SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグ
2010-2011

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昇降格順位決定戦2回戦

セコムラガッツ  18 ヤクルト  6
開催日 2011年1月16日(日) キックオフ 14:00
天候 晴れ/強風 開催地 八王子上柚木公園陸上競技場
レフリー 鈴木 正史(関東協会) 観客数 200人

〜ONE TEAM VS ONE HEART〜 強いのはどちらの「ONE」か。救世主・岡本信児が監督退場の危機救い、地元開幕戦勝利に貢献

セコムラグビー部1:渡邉監督兼任
どこまでも体を張る渡邉庸介監督兼任にリーダーの存在感
【PHOTOGRAPHED BY YUKA SHIGA】
 後半35分、敵陣ゴール前5mで迎えた相手ボールのスクラム。リードはわずか7点。気高い8人の戦士たちは闘争のかたまりとなって前へ出た。
「全員勝負かけろ。ここ1本、押し切って絶対取るぞ」(PR山賀敦之)。土壇場での底力は、無限の重力となって一瞬にして相手をめくり上げた。つんのめり顔から突っ伏しても、楕円球を奪うことに身を捧げる献身。
 短くレフリーの笛が吹かれ、セコムボールがジャッジされると、スタメン出場を終え全身から白い湯気を立ち上らせながらベンチに戻ってきた岡本信児は、安堵の表情を浮かべた。「これが今シーズンの答えなのか」。そして、あらためてラガッツの選手たちの心の強さが、変わらないこの雰囲気が好きだと思った──
 2009年6月、狭山。スクラムハーフ不在というチーム存続の危機に、OBの宮澤永将が帰ってきた。7年ぶりの現役復帰。新たなチャレンジに胸を躍らせながらも、グラウンドに並ぶ顔ぶれを見た宮澤の心は曇った。「なんだ、岡本さんはもういないのか・・・」。
 宮澤にとって岡本は日体大の2年先輩にあたる。しかし大学、社会人を通じて同じ試合に出場することは叶わなかった。「復帰して一番残念だったのが、岡本さんが引退していたこと。一緒にプレーしたい気持ちが強かった。同じジャージーを着て、真剣にプレーするチャンスは今しかないと。二人とも30歳を過ぎていたし」。
セコムラグビー部2:姫野選手
自らの工夫と努力で磨き上げる姫野拓也の巧みな技術
セコムラグビー部3:丸山選手
迷ったら激しく前へ、丸山隆正にはそれが最良の処方箋
セコムラグビー部4:石橋選手
何度も倒れ込みながら最後までグラウンドに立った石橋秀基
 さかのぼること2ヶ月前、岡本は8年間の現役生活にピリオドを打っていた。「体力的にも限界を迎え、引退を決意しました。充実したラグビー人生を送ることができたのも皆様の応援、サポート、ご理解あってのことと心から感謝しております」。関係者に宛てたE-mailの送信ボタンを押して、心に整理をつけた。そして、もう二度とラガッツのジャージーを着ることはないと思った。
 岡本は2001年、セコムに中途採用で入社。ラガッツがトップリーグへと駆け上がる激動期に小柄ながらもレギュラーを獲得、チームに欠かせない存在として活躍した。「生真面目な性格そのままに、地道で素直なプレーができる。かゆいところに手が届く、常に体を張って人が嫌がる仕事を率先してやれる選手だった」(沢口高正)。
 社業に専念することになった岡本を営業マンとしての戦いが待っていた。この年34歳、「一般の新卒ならば11年目。社会人としてのギャップを埋め、超えていくにはラグビー同様、人の数倍の努力が必要と思い、3年で追いつく決心をした」(岡本)。分からないことだらけの苦しい日々、必死に取り組んだ。それでも、ラグビーで得られた達成感はなかなか味わえないことも知った。
 この年、つまり昨シーズン。かつての仲間は強化中止になっても、前年同様トップイーストに参戦した。引退後の岡本は、休日はクラブチームの曼荼羅でプレーしていたが、時間に都合がつけばラガッツの試合を見に出掛けた。選手たちの姿に、声に、たちまち心が震え出し、食い入るように見つめた。「自主活動のラガッツは本当にすごくて、とても自分には真似できないと思った。そこにいない自分が裏切っているような気持ちになって、試合を見るのがつらく感じた」(岡本)。その反面、自分の体の中で熱がくすぶっていることを感じていた。同期渡邉庸介や長井達哉の奮闘は刺激になった。自分の知っているラガッツは、何も変わらず目の前に存在していた。
 そして今春、社内報で選手公募の報を目にした。最終的にはオープン戦を見に行き、大学の後輩からの熱い誘いが引き金になった。部の存続を願い、その夜、家族に思いのたけを打ち明けた。「もう一度ラガッツでやりたい」。岡本が家族の理解を得られたちょうどその時、ケータイが鳴った。宮澤からの電話だった──
セコムラグビー部5:岡本選手
岡本信児のプレーは信義と自愛溢る、実直さは唯一無二
セコムラグビー部6:今村選手
鋭利に尖る今村六十のラン、鍛錬を重ねたスピリットがいい
 2011年1月16日、上柚木。酷寒の中で迎えた最終戦。岡本は6試合ぶりにスタメンに名を連ねた。復帰1年目はケガもあり、リーグ戦出場は3試合にとどまった。チームはトップイーストで3勝8敗、昨季1勝に終わった現状を考えれば少しは成長の跡も見られたが、順位は変わらず11位。リーグ再編のあおりを受け、来季は新設されるDiv.2に回ることになりそうだ。
 最終戦の相手は今季、関東社会人1部リーグで全勝優勝、公式戦無敗と勢いに乗るヤクルト。前半、風上に立ったラガッツはFB石橋秀基が起点となって敵陣に攻め込み15分、22分とSO升本草原のPGで着実にスコアしていく。だが「前半から積極的に勝負して流れをつかみにいった。もう少し点差を離して、楽に試合を進められると思ったが、キックを使うエリアマネジメントや、ボールを動かす目の選択が悪かった。結果的にグラウンドを広く使えずにターンオーバーされたり、トライを取りきれない場面が多かった」(高根修平キャプテン)。
 前半38分、CTB姫野拓也がようやく最初のトライを決めるもスコアは13−0。後半、強風下に立たされることを考えれば、リードはないに等しかった。
「シーズンの最初は、このメンツでどうして勝てないのか不思議だった。でも段々これがラガッツの実力なんだと認識していった。結構、理解するのに時間がかかった」(岡本)。アスリートとしての肉体を維持し、鍛え上げる時間の捻出、団体競技なのに選手全員がグラウンドに揃わない現状は、想像以上に難しさを痛感した。
セコムラグビー部7:高根キャプテン
高根修平キャプテンの爆発的な瞬発力がゲームを動かす
セコムラグビー部8:加藤選手
“韋駄天”加藤祐太は今季チーム最多タイの6トライをマーク
 後半、ラガッツは防戦一方となる。じわじわと圧力を受け、2本のPGで13−6。1トライ1ゴール差(7点)のままでゲームは終盤戦に突入する。それでも「負けられないというプレッシャーはなかった。今季は大敗することも多くて、上位陣との対戦では実力差を感じることもあったけど、『ONE TEAM』という面ではどのチームよりも圧倒的に勝っている自負があった。これこそが新生ラガッツの生命線。だからいかなる試練も力を合わせれば乗り越えられると」(高根キャプテン)。
 そして冒頭のシーンを迎える。後半35分、FWがスクラムで猛プッシュし相手ボールを奪うと、粘るヤクルトをゴール前に釘付けにして攻め続けた。ロスタイム41分、ラガッツは相手ペナルティで得たチャンスからショットではなく、ラインアウトを選択。あくまでもトライを狙いに行く。最後のプレー。ジャンパーは途中出場のベテランLO・沢口。一瞬、サインへの反応が遅れながらも大空へと舞う。シーズンを通してほとんど練習できていないモールを押し込む青のかたまり。そして最後尾でボールを持った西川匠がゴール右隅に飛び込んだ。
 歓喜の瞬間、シーズンを締めくくる勝利のトライに、ベンチの宮澤が、中井高志が、天に拳を突き上げ笑顔で抱き合った。スタンドに詰め掛けた大勢の社員やファンからも拍手が鳴りやまない。「これまでで一番の応援をいただいたシーズン。スタンドの声援が選手たちの力となり、持てる力を出し切ることで、少しでも勇気や希望を与えられたのならば、それは本当にありがたいことだし、うれしく思います。毎試合、見にきていただける方の顔を見て、今年の活動が間違っていなかったと確信できた」(渡邉監督兼任)。
 長かったようで短かった。それぞれの人生に刻まれた激動の2010年度シーズンが幕を降ろした。熱き心に時は流れ、最後は新米キャプテン、その重責を務め上げた高根の述懐で締めくくりたい。
「人生で一番ラグビーのことを考え、真剣に取り組んだ年だった。初戦の釜石戦から一戦一戦、確実にチーム力は上がってきたし、振り返ってみればやっぱりラガッツならもっとできたという思いが強い。自分自身、一人で悩んでしまうような時期もあったけど、結局は部員みんなで創り上げていくチーム。いつだって自分はひとりじゃなかった」(高根キャプテン)。
 大晦日、NHK紅白歌合戦。死の淵から華麗な復活を遂げた偉大なシンガーはかみ締めるようにギターを奏でた。終わりなき旅の道中は予期せぬことばかり。時間がわずかに、また動いた。
【the author BRAVO.K】
毎試合、応援に駆けつけてもらったセコム・神奈川本部の福岡規行本部長(中央)とともに
セコムラグビー部6:笑顔のラガッツ一同
監督の目
FL 渡邉 庸介
「もっと形にとらわれずゲームの組み立てを考えた戦いを」
 この1年、個々のスキルは上がり、練習したことを試合で出せるようにはなりましたが、それをどこで使うか、組み立てがまだまだ。テンポの速いラグビーをしたかったが、パスのタイミングやラインの深浅が不十分でした。試合になると力が入りすぎて固い。選手には個々の判断を求めていますが、人に頼りがちで効果的な判断が乏しかったです。まだまだ成長できるチームなので、来季も上をめざして頑張ります。
セコムラグビー部7:FL 渡邉庸介
MAN OF THE MATCH
PR/LO 中村 功知
「本職と違うポジションへの挑戦が自分にとってもプラスに」
 試合内容はともかく勝ててよかったです。気持ちの部分が絶対的に大きかった。試合の中で考える力がついてきたと思います。途中出場で流れを作れたことが評価されたようですが、MVPは絶対に自分じゃないと思っていました(^^ゞ 今季は本職と違うLOのポジションで試合に出ることが多かったですが、それが自分にとってプラスになりました。最終戦はHOも3列も、どこでもやるつもりで準備していました。
セコムラグビー部8:PR/LO 中村功知
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