SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグ
2010-2011

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トップイーストリーグ第8節

セコムラガッツ  0 キヤノンイーグルス  55
開催日 2010年11月13日(土) キックオフ 12:00
天候 曇り/微風 開催地 秩父宮ラグビー場
レフリー 河野 哲彦(関東協会) 観客数 1582人

雨中の激闘は生命線となる接点の攻防で力負け西方より今季初登場の長井達哉が問う戦う意義とは

セコムラグビー部1:沢口選手
ラガッツ前への進撃、ラックの真上を越えていく沢口高正
【PHOTOGRAPHED BY YUKA SHIGA】
 もちろん勝負ごとは結果がすべての世界。55点差で負けた試合のリポートで自分のチームに賛辞を送ること自体、何の意味をなさないことは承知のうえだ。
 それでもあえて言いたい。よくやった。昨年のラガッツと同じ匂いのする「この一瞬しかない」という気持ちが端々ににじみ出た熱き戦いだった。闘志のかたまり、丸山隆正を試合直後に直撃する。「壊れるぐらいバチバチとコンタクトしたのに痛さや重さ、強さを感じさせるプレーヤーは相手に一人もいなかった。それだけラガッツの方が激しいコンタクトができたということ。それなのにこんなに大差がついた現実に無性に腹が立つ」。
 今季、最初で最後の秩父宮。誉れ高き一日を振り返る。試合前、いくら否定しても秩父宮にはまぎれもない事実が会場の空気として存在していた。“完全になめられている”。ロッカールームに置かれたラガッツのゲームシートに書かれた渡邉庸介監督の指示。「GO for BREAK!(当って砕けろ)」。両チームの間に立つべき試合関係者は、あろうことかこれを不思議そうな顔で眺め、最後に嘲笑した。
 ショックだった。と同時に猛烈な怒りがこみ上げた。選手全員の前で謝罪させてやりたいぐらい腹の中が煮えくりかえった。いったい何がわかる。
セコムラグビー部2:高根キャプテン
「PからGO」の仕掛けを繰り返した高根修平キャプテンの執念
セコムラグビー部3:加藤選手
前半、縦横無尽に駆け回った加藤祐太はケガで途中退場
 ラガッツは、試合開始から激しく前に出るディフェンスと自陣からでも積極的にボールをつなぐ縦横無尽のアタックで観衆を沸かせた。「攻めて勝つイメージはできていた。形にこだわるより、もっとラグビーの厳しさを楽しんだ方がいい」(渡邉監督)。心に火がついたら、もうそれだけ。鬼の形相で前進を許さない姫野拓也、今村六十の両CTB。FWも高根修平キャプテンを先頭に相手の懐に飛び込んだ。
 課題だった立ち上がり、許したトライはわずか1つ、0−10で前半25分までが経過した。相手のペナルティには、かつての東芝府中「PからGO」を彷彿とさせる速攻を仕掛け、たびたびのビッグゲイン。LO沢口高正がラックの真上を飛び越えて独走、チャンスを作ると、抜群のスピードを誇るWTB加藤祐太のステップ、ただでは倒れないWTB石橋秀基のランが、銀杏の色づきはじめた神宮外苑の温度を少しずつ上げていった。
 攻守がめまぐるしく入れ替わる展開。「途中で燃料が切れても構わない。とにかくここでやれることのすべてを出し切らないと次へ進めない気がした」(今村)。まだ試合も残っているので詳しいことは書けないが、いくつか用意した秘策もはまった。今年築いたスタンダードにちょっとアクセントを加えただけで、相手の出足が面白いように止まる。
 しかし、ギリギリのところで勝負したことで、いくつかペナルティを重ねてしまったラガッツ。「反則の繰り返し」というレフリー判断で前半28分、キーパーソンのFB長井達哉にシンビン。10分間退場となってしまう。補足すると、長井のペナルティはこの一つのみ。チーム全体への警告としてカードをもらった形だ。一人少ない終盤2トライを重ねられ、0−24で前半を終えた。
セコムラグビー部4:長井選手
今季2戦目、長井達哉は回転を変える自在なキックで相手を翻弄
セコムラグビー部5:藤田選手
前半はFW、後半はバックス。ライン際へ飛び込むイメージは描けていた藤田大吾
「攻めよう。トライ取りにいこうや。ディフェンスしててもしゃーないぞ!」。PR千巌和彦が吼える。後半も選手の出足が止まることはなかった。サイズで大きく劣りながら、セットプレーは互角以上。マイボールの獲得は多少乱れたが、相手ボールのラインアウトをかく乱し、スムーズな球出しを許さない。キヤノンの永友洋司監督も「正直、ビデオだけでは分析しづらい。何をしてくるのか分からない部分があった」と振り返る。そして「セコムさんのひたむきさはすごい。他のチームにはない何かを持っているチーム」と続けた。
 まず1トライ、そう思った矢先アクシデントが襲う。石橋の様子がおかしい。前半、あれだけボールを持ってガツガツ前進していたランナーがふらついている。脳震盪で試合途中からまったく記憶をなくしていたのだ。後半1分、WTB石橋退場。替わって新人の池田裕道が入る。すると今度は左WTB加藤が崩れ落ちた。豪脚が曲がらず悲鳴を上げていた。鈴木健を投入し、SO升本草原が後ろに下がる。だが、これだけで終わらなかった。最後尾で存在感を見せていた長井にさらなる悲劇が襲う。「乗られた瞬間、ブチブチブチって嫌な音がした」(長井)。タックルされた選手の体重がすべて足にのしかかった。
 バックスがいない。だが、せっかくつかみかけたきっかけをここで手放すわけにはいかない。長井に替わりPRの中村功知をLOで起用。FLの藤田大吾をWTBへ。さらに替わったばかりの池田も負傷し、プレー続行不可能と判断するや、本職がHOの海老沢洋をLOに入れて、NO.8高根をWTBへ。なんと両WTBがバックローの選手。両LOがフロントローの選手という布陣、社会人トップレベルの公式戦でこんな陣形を見るのはおそらく初めてだ。後半30分すぎに残るリザーブ2名を投入しようとして「フロントロー5人が全員試合に出ているため、負傷以外の選手交替は認められない」というルールブックにぶち当たったほど。
 それでも「残り10分、絶対に1トライ取りにいけ。暴れよう」(渡邉監督)。とうとうラガッツは最後まで貫いた。これだけチーム力に差があり、100点ゲームまで囁かれていた中、後半だけのスコアを見ると、25分まで0−7。こんなラグビーをイメージできるだろうか。4トライ奪取をめざし、結局1本も取ることはできなかったがグラウンドの芝は激闘を確かに刻んだ。
セコムラグビー部6:試合後の円陣
試合終了後、観衆が去った秩父宮の芝の上で選手たちは手繰り寄せた道標を確認し合った
 試合が終わった。いろんな思いが錯綜して、しばらく席を立てなかったが、選手たちのすっきりした顔が印象的だった。「やることが整理できた。みんな手ごたえがあったし、光の見えた80分間だった。ケガ人も多く満身創痍だけど、こんなこと最初から予想できていたこと。むしろラガッツらしくなってきた」(高根キャプテン)
 余韻に浸る間もなく、第2試合の笛が鳴った秩父宮のうす暗い通路で、今年もここで試合ができた幸せをかみ締めた。2年越しの勝利はならなかったが、ラガッツの魂を輝かせることはできた。熱かった。そこには無垢な精神があった。ゆっくり風呂に浸かる選手たちをアフターマッチファンクションの会場へと追い立てるマネジャー・田中孝文の姿もなんかいい。いかにも秩父宮という感じがするのだ。来年こそはここで勝ちたい。
 刹那、こみ上げたがぐっとこらえた。涙は勝つまでとっておく。
【the author BRAVO.K】
主将の目
NO.8 高根 修平
「ミスで自滅、トライの取れる場面でもっと早いサポートを」
 ディフェンスで相手に圧力をかけられたのに、それでも55点取られている。ミスを確実にスコアにつなげられているのと体力的に厳しい時間帯にどれだけ踏ん張れるかがカギになります。誰かがブレイクした時にもっと早いサポートが必要。あとはトライを取れる場面でのミスで自滅した印象です。ラインアウトは素晴らしかった。FWのセットプレーはラガッツの強みの一つなのでもっと精度を上げていきます。
セコムラグビー部7:NO.8高根 修平
MAN OF THE MATCH
FL 丸山 隆正
「とにかく前へ出て一人でも多く倒してやろうという気持ち」
 激しいプレーでチームに勢いをつけたかったので、とにかく前へ出て一人でも多く倒してやろうという気持ちでした。正直、こんなに点差のつくような試合内容ではなかった。もう一歩前へ出て、もう少しタイミングが合えば、もっと満足のいく形につながったと思うと悔しさだけが残ります。残り3戦、3連勝のイメージを現実のものにするためにも気持ちのディフェンスと、アタックではさらに鋭く、激しく継続したいと思います。
セコムラグビー部8:FL丸山 隆正
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