SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.1
2014-2015

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トップイーストリーグDiv.1 第6節

セコムラガッツ  19 日野自動車レッドドルフィンズ  56
開催日 2014年11月2日(日) キックオフ 13:00
天候 晴/無風 開催地 日野自動車総合グラウンド
レフリー 須藤 惇(関東協会) 観客数 532人

熱源になりたかった埼玉ノヒト・本郷伸太郎。失いかけた心取り戻したキックの名手

セコムラグビー部1:WTB本郷選手
元サッカー少年のWTB本郷伸太郎、WTBで出るからには「トライを取るのが仕事
【PHOTOGRAPHED BY Aki NAGAO】
 雨予報は一転、暑いほどの気候に恵まれた。11月2日、東京・日野市。スタメンには春の初戦で肩甲骨を骨折し、全治5カ月と診断されながら、驚異的な回復を見せた本郷伸太郎の名があった。
 本人にとって、苦い思い出のグラウンドだ。昨年、ラガッツはこの地で日野自動車相手に善戦した。もっと言うと勝ちかけた。しかしイージーな位置からのペナルティゴールを“キックの名手”が3本続けて失敗。これが響いた。
「心の動揺、その連鎖でした。自分のせいで負けたようなもの」(本郷)。ラガッツに移籍し1年目、それまで80分間フル出場を続けてきた本郷はこの日途中交代を命じられた。
 その後、出場機会はみるみる減っていく。同時にずっと胸に引っ掛かっていた思いが噴出してきた。「こんなはずじゃなかった」。自分が憧れ、思い描いたラガッツという存在。現実との隔たり。埋められない心は宙ぶらりんになった。「このままじゃチームにいる資格がない」とさえ思った。

セコムラグビー部2:HO新井選手
今季初スタメンでたびたびチャンスを演出したHO新井幸輝
 サッカーの街、埼玉県浦和。本郷はこの街で生まれ育った。道端でも2、3人子どもが集まれば、まるで挨拶でもするかのように足元に転がるボールで自然とパス回しが始まる。
「野球をやっていたらバカにされる」(本郷)土地柄で、本郷も多分に漏れず5歳からサッカーを始めた。さいたま市立三室中の出身。一期上の代は全国に進んだ名門。DF堀之内聖や永田拓也など地元、浦和レッズのOBも輩出した。
 高校では父親に勧められ、都内の大東大一高へ進学。そこで待っていたのは新たな世界だった。
 入学早々、本郷はいじめに遭う。「ちょっと尖っていたし、目つけられるタイプだったのかもしれない」。いきなり校舎内で3年生の不良2人に絡まれた。階段の上から口に含んだ熱いコーヒーを吐かれ、問答無用の膝蹴りを浴びせられる。さらには下校時に校門の前で周りを取り囲まれた。
 そんな窮地を救ってくれたのが3年生のラグビー部員だった。「そいつはラグビー部に入るヤツだから手を出すんじゃねぇ」。ひょんなことがきっかけで興味もなかったラグビー部に仮入部する羽目になった。だが「仮入部したら、とても途中で辞められる雰囲気じゃなかった」(本郷)。
 元はといえば本郷の父親も大東一高のラガーマン。これは始めから仕組まれた罠だったとしたら随分と手の込んだ演出だ。今となってはそんなことさえ微笑ましく思える。

セコムラグビー部3:FB加藤選手
FB加藤祐太は2トライと気を吐いて量産態勢に突入
 楕円球はサッカーボールのように素直じゃない。それでも人生の多くを語り、少年をいち早く男にしてくれる。
 ここでも多分に漏れず「タックルは痛いから嫌い、でもキックは楽しい」という典型的なサッカー上がりのラガーだった本郷。ここからラグビーの織り成す“楽・苦・美”に触れ、大人へ成長していく。
 本郷の武器は大砲のようなロングキックと強気なランニングだ。そして最後尾から響き渡る声。2年でFBのレギュラーポジションを獲得。都大会決勝で涙を呑むも、翌年も決勝戦まで駒を進め、花園に王手をかけた。
 決勝の相手は本郷高。12−15とリードされ試合時間は残り5分、大東大一高は敵陣で得たペナルティを本郷の右足に託した。「まず同点、もう1回チャンスは来る」。そう念じ、迷わず振り抜いた。美しい弧を描く放物線。2本のポールの間を通す感覚は、やっぱりゴールネットを揺らす快感に似ている。
 同点、しかしそのままノーサイド。全国行きの切符は抽選となった。監督とキャプテンだけが別室へ。他の選手はロッカールームで待つ。これも他のスポーツにはない高校ラグビー特有の文化だろうか。
 隣りのロッカーから歓喜の声が聞こえた。数秒後、ロッカーの扉が開いた。「ごめん、だめだった」。キャプテンの声に堰を切ったように、秩父宮のロッカールームは青春の汗をいっぱいに吸い込んだ泣き声が充満していった。

セコムラグビー部4:FL森選手
尋常ならざる運動量でチーム貢献するFL森耕太郎
 日本体育大へ進んだ本郷は教員免許を取得し、先生になる道を選んだ。埼玉県公務員臨時的任用職員となり、立教新座高の非常勤講師を5年間務めた。週に14コマの体育の授業を受け持ちながら、クラブチームのブルーシャークスでプレーを続けた。
 社会に出て、仕事とラグビーの両立や自己犠牲の精神を学んだ。立教新座高のラグビー部顧問も務めていたので、水汲みや合宿の手配など、選手15人だけでは成り立たない、部の運営も経験した。
 だが心の底からラグビーに熱くなるには何かが足りなかった。トップイーストリーグDiv.2に所属するブルーシャークス。そこでどうしても越えられない壁があった。セコムラガッツだ。
「いい意味で器用さはないけどストレートで気迫がすごかった。熱源のかたまりだった」。何度試合をしても毎回接戦になるのに勝てない。ラガッツには何かがある。「年齢的に考えても最後のチャンス」と決断した2013年春、教え子たちにも別れを告げ、ライバルチームへの移籍に踏み切った。

セコムラグビー部5:CTB姫野バイスキャプテン
要所で危機を救ったCTB姫野拓也バイスキャプテン
 ラグビーをやる環境は想像以上に厳しかった。この環境で本当に試合に勝てるのか。不規則な勤務で睡眠不足に陥り、体重コントロールも上手くいかず疑念が渦巻いた。
 その一方でチーム内の甘さが目についた。「ラガッツはもっと規律があってピリピリと張りつめたチームだと思っていた」(本郷)。自分自身にも自分のチームにも納得できない日々。試合のメンバーから漏れるようになると、沈鬱な心に拍車がかかった。
 そんな憂いを取り去ったのは他ならぬ仲間の存在だった。「周りのWTB陣の活躍は刺激になった。バシさんやニキ、納谷もいい選手だし、タカトもいる。ライバルは多いけど、監督もどこかで使うと言ってくれた。ケガを治しながら、その意味を考えて。悩んでいるより、自分にできることをやるのが先決と思った」。

セコムラグビー部6:FL撫佐選手
小柄なFL撫佐俊介がダイナミックなプレーでトライ
 挫折から1年、再び訪れた日野自動車戦。「勝つなら競ったゲームになるはず。そうなれば自分のキックが勝敗を左右する」。もう同じ失敗は繰り返さない。立ち上がりに2トライを先行されたラガッツだが14分、連続攻撃からFB加藤祐太がインゴールへ飛び込む。本郷は左隅の難しい角度からのコンバージョンをど真ん中から打ち抜いた。
 さらに2トライを追加された41分にはFL撫佐俊介が見事なボディコントロールでトライ。今度は右隅からのキックが美しい放物線を描いた。

 あの歓声が聞こえてきた。敗れはしたが、熱がこもった。本郷が思い描くラガッツの理想郷が少しだけ見え隠れした。「まだまだ道半ば。負け試合でも4トライ取れないのはそこへの集中力が足りないから。オレたちはもっとできる。自分もWTBとして出るからには次はトライを。WTBはボールを持って走る義務があるから。ニキに可哀想な思いをさせるわけにはいかない」。
 元高校教師の名キッカーは鍛錬の先に栄光が待つことを知る。良き男らしくたゆまぬ努力とともに生息する。胸に秘めたるは特大の闘争心。それがいかにもなのが憎い。
【the author T.Kotani】
監督の目
監督 安藤 敬介
「恥ずかしいパフォーマンス一つもなかった」
 選手たち自身も感じていると思うが、今日の戦いがスタンダード。これぐらいの力を常に出さなければ、このリーグでは戦えない。
 相手のパスのスピードやゲームのテンポに、いつも目が慣れる前に失点してしまっている。相手の「強い・速い・上手い」イメージを持って、ゲームに入っていく訓練が必要。それでも恥ずかしいパフォーマンスは一つもなかった。特にFL森耕太郎の動きは攻守を問わず80分間素晴らしかった。力を出し切り次戦に挑みたい。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
主将 今村 六十
「厳しい結果になったが次につながる戦いできた」
 立ち上がりのところで自分がバァーンと前に出てトライを取られてしまったのは申し訳なかった。あそこで我慢していれば、もっと違った展開に持ち込めたはず。そして、なんとかあと1トライ取りたかったのだが届かずに悔しい。
 悔しいけれど、次につながる戦いはできたと思う。ここまでも、これからも厳しい戦いが続くシーズンとなっている。それでもやっていることを信じて、上のチームに噛み付いていきたい。しっかり準備をして、次こそは結果につなげたい。
セコムラグビー部8:CTB今村主将
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