SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグ
2010-2011

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トップイーストリーグ第4節

セコムラガッツ  8 三菱重工相模原ダイナボアーズ  57
開催日 2010年10月9日(土) キックオフ 14:00
天候 大雨/微風 開催地 三菱重工相模原グラウンド
レフリー 藤内 有己(関東協会) 観客数 200人

雨中の激闘は生命線となる接点の攻防で力負け西方より今季初登場の長井達哉が問う戦う意義とは

セコムラグビー部1:どしゃぶりの肉弾戦
どしゃぶりの雨が激しく体を打つ中、肉弾戦を演じた
【PHOTOGRAPHED BY YUKA SHIGA】
「痛っ!」。激痛に顔をしかめながら、渡邉庸介は数日前に手術したばかりの足首をさすった。気をつけてベッドから這い出そうとしたつもりなのに、どこかにぶつけたらしい。「早くしないと試合に遅れる」。10日間の入院生活を送った川口工業総合病院。その病室を大急ぎで片付けた渡邉は、降り続く雨空の下、退院したその足で試合会場へと向かった。相模原まで、あと53km。
 時を同じくして兵庫県川西市のとある雑居ビル。夜勤を終えた長井達哉は、慌ただしくYシャツに着替えると、勤務を交替したばかりの日勤者に笑顔を向けた。「ほな、お先に」。バッグの中に忍ばせていたのは一足のスパイク。電車を乗り継ぎ新幹線に飛び乗ると、長井はゆっくり背もたれに体を預け、心を鎮めるようにしばしの間まぶたを閉じた。相模原まで、あと450km。
 昼下がりの相模原はさらに雨足が強まり、本降りの様相を呈していた。キックオフまで1時間を切ったロッカールーム。監督と選手一人を欠いた状況でジャージーが手渡され、ゲームプランの確認が行われた。
 これがいまのチームを映し出す真実の鏡だ。対戦相手は優勝候補筆頭・三菱重工相模原ダイナボアーズ。長井を除く選手たちは前日、夜10時からグラウンドに集まり試合前の「合わせ」の練習を行った。監督不在、メンバーも揃わない。これでは勝負になるはずがない。否、それは違う。厳しい状況であることは揺るぎない事実だ。だが、誰もあきらめてなどいない。
セコムラグビー部2:山賀選手
山賀敦之はサイズとパワーで圧倒されながらもスクラムで応戦
セコムラグビー部3:藤田選手
前半のふがいなさをかなぐり捨てて、タックルに行く藤田大吾
 偶然にも金言がそれを証言してくれる。過日、かのミスター、長嶋茂雄読売巨人軍終身名誉監督に単独インタビューする機会を得た。脳梗塞に倒れてから6年、74歳になったいまも、1日5時間にもおよぶ激しいリハビリに毎日取り組んでいる。不撓不屈の精神、日本を代表する国民的スターはこう説く。
「監督は冷静にゲームを見る目と同時に、中途半端なことを許さない熱さが必要」とする一方で「しかし、監督采配には限度がある。結局、勝敗は常に選手がどれだけやってくれるかで決まってしまう。スポーツ選手はファンに夢を与えてこそですから。苦しい状況で勝つことに意味がある。疲れきった肉体にムチを入れ、精神力で勝つ戦いですね」。
(長嶋さんのコラムが読める『月刊「長嶋茂雄」』第0回はこちらから
 試合開始直前、松葉杖姿の渡邉監督兼任がグラウンドに到着、しかし円陣に加わる素振りも見せない。ラガッツにはいい顔をしたキャプテン・高根修平がいる。試合が始まったら選手たちにすべてを委ねよう。激しい雨の中でキックオフ、肉弾戦はFWの近場、半径数メートルの限られたエリアに絞られた。外国人のパワーとサイズを前面に出して押し込んでくるグリーンモンスターに対し、ラガッツはブレイクダウンの攻防で体を当て、なんとか食いさがる。グラウンドに駆けつけた100人を越える地元の社員の声援になんとしても応えたい。
 前半20分過ぎまでは0−7とロースコアの展開。しかし、FWの中心的な役割を担ってきたPR千巌和彦が負傷しグラウンドに倒れこむ。なんとか持ち直したが、本来の動きには程遠く前半途中で無念の交替となった。さらに25分、キャプテンのNO.8高根が自陣ゴール前でプロフェッショナルファウルを取られ、一発シンビン。10分間の退場を余儀なくされると、ここぞとばかり一気に襲い掛かってくる三菱の波状攻撃。モールを止めきれず、人数をかければスペースを突かれる。あっという間に3−31と大きく水をあけられた。
セコムラグビー部4:加藤選手
唯一のトライを決めた加藤祐太、見せ場は幾度も
セコムラグビー部5:宮澤選手と池田選手
途中出場の宮澤永将、池田裕道も夢中で体を当てた
セコムラグビー部6:長井選手
長井達哉はかつてのチームメートと健闘を称え合う
 後半、激しさを増す雨の中、ビッグタックルを繰り返してチャンスを窺うラガッツの選手たち。そして後半7分、渡邉監督はSOに長井投入のカードを切る。西方からの使者は、前半途中にグラウンドに到着。独りでウォームアップを済ませ、選手たちの動き、表情をじっくりと観察していた。長井が入ったラガッツ、すると途端に同時にラインがリズミカルに動き出す。ボールを奪うと決定力のあるWTB石橋秀基、加藤祐太が自陣からでも粘り強いランで駆け上がる。18分には、敵陣でペナルティを得ると、素早いリスタートからHO安藤敬介がロングパスを放り、一番外で待っていた加藤が待望のチーム初トライ。結局、これがラガッツ唯一のトライとなり最終スコアは8−57。80分間の激闘を終えた両チームの選手たちは、ノーサイドの笛とともに抱き合い、互いの健闘を称え合った。
 この試合、悪天候にも関わらずグラウンドにお越しいただいた多くの社員を含むファンの皆様へ、いつも以上の感謝の気持ちを述べたい。そして遠く離れた地でも、心の中で応援してくださっていたすべての方々にも。
「ファイトあふれるラガッツらしい姿に感動した。全員がやりがいをもって、一つのことに打ち込み、明るくプレーしている。この素晴らしいチーム魂を継続ほしい」。仲間からの温かいメッセージ。だが、これに甘えてはいけない。まだまだ本当の戦いはこれから。足りないもの、課題はたくさん転がっている。たとえば基本的な部分でルーズボールへの働きかけ。頭から飛び込むセービングはできていたか。LOで2戦連続のフル出場、中村功知は大敗のスコアに頭を抱えた。「せっかくたくさんの人が見にきてくれたのに。これじゃ死んでも死にきれない」。
 強い者への挑戦。昨年と同じように相模原の芝の上に魂を置いてきた。だが、何かが心にひっかかった。試合中、時折見せた選手たちの笑顔。強さを感じさせ、激しく胸を打った昨年の“それ”とどこか違って見えたのは自分だけだろうか。海より自然体の野郎。今季初めてチームに合流した長井は、自分が覚えた違和感を、試合後全員の前で口にした。
「昨年に比べてみんな自信がないように見えた。誰かが交替で入ってきて流れが変わるんやったら、それは違うと思わへん。そんなん全然意味ないやん。みんな自分のためにラグビーやってるんやろ。それやったらもっと一人ひとりが考えてやらな。やることやってゲームに勝たな面白くないやろ。そのへんを意識して、またがんばってやっていこうや。オレもあっちでみんなに負けへんように走り込んでくるから」。
【the author BRAVO.K】
主将の目
NO.8 高根 修平
「ラグビーに自信とプライドを持って戦い、次は必ず勝つ」
 確かに三菱のプレッシャーはすごかったですが、もっとできるはずだと感じました。練習でやってきたことを上手く試合で出せるようにしなければいけません。自分たちのラグビーに自信とプライドを持って思い切りやること。次戦は、前半戦で一番重要な試合です。横河さんも今シーズンは厳しい環境と聞いています。ラガッツはプライドを持って「BIG CHALLENGE」します。そして「ONE TEAM」で必ず勝ちます。
セコムラグビー部7:NO.8高根 修平
MAN OF THE MATCH
FB 加藤 祐太
「自分が走ることで会場の空気が変わるようなプレーを」
 せっかくいいアタック、いいディフェンスをしたのに後が続かずターンオーバーされたり、前に出られてしまいました。もっと運動量を上げないと。試合後に長井さん(達哉)が言っていたように、自信を持ってプレーしなければいけません。常にトライを獲ることをイメージして、自分が走ることで会場の空気が変わるような、何かやってくれるんじゃないかという期待感の持てるプレーをします。勝つまでトライします。
セコムラグビー部8:FB加藤祐太
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