SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグDiv.2
2011-2012

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観戦記

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トップイーストリーグDiv.2 第5節

セコムラガッツ  10 ヤクルトレビンズ  14
開催日 2011年11月20日(日) キックオフ 13:00
天候 晴れ/弱風 開催地 セコムラグビーフィールド
レフリー 松井 暢彦(関東協会) 観客数 120人

スタメン復帰の樋口勝也、秘めた闘志で躍動2トライも
生き残りかけた終盤の激闘実らずラガッツ力尽きる

セコムラグビー部1:No.8渡邉監督兼任
No.8渡邉庸介監督兼任の突進、届かなかった思い
【PHOTOGRAPHED BY KUZU】
 口の中で青唐辛子の味がした。
 そんな感覚を覚えた。熱気と冷気が入り混じる試合前のロッカールーム、ウォーミングアップに向かう選手たちの表情にはすがすがしい厳しさがあった。
 残り2戦、チームのベクトルが一つを向いた。自力での入替戦進出のためにはボーナスポイント獲得が必須。「4トライ以上取り、なおかつ点差を離して勝つ。これをヤクルト戦、サントリーフーズ戦と続ける」(升本草原キャプテン)。ここまでタブー視していたトライありきのゲームプラン。リスキーかつ、下手すれば勝ち試合をひっくり返される危険もはらむ。
 それでもここまで来たらやるしかない。攻め続ける。ゆえにどこまで持つか。ゲーム途中で足が止まれば終わりだ。最後の舵を切ったラガッツの戦い。骨折から3試合ぶりのスタメン復帰となるSH樋口勝也は静かな闘志を胸にたたえ、丹念に指のテーピングを巻いていた。樋口には目に焼きついて離れない光景がある。
──2011年1月16日、八王子上柚木公園陸上競技場。つまり昨シーズンの最終戦。2年連続入替戦でヤクルトを下し、シーズンを白星で締めくくったラガッツ。接戦を制し、安堵の表情を浮かべるラガッツの選手たちの脇で、グラウンドに突っ伏して悔しがる相手選手がいた。 「なんでセコムなんかに負けるんだよ!」。その選手は目にいっぱいの涙をため、悔しさに震えていた。「あれではっきりした。自分たちは絶対に勝たないといけない試合、いけない相手だと思っていた。でも、実際はそこまでに見られていたんだなと。まして今季のラガッツは2敗、確実に食いにかかってくるはず。そんな風に思われて黙っていられるはずがない」(樋口)。
 もはや“かつてトップリーグにいたセコムラガッツ”という面影はない。“今のセコムになら”。そう思ってどのチームも襲い掛かってくる。FWリーダーの西川匠も似たような経験をしていた。「試合中、名前も知らないような選手から『かかってこいよ』と挑発を受けたことがあった。ヤクルトとは春も合同練習を行い、ビデオを回されている。ラガッツのラグビーはおそらく徹底的に分析されているはず。それでもそれに打ち勝つ力がなければ」(西川)。
セコムラグビー部2:樋口選手
スタメン復帰で2トライを奪い執念を見せたSH樋口勝也
セコムラグビー部3:池田裕選手
見せ場は多く攻撃の基点となったWTB池田裕道のラン
 生き残り、そしてチームのプライドをかけた戦いの火ぶたは切って落とされる。風上の前半、ラガッツは自陣深くではキックを使いながらも中盤から敵陣に入ると積極的にボールを動かし、相手ゴールを脅かす。相手のウィークポイントと踏んだ部分をしつこく付いてワイドにボールを展開。池田裕道、石橋秀基の両WTB、さらにトライゲッターのFB加藤祐太のオーバーラップから幾度もチャンスを作る。13分、FWが前に出て崩れた相手ラインのギャップを逃さず、SH樋口が鮮やかにサイドを駆け抜けて先制トライ。幸先のよいスタートを切った。
 しかし20分、ミスから相手FWに走られ同点トライを許すと直後のキックオフ。「完全に自分のコミュニケーション不足。あれでゲームをぶち壊してしまった」(CTB姫野拓也)。ディフェンスラインに一瞬のほころびが生まれ、ど真ん中を破られる。痛恨の連続トライ。5−14と試合をひっくり返されてしまう。36分にはFB加藤がインゴールに飛び込むも、ボールが手から離れノックオン。結局、点差を縮められぬまま前半を終えた。
セコムラグビー部4:FB加藤選手
快足FB加藤祐太がインゴールに飛び込むもノックオン
セコムラグビー部5:FL藤田選手
強靭なスタミナと体のバネで走り続けたFL藤田大吾
 あとがないラガッツ。後半さらにひたむきに前に出る。FWは接点を制圧し、バックスも相手ディンフェンス網をかき乱していた。「なにひとつ相手に劣っている部分はない。残りたったの40分、これまでやってきた努力を無駄にするな!」(渡邉庸介監督兼任)。
「後半、最初の10分で1トライ取るぞ!」。升本キャプテンの声に呼応した選手たちは後半の立ち上がり、敵陣深くに攻め込むと優位に立つFW陣がガツガツと鈍い音を立てながら相手にぶち当たる。骨のきしむような肉弾戦を繰り広げながら、じりじりと前へ。後半8分、再びSH樋口がサイドをもぐりトライ。その差を4点とする。
 その後もラガッツの激しく、痛い突進の前に、ヤクルトの選手は次々とグラウンドに倒れこむ。負傷、交代につぐ交代。ついには本来のポジションではない選手が別のポジションに入るなど俄然、試合の流れはラガッツに傾く。セットプレーでは相手ボールのスクラムをめくりあげて奪い取り、相手を自陣に釘付けにして猛攻を浴びせた。
 FW・バックスが一体となり、しゃにむに前に出るラガッツ。全身全霊をかけた突進を見せるルーキーLO立道裕昭は体をぶつけ、一歩でも、半歩でも前に出ながら、徐々に相手の圧力が弱まっていくのを感じていた。そして試合終盤、相手FWの選手が思わず呟く声を聞いた。「・・もうイヤだ」。
セコムラグビー部6:ラガッツ
来季Div.1昇格への道が完全に閉ざされたラガッツ
 だが、どうしても届かないゴールライン。試合序盤から取れないラインアウトが、最後の最後まで攻撃のリズムを狂わせる。試合はロスタイムに突入。4トライには届かなくても勝ちさえすれば昇格の可能性は残る。
 逆転トライを狙い、最後の力を振り絞る選手たち。もう動かない足をひきずってポイントへ走るPR山賀敦之、地面に転がったイーブンボールに頭から飛び込んでセービングするCTB今村六十。ゴール前でのラスト数分間は、見る者すべての時間を忘れさせる壮絶な光景と化す。
 刹那、試合が止まった。ラガッツの逆転トライの夢を乗せて放られたパスは無情にもスローフォワードのジャッジ。レフリーがチラッと時計を見る。そして、口元に笛を当てた。グラウンドに崩れ落ちる選手たち。セコムラガッツの来季Div.1昇格の道が完全に閉ざされたことを告げるホイッスルが、寒風吹きすさぶ狭山の空にもの悲しく響きわたった──。起き上がれない選手の肩を叩き、チーム最年長の沢口高正が「挨拶いこう、最後までちゃんとやろう」とうながし整列をさせる。
 こんなにも早く、短すぎた今シーズンの挑戦は終わった。
 試合から一夜明けて、バックスリーダーの今村。
「1年間やってきた目標に届かなかった。これが現実、実力と受け止めている。悔しいけど良かった部分、悪かった部分、来季の課題をしっかり考えたい。それがチームの力になると信じて。まずは自分自身に矢印を向けて、最終戦、心も身体も最高の準備を。これぞラガッツという試合をして笑顔で締めくくりたい」。
 Fly High!いざ2011年の戦いおさめ。心をひとつに、すべてを出し切り。ラガッツは勝って強くなる。
【the author BRAVO.K】
監督の目
No.8 渡邉 庸介
「チャンスでのミス響いた、ラインアウトが誤算」
 4トライ以上取っての勝利をめざし、時間帯を問わず敵陣で戦うこととゴール前はFWで崩すという部分を意識しました。やるべきことは徹底されていて、いいゲーム運びができたと思いますが、チャンスでミスをし、ゴール前で人数が余っている時にバックスでトライを取れなかったのが悔やまれます。あれだけ敵陣で勝負したのに逆転することができなかった。敗因はチャンスでのミスとセットプレー。スクラムはいい出来でしたが、ラインアウトが完璧に押さえ込まれたのは誤算でした。
セコムラグビー部7:渡邊監督
マンオブザマッチ
SO 升本 草原
「成長のために、最終戦は全員で勝利を奪いにいく」
 チームとしての目標だった、Div.1昇格という可能性は消え、最終戦を迎えるのは本意ではありません。正直悔しい気持ちでいっぱいです。ただこれからやれること、やるべきことはたった一つです。12月4日、サントリーフーズ戦の80分間にすべてを出しにいきます。今季、勝った試合からも負けた試合からも多くのことを学び、時に失敗もしながら成長してきました。ただ、勝つことでしか得られないことがあります。待っていては、勝利は来ない。自分たちで勝利を奪いに行きます。
セコムラグビー部8:SO升本草原
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