SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.2
2012-2013

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トップイーストリーグDiv.2 最終節

セコムラガッツ  29 サントリーフーズサンデルフィス  10
開催日 2012年12月2日(日) キックオフ 13:00
天候 曇り/微風 開催地 セコムラグビーフィールド
レフリー 久米村 貴三(関東協会) 観客数 329人

どこまでも純で簡潔な強さ。ラストは笑顔のベストゲーム.ベテランから若手へ託される継承、来季へ届け!この想い

セコムラグビー部1:LO沢口選手
大ベテランのLO沢口高正、アラフォーの傷んだ心身にムチ打ってグラウンドに立つ
【PHOTOGRAPHED BY YUKA SHIGA】
 中年サラリーマンの哀愁が漂う。スーツに身を包んだ188cmの長身。人ごみですまなそうに肩をすくめる広い背中。職場では感染症予防のマスクで顔面を覆い、度の強いメガネの奥からは腫れぼったい眼がふたつ並んでいる。「いつも眠い。試合の次の日は体じゅうが痛くて。もうさ、疲れが全然取れないんだ」。痔の手術をしたのは15年前。沢口高正、今年39歳になった。
「負けるかもしんねぇな」。最終戦前日の練習、チームに蔓延する危険に沢口はいち早く気づいていた。監督の安藤敬介が、ベテランの渡邉庸介がどこか浮ついた空気を変えようと声を荒らげ、何度も練習の手を止めては精神を注入する。沢口は思った。オレも何か言おうか。いつも試合中にFWを締めている自分が言うべきであることはわかっていた。だが、やめた。そして「負けたら負けた、だな」とそんなことを思った。
 11月、ブルーシャークス、明治安田生命との全勝対決の激闘を制したラガッツ。最終戦、サントリーフーズを破ればリーグ優勝が決まる。しかしこれまでとは明らかに選手たちの様子が違った。タックルの連携ミス、パスミス、ミスキック、不用意なペナルティ。前半17分、ようやくモールを押し込みHO吉田竜二のトライで先制するも、27分にはフーズにお株を奪われるドライビングモールで同点トライを許す。その後も決定的なピンチが続くなど、今季7戦目で初めてリードを奪えぬまま前半を終了した。
「技術云々以前の問題。戦う気持ちで負けている。こんな弱いチームが来年Div.1でやれるのか?また全敗して戻ってくるつもりか」。ハーフタイム、勢いや激しさで後手に回る選手たちを「喧嘩で勝ってこい」と強い口調で突き放した安藤監督。目の色を変えてグラウンドに出ていったメンバーだが、一度狂った歯車は元に戻らない。「おかしな雰囲気を断ち切ろうと、それぞれが気持ちを入れることばかりに意識がいき、試合に集中できないことに焦りが出て、プレーが疎かになるという悪循環」(FL藤田大吾)。
セコムラグビー部2:No.8西川選手
幾度も攻撃の基点を作ったゲームキャプテンのNo.8西川匠
セコムラグビー部3:SH池田健選手
SH池田健斗がラインに残ってリーグ6本目のトライを記録
 後半12分、SH池田健斗のトライで勝ち越すも23分に1トライを返され12−10。この日の狭山は最高気温6度、凍てつく寒さで身も心も震え上がるような際どい試合展開。この局面を打開したのがリーグ最年長プレーヤーの沢口だった。崩壊しかけたディフェンスの穴をすっと埋め、相手キックの落下地点にすばやく駆け寄ると確実にボールをキープ。キッカーには激しくチャージダウンを狙い、他の選手が見落としがちな場面でプレッシャーをかけ続けた。
 決して目立たないが勝負どころを逃がさないのが老獪なベテランの為せる業。老体にムチ打った甲斐もありラガッツは31分、No.8西川匠が相手のキックミスに働きかけてトライ。38、41分にもWTB益子仁紀が連続トライで突き放し、なんともじれったいゲーム。最後はスコア29−10と地力の差を見せつけ、粘るフーズの壁をラスト10分で決壊させた──
 沢口がセコムにやってきたのは1999年。前所属企業の倒産に伴う移籍だった。大学生の頃から関東代表、日本A代表に選ばれてきたエリート。出身は茨城県、常総学院高から大東文化大へ。シティボーイの香りこそしないが、当時のチームメートでジャカルタ在住の北真樹氏が「オレや荒川(泰・現シニアディレクター)みたいな田舎くさいロックしかいなかったセコムに、突如現れた“都会のロック”」と話すほど、沢口の加入はチームに大きな衝撃を与えた。
 以来、常にチームの中枢だった。洗練されたジェネラルプレーの高さ、とりわけラインアウトの技術は秀逸で入部当初からリーダー的存在となる。自身がキャリアの目標に定めていた日本代表にも選ばれ、2002年アジア大会決勝の韓国戦で日の丸を背負った。「やっぱり試合前の君が代を聞いたときは‥熱くなった」(沢口)。
 とにかく試合中の自己主張は激しい。いつぞやの試合。緊迫した場面でラインアウトに並ぶ相手選手が「あのノッポだけマークしとけよ」の発言に「あっノッポじゃなくて、オレは沢口って言うの。よろしく」。黙ってなどいられない。39歳になったいまでも相手選手やレフリーとやり合う。血気盛んなわけでなく、ここには敵を苛立たせる心理戦の含みが備わる。「こんなおっさんでもガツガツ言ってくるってわかれば、相手は嫌なもんでしょ」。
 いちいち、いつだって愛が溢れる。チームメートが不用意なプレーでシンビン(10分間退場)になったとき。「なにしてんだよ、お前は」と吐き捨てた味方選手に「なんでそんなこと言うの。仲間だろ。アイツが戻ってくるまでがんばろうよ」。OBの一人は云う。「監督やコーチなんかよりサワさんに教わったことの方が多い」。
セコムラグビー部4:FL藤田選手
運動量ならチームトップのFL藤田大吾、さらなる上昇狙う
セコムラグビー部5:WTB益子選手
新人王当確? WTB益子仁紀が5戦連続となる圧巻のトライ
 そんな沢口にも下り坂は訪れる。2007年、34歳になり、練習もきつくなってきた。「そろそろだなという気持ちがあった。でもチームをトップリーグに上げて終わりにしたかった」(沢口)。そんな折、ふいに肩を叩かれた。青天の霹靂、戦力外通告。チーム若返りの方針を伝えられ、長年の功労者は社業専念を言い渡された。
 翌シーズン、沢口は試合を一度も目にしなかった。正確には見に行けなかった。「現役選手のこだわりっていうか。オレはまだやれたって気持ちと、でも練習きつかっただろっていう事実と。その葛藤で行きたくなかった」。
 しかし未来はわからないものだ。このドラマには続きが用意されていた。その年のオフ、強化中止となったラガッツは選手が16名にまで激減。安藤や渡邉から「リーグ戦に出たいから力を貸してほしい」と懇願され、沢口は2年ぶりの現役復帰を決意する。「責任なんて言ったらおこがましい。でも自分がずっと中心でやってきてトップリーグ降格、また降格だったから。何かできることがあればと思って」(沢口)。  あれから4年、恩返しの助っ人ぐらいのつもりで復帰したのに、やっぱりFWの中心にいる。ここ最近は肉体疲労がピークを迎えるリーグ戦終盤において、奇跡の2試合連続フル出場。「正直言ってさ。きちぃーよ」。
「年齢はもちろん、一度引退してからカムバックしてくれた。社内でのキャリアとか引退後のビジョン、いろいろなことを飲み込んで、いま同じフィールドに立ってくれているわけで。本当にラガッツにとって偉大な人。感謝という言葉がチープになるほど。サワさんの気持ちを思うだけで熱くなる」(安藤監督)。
セコムラグビー部5:山賀敦之と沢口
山賀敦之と沢口。セコムラグビー部の今昔を知る生き字引き
 仕事とラグビーの両立を掲げるラガッツで、沢口はその先頭をいく存在。オン・オフの切り替えに長け、柔軟性に富み、監督やメンバーが代われど、常に必要とされ、すべてのチームメートから慕われる。人柄に根ざした、慕う人のプレーや言葉だから、どんな相手にもたしかなものとしてしっかり響く。
 たまの休みは部屋で独り、あぶった烏賊を肴に酒をすする。歯ごたえのあるスルメを噛みしめながら思うのは、いまの若者の物足りなさ。その反面で「経験を重ねて、痛い目にあわないとなかなか自分では気づかないものだからね」とその表情は慈愛に満ちた。
 学校出てから十余年。後輩たちの凸凹な個性を、さらに強烈な個性でねじ伏せてきた沢口だからこそのメッセージがある。没個性の現代人諸君へ。
「いい子すぎるよね。練習で喧嘩するヤツもいないし。みんな当たり障りなく。それが輪だなんて思っているなら大間違い。自己主張の強いヤツって時にマイナスにもなるけど、なるべくして中心になる。周りにどう思われようが関係ないし、うちの連中はちゃんと聞く耳持てるヤツら。だからさ、若い世代でガーッと来て欲しいんだよね。サラリーマン稼業なんて、毎日上司に小突かれて、お得意先に頭下げて。謝ってばっかりでしょ。ラグビーはいつだって一番自分を表現できる場所なんだから」。
【the author BRAVO.K】
リーグ全勝優勝を飾ったラガッツ、Div.1昇格へ意気込みも新たに16日、日本IBM戦に懸ける
セコムラグビー部6:リーグ全勝優勝を飾ったラガッツ
監督の目
監督 安藤 敬介
「IBM戦は来季以降へのエポックメイキングなゲームに」
 プレーオフを前にチームにスパークみたいなものが欲しくてSOに松本聖を起用しました。彼は戦術理解度が高くラインを押し出せる選手。結果として悪くなかった。いくつか自分でブレイクにチャレンジし、いいチームアタックを呼べる状況判断もあった。次戦16日、日本IBM戦はラガッツにとってONE SHOTゲーム。来季以降のエポックメイキングなゲームになることは間違いない。95%は我慢の一日になると思うので、我慢して我慢して、我慢しきってからアグレッシブに攻めたいです。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
CTB 今村 六十
「次は勝つしかない!Div.1に上がるためにやってきた」
 昨シーズン3勝に終わったリーグで7戦全勝優勝。結果だけ見ればよかったと思います。ただ「初めて喧嘩に負けた」と監督にも言われ、キャプテンとして自分にできることがあったと反省しています。若い選手の多いバックスが元気にチームを引っ張るイメージですが、リーグ戦はずっとFWにおんぶに抱っこで助けられてばかりでした。練習で意識付けをして改善していくしかない。最後の2試合は、勝たなきゃいけないし、勝つしかない。Div.1に上がるために今年1年間やってきたので。
セコムラグビー部8:CTB今村 六十
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