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トップイーストリーグDiv.1
2013-2014

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トップイーストリーグ昇降格順位決定戦 1回戦

セコムラガッツ  21 ブルーシャークス  19
開催日 2013年12月15日(日) キックオフ 13:00
天候 晴/強風 開催地 セコムラグビーフィールド
レフリー 鈴木 正史(関東協会) 観客数 368人

開幕8連敗、屈辱の103失点。このままじゃ終われない。変わり者“ムサザイル”の途切れぬ心にラガッツのDNAを見る

セコムラグビー部1:FB加藤選手
79分間沈黙のエース、FB加藤祐太が最後の最後で一閃
【PHOTOGRAPHED BY HIROKI TAKAMI】
“いきなし速かった”加藤祐太は、東北で知られた存在だった。手負いのラガッツの最後尾に飛び道具が鎮座するさまは、天の配剤であって奇観に近い。
 子どもの頃から毎年、運動会ではリレーのアンカーを務め、陸上部に所属した中学時代は短距離の選手で東北4位。「中2の冬でしたかね。カラダの中で何かがスパークして爆発的にタイムが伸びました。100m11秒4、50m5秒8」(加藤)。
 とにかく速い。いまでも速い。さぞかし見える世界が違うのだろうと思うが「申し訳ないけど遅い人の気持ちがわからない。寝坊して遅刻しそうになってもたいてい間に合うので便利です」。そう、この男にはてんで欲がなかったのだ。やだやだの虫が騒ぐ。地位も名声も好まず、求愛深い仙台の地に残ることだけを考えていた。

 父親に連れられた加藤少年が、ラグビースクールの門を叩いたのは7歳の時。だが中学に進学すると陸上部の練習にのめりこみ「スクールの練習をどうやったら休めるだろうかと。そればっかり」。それでも推薦で入ったため、仙台工高ではラグビー部に籍を置く。強豪校ではなかったので花園は遠かったが、ずば抜けたパフォーマンスで一躍注目を集めた。
 高2の県予選、小松大祐(リコーブラックラムズ)擁する佐沼高を相手に一人で4トライ。「監督から『U17のセレクションに名前が挙がっている。呼ばれるぞ』って言われて。やだやだの虫が騒ぎました」。頑なに固辞。さらに大学進学でもひと悶着する。
「監督から『明治にいけ。願書出すからな』と言われてしまい」。さすがにこの時は根負けしたが「地元からは出たくない」とごねているうちに、願書の提出期限は締め切られた。

セコムラグビー部2:LO丸山選手
痛むカラダと相談しながら突破口となったLO丸山隆正
 念願かない東北学院大へ。東北大会の新人戦で暴れ散らし、とうとうU19日本代表のセレクションに呼ばれた。やだやだ。 「選ばれないようにと、前日の夜はずっとノックオンの練習していました」。だが本人目立ちたくないといってもプレーは派手だ。稲妻のような鋭角なランニング。最終学年は5戦で17トライ。東北リーグの記録まで打ち立てた。
 誰だって足は速くなりたい。フォームやシューズに左右されずになぜにここまで。その秘訣を聞いた。「大学の時は、腹筋と背筋ばかりやっていました。へその下に力が入るバネができる。為末大の本を読んだら書いてあったんですよね。足が速くなると小便の勢いが増すって。毎日それは意識しました」(加藤)。

セコムラグビー部3:No.8西川バイスキャプテン
No.8西川匠は「必ず取れると信じて」最後まで前に出た
 でっかい場面でどでかい仕事をやってのけるのがエースだ。昨季ラガッツの新監督に就任した安藤敬介から「エースはお前だ」と全部員の前で指名された。2009年2月10日、入部わずか1年でチームの強化中止宣告、2011年3月11日、東日本大震災。年輪を重ねて腹も据わった。「東北も、セコムラガッツも元気だってことを証明するためのチャレンジ。自分にできることをしようと思った」(加藤)。
 昨年5月、自ら志願し夜勤明けで7人制日本代表のトライアウトに挑んだのは有名な話だ。26歳以下の応募条件を満たしていなかったが「そこをなんとか」と頭を下げ、オーバーエイジの特別枠で受験。見事代表の座を射止めた。9月からはトップイーストのリーグ戦と掛け持ちで、代表のワールドシリーズ遠征に帯同。インド・シンガポールと国際大会を転戦し、日本代表のW杯出場に貢献した。
 さらにリーグ戦でも最多の11トライ。その絶対的エースが今季はここまでノートライ。度重なるケガに泣いた。そして「勝てば残留に望みをつなぎ、負ければ地獄へ落ちる」という生き残りをかけたブルーシャークス戦。加藤は戻ってきた。

セコムラグビー部4:LO佐藤選手
日々ぶつかりながら成長、2トライと暴れたLO佐藤雄太
 運命を左右する一戦。これが一発勝負の厳しさか。ラガッツは相手の前がかりな出足に苦しみ、先制トライを奪われる。LO佐藤雄太の2トライで逆転して折り返したたが、後半18分モールを押し込まれ同点。さらに27分、再びインゴールを割られリードを許す身も凍るような展開。14−19、残り時間は15分。
 頼みのエースもまたもがいていた。「早くトライが欲しい」。そんなはやる気持ちが仇となり、徹底マークの餌食となった。ゲーム勘も戻らない中、猛タックルを被弾。ボールを持ったままでタッチラインの外に押し出されると「ナイス、ナイス」と相手選手に頭を撫でられた。屈辱的な気分だった。
「あのときもそうだったんです。カチンと来た」。昨年11月25日、事実上のリーグ優勝決定戦となった明治安田生命とのゲーム。開始早々、FBの加藤はタックルミスを犯し相手に先制トライを奪われる。トライを取った選手に帰り際、「なにかジャパンじゃ?」と肩を叩かれた。加藤はひたすら狙った。倍返しの時を。そして2点差で迎えた後半ロスタイム、こぼれ球を拾って試合を決めるトライを奪い、思わず叫んだ。「これがジャパンじゃ!」。

セコムラグビー部5:LO立道選手
LO立道裕昭も地を這う姿勢で泥臭くボールを運んだ
 刻一刻となくなっていく試合時間。ラガッツはFWが束になって相手ゴールに襲い掛かる。後半35分、相手ゴール前でペナルティをもらうも、狙わずにトライを取りに行く。タッチに蹴り出してラインアウト。モールが動き出す。あと5m、4m。バックスはいつでも球をもらえるよう準備する。あと2m・・ボールがこぼれた。ターンオーバーだ。相手はすぐにルーズボールに働きかけると、インゴールから展開しカウンターアタックを仕掛ける。万事休す。しかし、その直後スーパープレーが生まれた。
 外まで展開したところでブルーシャークスのWTBはロングキック。楕円球は不規則な弧を描きながら、ハーフウェイ近くまで戻っていた加藤の胸にすっぽりと収まった。
 経験に対する理解が深まるにつれ、デザインされるものがある。ここしかない。加藤はまだ痛みの残る足でステップを切り、相手CTBを抜き去る。縦にたなびく光は一閃。2人、3人とタックルを外し、そのままゴール真下へダイブ。「めちゃくちゃ興奮した。我ながらよく抜けたなと思います」(加藤)。渾身のドヤ顔でボールを天高くに放り上げ雄叫び。まさに窮地の土壇場、起死回生の逆転劇は、翼の折れたエースがもたらしたのだった。

セコムラグビー部6:SH向井選手
ミラクルな加藤のトライに“後輩”SH向井康洋は歓喜の抱擁
「今年は本当に何もやってないままでここまで来たから、忸怩たる思いがあっただろう。もともと波頭に立つタイプじゃないけどチームでは一目置かれた存在。ベテランの部類に入ってくるし、今後は周りに対する厳しさもみせてほしい」(安藤監督)。
 もうあの頃の加藤はいない。「こういう環境になって、震災もあって、ラグビーに対する考え方が大きく変わった。トップレベルで通用しないわけでもなかったし、もっと頑張ろうという気になった。代表とかってやっぱり自分からアピールしていかないと見てもらえないし。なんだか急に欲が出てきました」。
 リーダー役職には就いていないが、チームの中での発言力も増している。若手とベテランの橋渡しになろうと積極的にコミュニケーションを取り、食事会を開いたりとインドアにもほどがあるひきこもり人間が、寮の共用部にいる時間が長くなった。

 そこにあるのは自分がやらなくてはという使命感だ。「ラガッツは僕が守ります」。
 昨季は選手わずか24名。総力を結集して存続の危機と立ち向かい、リーグ優勝とディビジョン1昇格を手にした。そして多くの新人を迎え入れた。「春先に若い選手から言われたんです。熱なんかどこにもないじゃないですかと。ラガッツってもっとすごいチームかと思っていたのに。どこが熱源だ、全然ぬるいじゃないかって。あれは結構響いたし、ショックでしたね」(加藤)。
 誰にとっても自分のチーム。そこがぬるいと感じたなら自分で変えていくしかない。
「今年はずっとケガしていて、若い選手から『いつ戻ってきてくれるんですか?』って声をかけられる。なんかちげぇなと感じませんか。こっちは結構な大ケガしているわけで。『加藤さんいなくてもオレらやるんで。ゆっくり休んでてくださいよ』って言うぐらいじゃないとね。その程度のことじゃまだまだ強くはなれない」。

 さんざん待たせたエース加藤の初仕事で、ラガッツはリーグ残留に一歩前進した。
「なんだかんだで幸せです。よくもこんなにいろんなことが起こるなって。でもラグビーを楽しいと感じられるようになった。1年目なんて恐怖でしかなかったですけどね」。
 最近は本気でイメージする。「このチームでトップリーグにいきたい。自分自身の中にも代表への想いだってある。まだチャンスはあると思っていますから」。そっと腹部に手をやる。へその下に力がみなぎっていた。
【the author BRAVO.K】
監督の目
監督 安藤 敬介
「結果のみが大事な試合、勝利できたことは評価」
 結果のみが大事な試合だったので勝利することができてよかったです。内容としては、全般的に動きが硬く、反応の悪さや姿勢の高さが目立ちました。相手はブレイクダウンにもファイトしてきたし、ラガッツの強みを消そうとしているのがわかった。一発勝負に弱いとうか、私自身を含めて勝負強くないと思わされました。ただ粘り強い相手に対して、根負けせずに最後まで戦ってくれた。最終戦はリベンジしにいく。やはりラグビーの雪辱はラグビーで晴らさないといけないということです。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
主将 今村 六十
「勝たないといけない最終戦。出し切って終わりたい」
 開幕戦以来のスタメン復帰でしたが、自分のゲームマネジメントがよくなかったと感じました。下を向く必要はないけど反省すべきことは多い。勝てて助かったなという感じです。自分の中では勝てる、やれるというイメージがあったのですが、そこに甘さがあった。バックスはパフォーマンスも最悪でしたし、コンビネーション不足で個人の動きになっていました。IBMには勝たないと今季のストーリーがつながらない。出し切ったゲームがないので、最後は出し切って終わりたいです。
セコムラグビー部8:LO西川 匠
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