SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.1
2014-2015

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トップイーストリーグDiv.1 第1節

セコムラガッツ  21 栗田工業ウォーターガッシュ  74
開催日 2014年9月14日(日) キックオフ 17:00
天候 晴/無風 開催地 栗田工業厚木グラウンド
レフリー 梶原 晃久(関東協会) 観客数 401人

大敗の船出も創造に富む高速アタック。思いは強く台頭するヨウの無垢な魂

セコムラグビー部1:バックス陣
バックスだけで3トライ、高速アタックで攻めて活路見出す
【PHOTOGRAPHED BY Yuca SHIGA】
 夕陽を浴びてキラキラと眩いオレンジ。ラガッツの勝負を懸けるシーズンが始まった。昨年と同じ開幕、栗田工業との顔合わせ、無風のグラウンド上には残暑を感じさせないひんやりとした空気が漂った。

 しんがりからの下剋上、難敵攻略の糸口はどこにあるのか。序盤は栗田の用意されたプレーに、ラガッツは後手を踏む。次々とインゴールを陥れられ、前半15分で0−24。「地に足が着く前に」(姫野拓也バイスキャプテン)現実を突きつけられた恰好だ。
 反撃に転じたい選手たちはバックスで仕掛けていく。18分、ハーフウェイ付近から右に展開し、CTB加藤祐太が外で勝負。チップキックを無人の背後に蹴りこむと、一気の加速で追いつきそのままトライ。26分にはWTB益子仁紀の一段ギアが上がったスピードが生きる。昨年ノートライに封じられた堅守の相手を攻めて崩すことに成功した。

セコムラグビー部2:CTB加藤選手
アウトサイドCTBでの起用に異次元のスピードで応えた加藤祐太
 こうなると抑えるべきは昨年、スペースを縦横無尽に走られ4トライされたNo.8アッシュ・パーカーへの対処。もう好きにさせない。学生時代からエースキラーの異名を取ったFL杉本耀は静かに集中力を研ぎ澄ませていた。 「スクラムから持ち出してきたら絶対止めてやろうと思っていた」(杉本)。ルーキーで唯一、開幕スタメンの座を勝ち取った杉本。だがここに至る道程は平坦ではなかった。

 これまでの杉本のラグビー人生は、栄光よりも残酷なまでの挫折がつきまとう。苦渋のシーンの連続と云えよう。 ラガーマンの父・哲也さんと社会人チームでマネジャーをしていた母・あゆ子さんの間に生を受けた長男。お腹の中にいる頃から、ラグビーをすることは約束されていたようなものだった。
 小学校に上がり、ラグビースクールで楕円に触れる。「初めは嫌々だったけど、徐々にラグビーが生活の一部になっていった」(杉本)。 活発でやんちゃな性格は獰猛なバックロー向き。物怖じすることなく、頭からタックルし、相手の懐に飛び込んでいくタイプの選手だった。
 7歳の時、近鉄花園ラグビー場で目にした啓光学園のラグビー。杉本にとってこれが運命の出会いとなる。いまだ燦然と輝く花園四連覇、鉄のディフェンスと称された名門のロイヤルブルーに憧れ、杉本少年の心は決まった。
 憧れの啓光の一員となった中学・高校での6年間。得意なプレーはタックルとジャッカル。狙い澄ましたキックオフタックルを連発し、ひと際目立つ存在となった。
 しかし高3最後の冬。全国は行けて当然という漫然とした雰囲気の中、常勝を約束された啓光学園は大阪府予選決勝で敗れ去った。普段はあまり感情を表に出さない杉本も、芝生の上に泣き崩れた。

セコムラグビー部3:SO松本選手
前半はFB、後半はSOで松本聖は何度もチャンスを演出
 そして昨年、さらなる悪夢が杉本を襲うことになる。過去5度の対抗戦優勝を誇る日体大も、ここ数年は低迷続き。この年も開幕から連戦連敗で、王者帝京大との試合では0−147という記録的な大敗を喫した。
 この試合、最上級生ながらケガでスタンド観戦だった杉本の心中は、察するにあまりある。「とにかく試合に出たかった。147点取られた気持ちは、試合に出ていたメンバーにしかわからない」(杉本)。
 全敗のまま、転げ落ちるようにシーズンを送った杉本と日体大は、そのまま勢いを取り戻せず入替戦で立教大に17−74と大敗。伝統校が史上初めての2部降格となった名門の凋落は記憶に新しい。
「自分の代で落ちてOBや関係者に申し訳ない気持ちでいっぱい。高校も大学も負けて終わってしまった。もうこんな思いはしたくない」(杉本)。

セコムラグビー部4:CTB姫野バイスキャプテン
CTB姫野拓也バイスキャプテンはもう1トライを悔やむ
 自分を変えたい。突き動かされるような強い思いで杉本は刺さった。倒せなくても膝下にしがみつき、何度も前進を食い止めた。モールの起点やこぼれ球への働きかけで結果、今年もパーカーに4トライを奪われたが、自由に走られることは一度もなかった。
 前半だけで50失点、ラガッツの初戦は厳しい戦いとなった。後半は4トライ獲得に切り替えて臨む。すると9分、ライン際でボールを受けたWTB益子が魅せた。切れ味鋭いステップで裏に出るとマークを振りきって独走。「ニキは、この日フィールドに立っていた30人の中で誰よりも速かった」と安藤敬介監督も唸るスピードで観衆の度肝を抜いた。

セコムラグビー部5:WTB益子選手
2トライをマークしたWTB益子仁紀、今季は覚醒の予感漂う
 残り30分、あと1トライ、しかしゴール前で耐える時間帯が続く。いくら勝敗は決していても、ディフェンスを放棄して相手にトライを与え、すぐに次の攻撃へ転じることはチームのリーガル・モラリズムに反する。
「勝ち点にはこだわりたいけど、そのために何点取られてもいいというのは違う。それをやってしまったら何か大切なものまで失ってしまう気がする」(今村六十キャプテン)。
 ラスト30分、杉本が交替でグラウンドを去り、トライの匂いは消えた。勝ち点獲得はならなかった。

セコムラグビー部6:FL杉本選手
ルーキーのFL杉本耀が開幕スタメンを手に、
リザーブにも3名の新戦力が名を連ねた
 アタックは通用した。堅守を崩した。その残像は次への楽しみだ。そしてどんなに攻撃的な戦術でもボールを奪わなければ始まらない。ラガッツのフットボールもまた、タックルから始まる──
 寡黙な新人のタックルに無限の可能性が秘められている。同じ大学から一緒に入部した同期はチームを去った。右も左も分からない社会人生活、夜勤とて決して楽ではないだろう。それでも「ラガッツの人たちは意識が高くて熱い人ばかり。ラグビーをしてきた中でいまが一番楽しい。最高の仲間と出会えた」(杉本)。
 格上との対戦が続くトップイースト。「なかなかラガッツに流れは来ない。そこで一発流れを変えるプレーをしたい。タックルには試合の流れを変える力がある」(杉本)。勝てないラグビー人生に終止符を。杉本が歩む一本道は明るく、やさしい光に照らされている。自然と胸の高鳴りを覚えた。
【the author T.Kotani】
監督の目
監督 安藤 敬介
「コーチングスタッフの準備不足が敗因」
 フィジカルの強さやスピードに対応できず、前半から受けに回ってしまった。ディフェンスの出足が悪く、序盤であれだけ失点してしまったことがすべて。責任はすべてコーチングスタッフである自分の準備不足にある。相手にスペースを与えすぎて、ボールに絡めなかった。
 一方でバックスのアタックは通用した。長井達哉コーチの指導が生きてきた証拠。次節はセットプレーとブレイクダウンを安定させて、ボールポゼッションを高めたい。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
主将 今村 六十
「相手の術中プレーにはまり後手踏んだ」
 序盤はまず外国人を当ててきて、次にブラインドを攻めるというパターンだった。用意されたプレーにはまり、後手を踏んだのが悔しい。
 最後まで全員の気持ちが切れなかったのは評価したいが、結果として4トライ目に届かなかったのは細かいミスや判断ミスが起きたから。今後シーズンを戦うにあたり、勝ち点を取り逃がさない集中力が必要となる。あれだけディフェンスばかりしていたらラグビーにならない。前に出て自分たちの流れを作りたい。
セコムラグビー部8:CTB今村 六十
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