ご挨拶

 日本警備保障株式会社を昭和37年に創立して以来20年に近い歳月が経過いたしましたが、この間私は、社会に提供する安全とはどうあるべきかということを常に考えつつ、システムの開発と普及に努めてまいりました。そして社会に真の安全をもたらすには、これに関する科学技術の推進発展が必要不可欠であるということを信念とし、これに役だつことを多年念願としてまいりました。
  この多年の夢が、各先輩、友人のご指導、ご協力を得て、昨昭和54年3月、安全問題を中心とした科学技術の振興推進をはかる財団-財団法人セコム科学技術振興財団の誕生という形で実現いたしました。ここに至るまでの関係者皆様のご努力に対して厚くお礼申しあげるとともに、今後なお一層のご支援をお願いする次第であります。
  ご承知のように一口に安全と申しましても、この問題はきわめて広い分野にわたるものであり、また従来の学問分野の接点というか境界領域に大きな問題があることをかねてから痛感いたしておりました。専門分野の異なる研究者が共通の目的に向って討議を重ねていくところに新しい進歩が期待され、真の安全がもたらされるものと信じます。
  財団の諸事業を通じて広く国民各位が真の安全の意義を理解していただきましたならば、私の最も喜びとするところであり、財団を設立した念願も亦ここにあったといっても過言ではありません。なにとぞ今後ともよろしくご支援の程をお願い申しあげます。
(昭和55年7月記)
セコム株式会社
取締役最高顧問・創業者
飯田 亮