SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.1
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トップイーストリーグDiv.1 第3節

セコムラガッツ  8 東京ガス  60
開催日 2012年10月6日(日) キックオフ 13:00
天候 快晴/無風 開催地 東京ガス大森グラウンド
レフリー 小堀 英之(関東協会) 観客数 507人

生命線のロータックル崩壊、チームの熱はどこへ。“継続の申し子・ムカイ”が明日へつながるトライ!

セコムラグビー部1:SH向井選手
巧みな球さばきで非凡な才能を見せつけたSH向井康洋
【PHOTOGRAPHED BY Shinya Tanaka】
 後半39分。デビュー戦となったルーキーSH向井康洋が一瞬のスキを突いた。
「あの場面、感覚で動いたのでよく覚えてない」(向井)。相手ペナルティから速攻。左へ回すと見せて翻り、逆目の狭いスペースを潜った。とうに勝敗は決した、やられっ放しの試合終了間際に舞い込んだチーム今季初トライ。消えかけた蝋燭に灯りがともった。

 あの日、はたしてラガッツはラガッツたりえたか。事実、戦う前から勝機はきわめて低かった。力の差は歴然。それでも「どんな相手に対しても小細工はしない。堂々と勝負に出る」。試合前、安藤敬介監督は語気を強めたが、選手たちの胸の内に「仕合い」へ出陣する心は整えられていただろうか。

 序盤から足が動かない。プレーも腰高で反応が鈍く、思うようにタックルが刺さらない。対する東京ガスはFWが前に出てワイドに振る。シンプル・イズ・ベスト。あっさり先制を許すとラガッツは浮き足立った。基本プレーに忠実で、当たり前のことを当たり前にやってくる。それがこのリーグで足掛け10年間、常にトップ5に君臨してきた東京ガスの懐の深さだ。
 その後、ラガッツは敵陣でペナルティを得ると、タッチに蹴り出さずタップキックから仕掛ける。15分、WTB益子仁紀が抜け出しフォローしたCTB姫野拓也へ。トライかと思われたが、ラストパスがスローフォワードの判定。そこからは自陣に進入されるたびにスコアされる惨状となり、前半だけで大量6トライを献上した。

セコムラグビー部2:円陣
「下剋上」狙うしんがりからの出陣、ここから必ず巻き返す
 スポーツ選手として、選ばれて試合に出るメンバーとして、こんなことを書かれるのは屈辱だろう。恥ずべきことでしかない。だが勝負ごとの掟、あえて記す。
 闘志なき者、グラウンドを去れ。
「自陣のゴールラインを相手に割られる意味、そこだけは絶対に割らせないという意地、それがなかった」(FL藤田大吾)。
 ラガッツはゴール前の攻防であまりにも簡単にインゴールを明け渡した。攻められ続け、ボールをキープできない焦燥感。溜まったフラストレーションにチームは冷静さを欠いた。前半40分、ラックに執拗に絡んでくる相手選手を踏みつけたFL渡邉庸介にイエローカード。シンビンで10分間退場となり前半が終わった。

セコムラグビー部3:No.8西川副将
ゲームキャプテンとして先頭に立って引っ張るNo.8西川匠
 どのチームよりも時間がない。仕事はきつい。選手が集まれない。取り巻く環境は強化時代とは大きく異なる。だがそれを言い訳にしたら二流止まりだ。ぬるま湯を自己正当化した瞬間、セコムラガッツは存在価値を失う。
 練習時間が足りない、人が揃わない中での戦い方を熟知している男がいる。それが向井だ。青森県八戸市で生まれ育ち、高校からラグビーを始める。男ばかり3人兄弟の末っ子。「落ち着きがなくて、とにかく好奇心旺盛だった」やんちゃ小僧の関心事は、このときから楕円球だけに向けられた。天賦の素質はすぐに開花。東海大など関東の名門校から声が掛かったが、これらの誘いをすべて蹴って地元の東北学院大に進学。「弱いところで大学選手権をめざす道を選んだ。それが自分らしいかなと」(向井)。
“打倒・関東”に執念を燃やした4年間、そのチャレンジは簡単なものではなかった。1年時は大学選手権代表決定戦で拓殖大に完敗、2年時は北海道地区の代表に敗れ、代表決定戦にすら進めなかった。3年時には異例となる下級生での副キャプテン就任。東日本大震災で校舎は崩れ、グラウンドは地割れ、電気は止まり、隣県、福島の原発問題も重くのしかかった。
「正直練習どころじゃなかった。ラグビーは終わったと思った」(向井)。しかし2ヵ月後に集合したチームは研ぎ澄まされた集中力で遅れを取り戻し、昨年苦汁をなめた北海道大にリベンジ。代表決定戦で法政大に敗れたが、まげでらいねのド根性、東北魂は燦然と輝いた。

セコムラグビー部4:FL佐藤選手
FL佐藤雄太は豪快に激しくプレー、持ち味を出して暴れた
 大学最終学年での主将襲名は規定路線。だが部員はわずか29名。創部80周年を迎えた古豪も近年は極度の部員不足に悩まされていた。「合わせができない、練習相手もいない。そういう環境で関東の強い大学を倒すにはどうすればいいか。チームが熱を帯びるには何をしたらいいかずっと考えていましたね。だから去年のラガッツを見ていて他人事とは思えなかった」(向井)。
 そんな折、向井は忘れられない経験をする。昨年6月、助っ人に招集され、釜石シーウェイブスの一員として「北上ラグビーフェスティバル」に出場したのだ。豊田自動織機との招待試合、一緒にプレーした北の鉄人たちの姿に刺激を受けた。「強いチームのゲーム前の雰囲気に初めて触れたので。伊藤剛臣さんとかアップからガチンコですげえなと思ったし、一緒に居て気持ちがいいというか。好きな空気でした」。
 この試合、僅差で迎えた後半0分から出場した向井は、元ラガッツのSO小原義巧とHB団を組み、臆することなくプレー。テンポよく球をさばいてリズムを生み出し、釜石は31-12で快勝。大きな自信を手にした向井はこの年、東北学院大の長年の目標だった大学選手権出場にチームを導いた。

セコムラグビー部5:FL森選手
貪欲にアグレッシブに前へ出るルーキーFL森耕太郎の縦突進
 昨年11月24日、京都・西京極陸上競技場。大学4年間の集大成となる大学選手権ファーストステージ、朝日大戦。向井はこの試合で前十字靱帯損傷、全治10ヵ月の重傷を負い、学生生活を終えた。既にセコムへの内定を受けていたため、年末、早期復帰をめざしてラガッツのチームドクターが勤務する埼玉県内の病院でメスを入れた。
 年の瀬、初めて味わう大きなケガ、4時間に及んだオペ、見知らぬ土地でひとり不安な夜を過ごしていた向井。ふと窓の外を見て心が晴れた。「雪が降ってきた。埼玉も雪降るんだって」。東北を、友達や家族の顔を思い出すと嘘みたいに気持ちがはしゃいだ。
 明けて2013年元日、向井は冷たい病院のベッドで新年の鐘の音を聞いた──

 長いリハビリをやり遂げて、同じくケガからの復帰となる2年目のCTB秋葉友幸とともに公式戦初のメンバー入り。ベンチスタートとなったが後半9分、出番は訪れた。「やれるイメージはあったけど、試合勘もゼロで不安もあった」(向井)。与えられたミッションはボールの継続。「ずっとマイボールなら点は取られない。とにかく周りを見ながらさばこうと思った」。FWを動かし、バックスを走らせる。表も裏も狙って前にも走る。やはりラグビーというスポーツ、ゲームメーカーはSHだ。
 後半30分、FL渡邉が不行跡でこの日2枚目のイエローカードをもらい退場処分に。大きく点差が開き、さらに一人少ない状況となったが向井は最後まで楽しんだ。そして39分、待ちに待ったチーム初トライを奪い、規律が乱れ、荒れたゲームを修復。チームに一筋の希望をもたらした。

セコムラグビー部6:FB本郷選手
ゴールデンブーツFB本郷伸太郎の正確なキックも生かしたい
 ご挨拶代わりのトライでデビューを果たした向井。将来を口にした。
「オレがトップリーグに連れていく、とかチーム目標を口にできるのってすごい選手じゃなきゃできないことだし、自分には大きすぎる。だからいつも個人の目標を立てます。実はひとつ目標がありまして。セコムの歴史で一番のハーフになりたい。これから何年もずっと試合に出続けて、セコムといえばこいつだみたいなのって。かっこいいですよね」。
 かつては不動のSH小池善行(現・ヤマハ発動機ジュビロ)がいた。トップリーグ時代、小池としのぎを削った大野達也氏もいた。やがてその番号は7人制日本代表の主将を務めた鈴木貴士(現・クボタスピアーズ)に引き継がれ、樋口勝也氏、そしていまもトップで活躍する神尾卓志(現・リコーブラックラムズ)や田原章太郎(現・豊田自動織機シャトルズ)が背負った番号。ラガッツの「背番号9」の系譜だ。
 春に芽吹いたつくしのように、ずっとうずうずしていた。童顔だがキラキラした瞳の奥には鋭い光が見え隠れする。ようやくつかんだチャンス、振り返ればそこに向井がいた。
【the author BRAVO.K】
監督の目
監督 安藤 敬介
「選手たちに勝つ、勝てるのイメージを持たせられなかった」
 タックルの決定率が前節よりかなり下がってしまったのが、結果的に大量失点につながりました。外国人選手の懐に踏みこめず、飛び込んだタックルが目立ち、簡単にブレイクを許した。選手たちに勝つ、勝てる、のイメージを持たせられなかったことが問題です。(セコムでデビュー戦となった)向井、秋葉の二人は長期離脱から上手く復帰してくれました。秋田ノーザンブレッツ戦では積み上げてきたものを精度高く。相手も「セコムだけには」と思っているので、受けに回らないようにしたいです。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
副将 西川 匠
「もう負けられない危機感を共通認識にして練習に励む」
 自分たちが単純に弱かった。チームとしても、ラグビー選手としても。甘さと脆さが出た試合でした。やることは明確だったのにバラバラでした。チームとしての前に、個人の気持ちを高める必要があります。勝つために何をすべきかを考え、それを実行できれば自然と試合に向けての雰囲気は上がる。これを若手に伝えていくのがリーダーやベテランの役割。秋田遠征では、強化中止1年目のリーグ戦で悔しい思いもしていますし「もう負けられない」という危機感を共通認識にして練習に臨みます。
セコムラグビー部8:LO西川 匠
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