SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.2
2012-2013

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トップイーストリーグDiv.2 第5節

セコムラガッツ  27 ブルーシャークス  24
開催日 2012年11月11日(日) キックオフ 13:00
天候 曇り/微風 開催地 セコムラグビーフィールド
レフリー 田崎 富(関東協会) 観客数 234人

ヒヤヒヤ後半逆転の勝利も4年ぶり開幕白星発進


若いチームはオレが引っ張る!吉田竜二がFW牽引

セコムラグビー部1:CTB今村主将
CTB今村六十主将の激しいプレーはラガッツそのもの
【PHOTOGRAPHED BY YUKA SHIGA】
セコムラグビー部2:WTB石橋選手
安藤敬介監督の要求にしっかり答えを出すWTB石橋秀基
 天高く馬肥ゆる秋──。11月11日、ラガッツはブルーシャークスとの大一番を迎えた。決戦に似つかわしくない、あいにくの雨予報も、朝から天空を覆う分厚い雲は雨粒を零すことなく空を押し上げていた。
 東北の空は何色だろうか。試合前、石橋秀基はそんなことを考えていた。そして「ばぁちゃん、試合見に来てくれないかな」と、現実的でないことを思ったりもした。
 前半から双方、意地と魂がぶつかり合う激闘。開始10分、敵陣ゴール前で攻め続けたラガッツが先制機を逃すと、すかさずブルーシャークスはペナルティからの速攻で元ラガッツ、セコムアルファ(株)所属のCTB松田耕記がトライを奪う。負けじとラガッツも20分、SH池田健斗が一瞬の隙を突いてトライ。その後も一進一退の攻防は続き、5−7と2点のビハインドで迎えた前半ロスタイム。珍しいプレーが生まれる。
 ラストワンプレーで自陣から仕掛けたラガッツはCTB小野木匠が相手の背後に蹴り、WTB益子仁紀を走らせる。イチかバチかのプレー。しかし相手に蹴り出されハーフタイムかと思われた瞬間。諦めずに楕円球を追い続けたHO吉田竜二が相手の気の緩みを見逃さなかった。「いけると思った。リードされて折り返すのは嫌やったし」(吉田)。クイックでボールを投げ入れると、小野木が転がるボールを拾い上げ無人のインゴールへ。トライが認められ、思わぬ形で逆転に成功し前半を終えた。
セコムラグビー部3:LO丸山選手
最後まで体を張ったLO丸山隆正は今季2度目のMOMを受賞
 5点差の接戦。再びグラウンドへ出ていく両チームの選手たち。その道すがら相手の“背番号11”は対面の石橋本人にわざと聞こえるような大きな声で、味方選手に向かって宣言した。「オレのトイメン、余裕で行けるからどんどんボール回して」。
 火がついた。イラっときた。ハラワタが煮えくり返り「絶対につぶしてやろうと思った」(石橋)。この日、安藤敬介監督から「ストップ・ザ・エース」の任を与えられていた石橋。開幕からの背番号11をあえてそのままに、右WTB(本来は14番)のポジションに入っていた。昨年までFBでの出場が多かった石橋は意外にも11番への憧憬を口にする。「11番はずっと欲しかった番号。オレにとってエースナンバーの象徴。起源?そりゃあジョナ・ロムー(元オールブラックスのスーパースター)へのリスペクトから」。
 トップリーグ時代からチームのトライゲッターとして鳴らした点取り屋にも、寄る年波。スピードも落ち、昨今は7人制日本代表の加藤祐太と比較され、元エースというレッテルを貼られることもしばしば。「あいつはもう無理、そろそろ潮時、スタイルが古い・・そう言われていい気はしない。嫌で仕方なかった」。しかし、そんな石橋を追い込んでいたのは、年齢による勤続疲労だけではなかった。
セコムラグビー部4:LO沢口選手
追撃のトライを奪った池田健斗を決め顔で迎えるLO沢口高正
セコムラグビー部5:HO吉田選手
HO吉田竜二は自らの2トライを含む、3トライに絡む大活躍
セコムラグビー部6:FB加藤選手
相手にとって脅威だったFB加藤祐太のランをフォローする石橋
 昨年の東日本大震災。女川出身の石橋は大切な家族、大変な数の仲間を津波で失った。幾度も石巻へ足を運び、そのたびに心が塞いだ。営業職なのにお客さんと話していてもうまく表情が作れない。夜中に何度も目が覚めて飛び起きる。ある日、営業先で世間話をしていた相手は精神科医。屈託ない表情で近況を話す石橋に、医師はこう告げた。「キミ、それはPTSDという病気だよ」。
 PTSD=心的外傷後ストレス障害。知らず知らずのうちに未曾有の震災は、石橋を内側から破壊してしまった。いまも届く訃報。あの人が見つかった・・あの人が亡くなっていた。行方不明のまま葬儀をあげた祖母の写真は変わらず食卓の上に飾ってある。たまに夢でも会う。「早く見つかってほしいと思う半面、まだどこかで生きているんじゃないかって。見つかって死んだことを受け入れなきゃいけない、その整理ができない」(石橋)。
 だが、石橋はすべてを乗り越えた。いまも現役を続けるそのプレーに刺激を受ける地元の友人、かつての仲間。グラウンドに立てばあの日のことは関係ない。今季は開幕から絶好調のキレ味、33歳にしてフィットネスの数値は上がり続ける。
 後半、ボールを持って勝負を挑んでくる「背番号11」に石橋は渾身のタックルを浴びせ、完璧にシャットアウトして見せた。チームも4分、16分とモールを押し込みHO吉田が連続トライ。22−7とリードを広げる。再び5点差にまで追い上げられた30分にはFL渡邉庸介が好判断を見せ、WTB益子が値千金のトライ。それでも粘るブルーシャークスはしぶとくトライを重ね3点差に迫る。そしてロスタイム、行き詰る攻防となったが、最後は勝ちたい執念で上回ったラガッツがボールを奪い返し歓喜のノーサイド。全勝を守り、優勝へ大きく前進する勝ち星を手にした。
「一試合一試合を大切に、今年は特別な思いをもって試合に臨んでいる。地元のため、チームのために燃え尽きようと。来年のことは何も考えていない」(石橋)。
 一抹の不安を覚え、反射的に問う。「それは今季限りの引退を意味するものでは?」と。答えはすぐに返ってきた。「先のことは終わってからゆっくり考えたらいい。でも、志半ばでこの世を去った仲間もいる。やれるところまではやらなきゃいけないなと。そういう気持ちはある」(石橋)。
 試合が終わったと同時に堰を切ったように降り出す雨。じっと我慢していたかのような激しい降りを見ていると、誰かが押さえていてくれたのだろうか。そんな感傷さえ覚えては胸がいっぱいになる。
 石橋秀基が果たそうとしている真の復興、そのゴールはまだずっと先にあるのかもしれない。ラガッツに生きとし生ける者は強き儚い戦士ばかり。泣きたい時はビートルズの「In My Life」でも聴きながら郷愁に浸ればいい。流れる雲、果てのない道。悲しみにはもう負けない。
【the author BRAVO.K】
監督の目
監督 安藤 敬介
「勝因は、完勝だったスクラムとブレイクダウン」
 最後は僅差の戦いとなりましたが、全勝対決を制した、この勝利の意味は大きい。勝因はスクラムとブレイクダウンで完勝したことです。中盤まではシナリオ通りのゲーム展開でしたが、せっかくのいい流れを選手交代による自分の采配ミスで失ってしまいました。ディフェンスにおいては、ちょっとした判断の悪さでビッグゲインを許す形になってしまったのが課題。強敵相手に競ったゲームは初めてだったので、いい勉強になりました。次も特別な準備はせず、積み上げてきた強みで勝負します。
セコムラグビー部7:安藤監督
マンオブザマッチ
CTB 今村 六十
「次も全勝の明治安田生命戦、昨年の借りは返す」
 上手く敵陣に入り、FWがスクラムとモールで圧倒してくれたので、そこからトライも生まれ、相手FWの体力を削ることができました。終盤3点差に迫られた場面では、やってきたディフェンスを意識すること、もう一度基本的なプレーをしっかりやること、絶対に勝つと言うことを再確認しました。次は今シーズン初めてのアウェーの試合で、相手も勝てば優勝が見えてくる大事な試合だけに、死に物狂いでくるはずです。気持ちでは絶対に負けませんし、昨年の借りは絶対に返します。
セコムラグビー部8:CTB今村 六十
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