SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.1
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トップイーストリーグDiv.1 第5節

セコムラガッツ  0 釜石シーウェイブス  61
開催日 2012年10月20日(日) キックオフ 13:00
天候 雨/微風 開催地 セコムラグビーフィールド
レフリー 松丸 力(関東協会) 観客数 325人

ホームで初めての激突も「北の鉄人」のパワーに力負け。愚直に真面目に懸命に“ダイゴは大人になりました!”

セコムラグビー部1:FB本郷選手
闘志むき出しで突破口を探すFB本郷伸太郎のアタック
【PHOTOGRAPHED BY DAIJU KITAMURA】
 予報では午前中に上がるはずの雨は、ますます激しさを増していた。
 ぬかるんだグラウンド。水分をたっぷり吸ったボール。余儀なくされるのは近場でのFW戦。戦術もへったくれもない泥試合の様相に、FL藤田大吾はねずみ色の空を見上げていた。
 雨が降ると思い出す。「あの日もそうやった。ぼくが6番で、たくみ(西川匠)が4番やったんです」(藤田)。2005年10月10日、秩父宮ラグビー場。大学3年の関東大学リーグ戦、当時まだ新興校の流通経済大が優勝を狙う法政大を14−10で破った。前半19分、敵陣ゴール前で法政のSO森田恭平(現・神戸製鋼コベルコスティーラーズ)のキックをFL藤田がチャージしてトライ。さらに28分、ラックのこぼれ球を拾ったLO西川が勝利を決めるトライ。この2トライを守りきった劇的な勝利だった──

 ラグビーは番狂わせが起こりにくいスポーツだ。圧倒的な力の差を跳ね返すことは容易ではない。だが時として、天が味方することもある。まして大雨が降ろうものならパス、ラン、キックすべてに沈滞が生じる。「ロースコアの泥試合に持ち込めば、ぼくの持ち味見せられるじゃないですか」(藤田)。白い歯がこぼれた。そうこの男の武器こそタックルだ。

セコムラグビー部2:No.8渡邉選手
レッドカードの出場停止が解けNo.8に入った渡邉庸介
 開幕から勝ち星のないままでホームの狭山に帰ってきたラガッツ。特にここ2試合は不甲斐ない戦いが続き、チームとしての真価が問われる一戦となった。迎え撃つはかつて新日鐵釜石として日本選手権七連覇をなし遂げた釜石シーウェイブス。ここまで無傷の4連勝で悲願のトップリーグ昇格へひた走る「ラグビー界のヒーロー」に手負いのラガッツがどこまで立ち向かえるのか。焦点はその一点に絞られた。
 午後1時、雨のグラウンドに両チームの選手が姿を現す。その体格差に観客のひとりが思わず吐いた。「釜石と比べてラガッツのバックスがもやしに見えた」。同時に出場できる外国人選手は2名までだが、釜石のメンバーに日本生まれではない選手がスタメンに5名、リザーブに3名。うち4名は帰化選手として日本国籍を持つ。
「釜石は格下のチームと試合するとき、立ち上がりがよくない。そこにラガッツが喰らい付けばチャンスが生まれる。焦り出してミスが出る。そこに畳み掛ける。勝つにはそれしかない。ただがむしゃらに。チャレンジャーはかっこよくなくてええ」(HO吉田竜二)。

セコムラグビー部3:SH向井選手
SH向井康洋はエルボとパンチングを浴びても気丈にプレー
 血潮が燃えた。失いかけた熱を取り戻すための戦い。序盤、リズムを刻み相手ペナルティからNo.8渡邉庸介が素早く仕掛ける。SO松本聖がコーナーへキックを落とし、敵陣深くにまで進入する。しかし「二人目の働きかけ、プレーの精度がおよばなかった」(藤田)。
 淡い期待を寄せた予感めいた空気は、残酷な現実とともにかき消される。数少ないチャンスをミスでモノにできないと、個々のスキルに勝る釜石のパワープレーが始まった。ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれ先制を許すと、タウファ・タフィアイバハ優、セトゥー・ウアロタフォウの両CTBにビッグゲインを繰り返される。「もっとスターターの15人には、吹っ飛ばされてもいいから向かっていく姿勢がほしかった」(PR山賀敦之)。前半だけで0−42。100点ゲームの恐怖すら感じる惨劇を見た。

セコムラグビー部4:FL藤田選手
ベテランの自覚、タックルのお手本FL藤田大吾が頼もしい
 京都の南、城陽市。1400gに満たない未熟児で生まれた藤田は「転んでもケガしない丈夫な子に」という母の思いもあり、6歳のときに地元のスクールでラグビーを始めた。NECグリーンロケッツのCTB櫻谷勉とはスクール当時からの幼馴染みの仲だ。高校は憧れだったというドラマ「スクールウォーズ」のモデル、伏見工高に進学。高1で花園全国制覇、高3でベスト4に入った。大学は流通経済大に進み、4年でキャプテンを務めた。
「ホントいい経験をさせてもらった。いま、ムソウ(今村六十キャプテン)やたくみ(西川バイスキャプテン)の気持ちが痛いほどよくわかる。キャプテンっていうのはホンマに重責で、自分のことが手につかんようになる。それやのに思うようにチームが動かない、まとまらない。そんなもどかしさでいっぱいやと思うから」(藤田)。
 いつからだろうか。ダイゴは変わった。入社したての頃は「思ったことを何でも口にしてしまう。悪気はないけど、どこか空気が読めないヤツだった」(姫野拓也バイスキャプテン)。フィットネスはチーム随一。献身的なタックルでチームの勝利に貢献してもどこか浮きがちで、不思議ちゃんの印象が拭えなかった藤田が、いまでは若手選手の範となってリスペクトされている。
「自分でも思う。去年ぐらいからか、気持ちが変わりましたね。自分のためってゆうのは一緒やけど、チームが勝つために何が必要か、私生活も含めて真剣に考えるようになった。人に言うことで自分のけじめにもなるし。口うるさい、嫌なことも言うヤツって思われるだろうけど、それは気にしない。汚れ役でいいし、言わずに後悔もしたくないから。ラガッツのこと弱いって言われたくないし、この状況をなんとかしたい一心」(藤田)。
セコムラグビー部5:HO吉田選手
古巣との対戦に燃えたHO吉田竜二だが結果出せず
 昨季は胆のうの手術もあって約束されていた定位置を失った。今季も佐藤雄太、森耕太郎というルーキーの台頭で出場機会は減っている。それでも「常に矢印は自分に向いている人間。レギュラーでもリザーブでもメンバー外でも、発せられる言動は真っすぐで素直。大人になったということ」(安藤敬介監督)。
 器用じゃない。お世辞にもラグビーセンスがあるタイプではない。パスやアタックのスキルもない。それでもチームの戦術理解度が高く、やりきろうとする姿勢が評価される。そして今季、チームが標榜する“ハードロータックル”の申し子でもある。「タックルだけは譲りたくない。誰にも負けたくないし、まだ成長できると思う。得意なことを伸ばしてそれが自信になれば、他のプレーにもチャレンジできるから」(藤田)。 

セコムラグビー部6:PR山賀選手
後半29分、PR山賀敦之が待望の今季初登場を果たす
 後半、雨は降り続いたが惨劇は止んだ。前半のスコアなんか忘れたとでもいうような顔で、藤田はひたすら突き刺さった。歯を食いしばり低く、低く。それに引きずられるようにフィフティーンは熱を発した。
 ラガッツは“気持ちだけではどうにもできない”ことを頭で理解しながら、“気持ちだけ”で戦った。20分すぎまでスコアは微動だにしなかった。残念ながら決定的なチャンスは作れず、今季二度目の完封負け。後半の後半に3トライを追加され0−61という大敗を喫したが、大切なものをつなぎ止めた。

 ノーサイドの瞬間、釜石の英雄、かつての桜の名戦士。2019年ラグビーW杯アンバサダーの桜庭吉彦氏は目を細めた。「最後まで切れないで戦えるのはすごい。いいチームだよ」。
 ずぶ濡れの藤田を直撃する。「むちゃくちゃ悔しいのと情けないのとふざけんなって気持ちでいっぱい。もっとできるはずだし、次は秩父宮。絶対に勝ちたい舞台。だから、この2週間はマジ大事です。ベテランのぼくらが方向性を示してまとまらないと」。
 狭山のグラウンドじゃ、いつだって藤田の周りにちびっ子が群がる。スクール生の人気者だ。誠実に、物事に対して正直に。そうして道を歩んできた藤田の会社での肩書きは東京本部渋谷統轄支社、主任。首都圏でも指折りの売れっ子営業マンという顔を持つ。
 心のずっとずっと奥に刻んでいるのは泣き虫先生、伏見工高・山口良治総監督の教えだ。
「人の期待に応えられる人間になりなさい」。生き様はそれに尽きる。仕事もラグビーも。
【the author BRAVO.K】
監督の目
監督 安藤 敬介
「格上相手でも後半の戦いがスタンダードにならなければ」
 フィジカルに差があり、前半は1対1で粘れても、かたまりになる場面で相手の圧力を受けてしまいました。後半はディフェンスの人数で上回る時間帯が多く、ある程度までは守れましたが、両CTBはびびってしまってパフォーマンスが悪く、80分間を通じて実力差以上にミスマッチとなっていました。格上相手でも、後半の戦いがスタンダードにならなければ。次はディビジョン1に復帰して初めての秩父宮のゲーム。積み上げたものを出せれば勝負できる。受けに回らずチャレンジャーとして戦います。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
副将 西川 匠
「1試合を通じて若い選手が熱を実感できたことが収穫」
 終わってみて、あんな大差で負けた感じがしなかったというのが率直な感想です。少しは熱を取り戻せたと思う。特にバックスは若いメンバーで1試合戦ったことで、自分たちで熱を実感できたことは収穫と思います。次節、3年ぶりに秩父宮でプレーできます。大学、社会人と当たり前のように戦っていましたが、日本代表が国際試合を行うグラウンドに立ってプレーできることは光栄なこと。みんな勝ちに飢えています。最高の舞台で、応援してくださる多くのみなさんの期待に応えたいです。
セコムラグビー部8:LO西川 匠
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