SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.1
2013-2014

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トップイーストリーグDiv.1 第6節

セコムラガッツ  7 ヤクルトレビンズ  62
開催日 2013年11月4日(月・祝) キックオフ 14:00
天候 曇のち晴/微風 開催地 秩父宮ラグビー場
レフリー 川尻 竜太郎(関東協会) 観客数 1,432人

3年ぶりに秩父宮凱旋も惨敗。開幕6連敗で最下位転落。地味に、しぶとく。若手の教科書“ヒメタクの教え”

セコムラグビー部1:声援に頭を下げる選手たち
完敗でノーサイドを迎えスタンドの声援に頭を下げる選手たち
【PHOTOGRAPHED BY HIROKI TAKAMI】
 一枚の写真を見てほしい。大敗を喫した試合後、選手がスタンドに挨拶している。
 勝てない。まだひとつも。彼らの心情を慮れば、思うに余りある。
 でも、なぜだろうか。いわれのない違和感を覚えてしまう。筆者は10年以上、時に勝てないラガッツを幾度となく見てきた。それとは何かが違うとしばし考えを巡らせた。
 その正体みたり。貴殿は色とりどりのスパイクにお気づきか。まるで戦隊ヒーロー大集合。選手たちに告ぐ!もう一度、己の足元を見つめるがいい。追求すべきは外見にあらず。どれだけ中味を磨いてきたか、そこに人間の価値は見え隠れする。
 無論、ランドセルだって24色の現代社会において、時代錯誤の没個性あるべき論を押しつけるつもりは毛頭ない(筆者自身、紫紺で身の回りを染め上げているご身分だ。カラフルは賛成、誤解なきよう)。
 だがこの戦績と蛍光チカチカがどこか不釣合いに思えてしまう。滑稽にすら映るのだ。

セコムラグビー部2:CTB姫野選手
若いバックスをまとめながら対面を制圧したCTB姫野拓也
 見た目なんかは二の次、とばかり地味に、しぶとく生きてきた男がいる。
 バイスキャプテン、姫野拓也30歳。前節を相当なケガで欠場したが、ビッグマッチに気合と根性で間に合わせてきた。「復帰、即先発だったので怖さはあった。前日練習でも痛みはあったけどボルタレンも飲んだし、アドレナリンもマックスだったので、試合が始まったらケガのことなんて忘れました」(姫野)。
 開幕5連敗で迎えた聖地での一戦。鍛え上げられたチーム、ヤクルトをどう飲み干すか。そのキーマンとも言うべきは攻守の要・姫野に他ならなかった。3年ぶりに帰ってきた秩父宮の大舞台で“セコム健在”を高らかに知らしめる。だが眼光鋭く意気込む精鋭の思いとは裏腹に、ラガッツは序盤から自陣に釘付けのゲームをしいられる。
 5次、6次と継続してボールをスペースへ運んでくる相手に対し、ラガッツも果敢にアタックをするが、接点での攻防でノックオンやターンオーバーを繰り返し、ペナルティで流れを寸断された。「どれだけ訓練されているかどうか、それがそのまま点差になった」(安藤敬介監督)。ゴール前のドライビングモールを止めきれず、反撃に転じてはミスからカウンターアタックを浴びてトライ。前半で22点のビハインドを背負った。

 インゴールを割られるたび、姫野は何度も地面に拳を叩きつけた。右手に握り締めた芝生をそのまま引きちぎった。「勝つイメージしかなかった。悔しくて、悔しくて。こんな情けない試合をしにきたんじゃない」。
 チームみんなで戦おう云々の前に、求められるのはひとりで突き詰める努力だ。試合の日しか選手全員が集まれないという環境下。だからこそ「オレはこれをやっている、いまこういう気持ちなんだということをどんどん発信していく。相手の言葉を受け入れる。リアクションする。そういう部分でしかコミュニケーションが取れないから。これをチーム内に浸透させて、無意識のうちに人任せにしてしまう空気を取り除きたい」(姫野)。
 姫野は努力の人だ。太れない体質、サイズもなくて足も遅い。だからこそひたすら考え抜いてきた。遅い足でもどう走れば相手は嫌がるか、生きたボールを供給するための細かいボディコントロールも身に着けた。自分の弱さを認めたうえで、強くなるために己を追い込んだ。だからこそ、今がある。
セコムラグビー部3:外国人選手の突進をしのいだが
外国人選手の突進を我慢強くしのいだが今季最多失点
 レギュラーの座をつかむため、生き残るために、社会人2年目でFWからバックスへの転向を願い出た。「オープン戦ですら使ってもらえなくて、アピールの場は大学生とのアタック・ディフェンスだけだった」。CTBでの序列は一番下。「カリンコリンで吹っ飛ばされてばかりでした。シーズンになってポジションにケガ人が出て、やっと出番が来たかと思ったらSOの草原(升本)が下がったり、FBの白藤(友数氏)が上がってきたり。いったいどうやったら自分は認めてもらえるんだろうって必死だった」(姫野)。
 転機になったのは2006年12月17日、トップリーグ。大分で行われた福岡サニックスブルース戦で待望の初スタメン。チャンスを逃さなかった。「地元の九州での試合に初めて先発で使ってもらえて。試合には負けてしまったんですけど『マン・オブ・ザ・マッチ』に選んでもらった。嬉しかったですね。どうだ、見たかって。そんな思いでした」。

セコムラグビー部4:CTB秋葉選手
昨季はケガに泣いたCTB秋葉友幸、チャンスをモノにしたい
 もう一度、写真に視線を落とす。姫野のスパイクは何色だったろうと。納得だ。泥だらけの白。「ずっと白ですね。ボロすぎて磨いても全然ぴかぴかにならないけど(笑)。色にこだわりはないし、そもそも興味がない。大事なのは自分の足に合うかどうか。試合用と練習用で履き分ける人もいますけど、僕の場合は同じ感覚で臨みたいから一緒です。試合を特別なものにはしたくない。毎日が勝負。試合はその結果でしかないから」(姫野)。
 選ばれし人間でないからこそ「自分のことそんなに信頼してないです。試合前日とか不安しかない。スパイク磨きながら、対面の外国人、腕長いよなとか、FBの足速いなとか。マイナスから入っていって、さてじゃあどうするかって考えます」。
 ものすごく緊張もする。初めて試合に出る選手が「お前、緊張してんだろ」などと他の選手にいじられるのを耳にしながら「絶対オレの方が緊張してるからって内心思ってます」(姫野)。ウォーミングアップの前に必ずトイレに行き、アップが終わって着替える前にもう一度用を足す。「でも最近はこれでいいと思えるようになった。緊張してきたなぁ。いい感じになってきたなぁ。いつも通りだなぁって」。

セコムラグビー部5:FL森選手
途中出場の続くFL森耕太郎は毎試合、随所に光るプレー
 事実こうも負けが続くとグラウンド内外で不協和音も聞こえてくるものだ。だが、姫野はリーダーとして断固それを許さない。
「結局、私生活でルールを守れない人間はラグビーでもダメなんです。それを律していくのが役目だと思っています。習慣としてルールを守るということが身についていない人間は簡単にペナルティも犯す。チームとしての決め事も吹っ飛んでしまう。ラグビーってすごく人間性が出るんですよね。日ごろから気を配れる人間は周りのことも考えられるし。15人って団体スポーツの中で一番多い人数じゃないですか。当然一人じゃ戦えないし、逆に一人でも逸脱したことをやり出すともう途端におかしくなる。そこが面白さでもある。日々、ルールを守ることがこの地球上で生きていく上には必要で、ラグビーが強くなるための絶対条件でもあるんです」。

 今季初勝利をめざしたヤクルトとの大一番。後半、風上に立ってどこまで追い上げられるか。だが最初のトライを相手に献上して大量失点の餌食となった。後半34分、ラガッツは相手ゴール前で得たペナルティからFWがモールを押し込んで意地の1トライを返すのが精一杯。今季最多となる62失点。姫野は攻守でお手本のようなプレーを披露し、対面にまったく仕事をさせなかったが、勝利に貢献できなかった。復活ののろしをあげるはずの舞台で、待っていたのは屈辱的な惨敗だった。

セコムラグビー部6:意地のFW陣
ペナルティからモールを押し込み意地の1トライを奪ったFW陣
 試合後、ロッカールームで茫然自失。姫野はしばらく動けなかった。今季2度目の「マン・オブ・ザ・マッチ」受賞も喜べなかった。「がむしゃらに自分のことだけを考えていたあの頃とは違う。自分が活躍してもチームがこういう状況では。勝たせる方向に持っていく立場だから」。
 いまが雌伏の時だ。華やかさの欠片もない。スパイクは白、ヘッドキャップは黒。朴訥としてどこまでも潔い。「見た目を気にするならヘッドキャップなんかしませんよ」と言ってキャップに目をやった姫野。「これ壊れてきちゃって。でもある人にもらったものなんで換えたくないんですよね」。
 少し伸びた髪がキャップの隙間からはみ出して風になびく。昆虫の触角のようで、ぶっちゃけダサい。だが、そこには万巻の書が詰まっている。若者たちよ、目の前にある教本をひもとくがいい。ありがとう。心から礼を述べる。ラガッツにキミがいてくれてほんとによかった。
【the author BRAVO.K】
監督の目
監督 安藤 敬介
「春からやってきた歩みを止めずに積み上げていく」
 選手たちは持っている力を出していますがもっと根幹の、個々のワークキャパシティの劣勢が続いています。外国人を筆頭にフィジカルの強い相手と戦っていく中で、相手よりダメージが溜まるし、いくつかフェイズを重ねた後にターンオーバーされると、守りに回る足が残らない。ここに関しては年単位で取り組まないといけない部分ですぐに解消されるものではありません。いまは春からやってきた歩みを止めずに積み上げていかなければ。まずは身体とメンタルをクリアにすることが大事です。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
副将 西川 匠
「自分たちのラグビーを愚直に80分間やり切るだけ」
 自分たちのアタックはできていたのですが、継続できませんでした。我慢が足りなかった。チームとしてではなく、個人でのアタックになってしまった場面がたくさんありました。毎試合、数少ないチャンスを自分たちのミスで手放しています。次戦までに特別な準備はできません。今季はまだ一度もやりたいラグビーを80分間続けられていないし、それができたら、ここまで大差の試合が続くことはない。今さら格好つけても勝てるわけはないので、愚直にラガッツのラグビーを全員でやり切るだけです。
セコムラグビー部8:LO西川 匠
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