をしておくことで心の備えもでき、そういったことが緊急時に本当に役立ちます。皆さんも、今できる対策をしておきましょう。

今回紹介された商品は・・・

帰宅支援マップサービス
大規模災害が発生し、公共交通機関の運行がストップした場合の徒歩での帰宅ルートを検索し、オリジナルの帰宅ルートマップを作成することができます。(提供:(株)パスコ)

帰宅支援マップサービス

SOSキーホルダー
蓄光反射材と笛がセットになったキーホルダーです。笛で合図し、光で確認できます。防災対策、遭難時に役に立ちます。

SOSキーホルダー

ペリカン2130ミニフラッシャー
超高輝度LED球を使用した小型の点滅レッドライトです。約800m先から光の確認ができるので、災害時や緊急時の合図や位置確認として利用できます。

ペリカン2130ミニフラッシャー

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