SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグ
2010-2011

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トップイーストリーグ第1節

セコムラガッツ  10 釜石シーウェイブス  35
開催日 2010年9月12日(日) キックオフ 13:00
天候 くもり時々雨/微風 開催地 釜石陸上競技場(松倉グラウンド)
レフリー 藤原 守(関東協会) 観客数 1000人

見出し

セコムラグビー部1:姫野選手
勝ちたい気持ちは同じ、球際への執着を見せた両者
【PHOTOGRAPHED BY YUKA SHIGA】
セコムラグビー部2:石橋選手
石橋秀基は一人で数人を巻き込みチャンスを演出
セコムラグビー部3:安藤選手
ラインでボールを受ける安藤敬介はキックも交え前進
 まさかここで試合をすることになるとは思ってもみなかった。憧憬の念さえ抱いてしまう銀幕の世界、そんな遠い場所。釜石市営陸上競技場、通称=松倉グラウンド。ここが“あの釜石”の主戦場だ。
 地図で見る限り海沿いの町だが、一見しても港などどこにもない。松林に覆われた土手を上がると、雨露に濡れて光るクローバーで埋め尽くされているかのようなグラウンド。不思議とすべてが四葉に見えてしまう。ミーティングの声をさえぎり爆音で流れるシーウィブス応援歌。そして、栄洋丸、豊富丸、稲荷丸、海王丸、寿丸・・極彩色にふちどられた無数の大漁旗が勇壮に空をはためく。
 狙っているのだ。釜石はトップリーグを。今季はどのチームにもチャンスがある。初戦は絶対に落とせない。さらに恐ろしいデータに気づく。クラブ化してから9シーズン、釜石はここ松倉で公式戦7試合を戦い、7勝0敗。トップイースト参入以来、勝率5割がやっとのチームが地元では無類の強さを誇っている。
 ラガッツは敵地に乗り込んだ。「新しいラガッツを披露するときがきた。この後の試合のことなど考えない。何回イメトレをしても最後は勝ってみんなと喜ぶイメージしか湧いてこない」(高根修平キャプテン)。キックオフ10分前、アップを終えた選手たちの息づかいが激しくなる。高まる鼓動を抑えることもなく、ジャージーに着替える。「金曜の夜からアドレナリンがどくどく出ていた」(丸山隆正)、「1点差でもいいから勝つ。勝つことだけを考える」(西川匠)。そして着替えを終えたラガッツの姿に両チームの応援席から小さなどよめきが起こった。
 セコムが赤? 今季のセカンド・ジャージーは赤だ。創部以来、初めてとなるチャレンジ。これは賭けなのだ。「赤はホンマに強い者だけが着る色。中途半端なチームが着るとダサいだけ」。かつて名門・伏見工高で赤を着て花園に挑んだFL藤田大吾の偽らざる実感だ。
 決して企業カラーを度外視したわけではない。ロゴに使用している青・緑とともに、お馴染みのセコムステッカーの赤は、補色として企業のブランディングに一役買っている。その色をモチーフにジャージーはデザインされた。そして初戦、釜石を相手に、聖地・松倉でこれを着て戦うことにこそ意味があった。
 新日鉄釜石が連覇を重ねていた1981年、北の鉄人の代名詞ともいえる真紅のジャージーは誕生した。森重隆・松尾雄治の発案で「燃える高炉の赤」をイメージして作られたと云うジャージー。その後も釜石と並ぶV7を達成した神戸製鋼の屈強な戦士たちも真紅をまとっていた。そして平成の世にトップリーグを牛耳る東芝・三洋電機。赤=それは時代を超えて日本ラグビー界において王者の象徴。クラブ化し10周年の節目を迎えた釜石シーウェイブスは青に色を変えてしまったが、この厳しい環境下においてあえて「赤」を選んだラガッツ。それを披露する場所、戦う相手、すべてにおいてふさわしい演出だった。
セコムラグビー部4:升本選手
トライを含むチームの全得点を叩き出した升本草原
セコムラグビー部5:樋口選手
FWの強烈な圧力に樋口勝也はゲームを支配できず
 哀泣き笑い時代は流れた。気温17度、小雨が落ちる中、互いに負けられない戦いは高根キャプテンがコイントスに勝ち、ラガッツのキックオフで幕を開けた。序盤はラガッツが安定したセットプレーを軸に敵陣に入る。前半2分、FB升本草原がPGを狙うが失敗。そしてゲームが動いたのは12分。ラガッツは自陣ゴール前まで攻め込まれてのマイボールスクラム。インゴールが極端に狭いため、タッチに逃げられず、一旦NO.8高根がサイドを突く。しかし、ここで痛恨のノットリリースザボールのペナルティ。一瞬、フィフティーンの集中が途切れた隙を釜石は逃さなかった。リスタートから右に展開し、WTB津島俊一がトライ。一番やってはいけないプレーで先制を許した。
 ここから我慢の時間帯が続くラガッツ。33分にPGを追加されると、35分すぎには中盤で不用意なオフサイドのペナルティを取られ、キック一本で自陣ゴール前まで運ばれる。最後はかつてのチームメート・小原義巧にトライを奪われた。
 ──釜石からラガッツにやってきた選手。ラガッツから釜石へと移籍した選手、これまでそのいずれの取材にも立ち会ってきた。そして釜石に関する多くの文献をひもとき想像を張り巡らせる。釜石をめざすものにとって最初の試練を与える仙人峠、真っ暗で幅の狭いトンネル。真下に落ちるような急坂、ヘアピンカーブ、ループ橋が続き、無数の車が突っ込んだであろうガードレールはどこもかしこもボコボコに歪んでいる。道端にはごみ収集車が落としていったサメや鮭、イルカの頭が転がっている。本当にこの先に町なんてあるのか。
 そんな秘境をイメージしていたが、今は違った。東京から当日入りの取材班にとって、新花巻からのんびり釜石線では到底キックオフ時間に間に合わない。はやて1号で盛岡へ。そこからレンタカーで太平洋へひた走る。北上・花巻・遠野と過ぎ、ついに仙人峠へ。だが3年前に全長4492mの新仙人峠トンネルが開通、深い谷には高さ60mの洞泉橋が架けられていた。来るものに試練を与えた険しい道は表情を変えていた。我々は、聳え立つ北上山塊の腹に飛び込んでいった──
セコムラグビー部6:選手たち
釜石ファンから敗者にも温かい拍手、悔しさを力に変えたい
 前半終了間際に1PGを返し、3−13でハーフタイムを迎えた。昨年の開幕戦とまったく同じ展開。後半15分、敵陣ゴール前スクラムからキャプテン高根がサイドアタック。ラックから素早く展開して、FB升本がゴール真下に飛び込みトライ。ゴール決まり10−13と射程圏内に捕らえる。しかし「ここで一気に逆転できていれば。冷静でいられずバタバタしてしまった」(山賀敦之)。ラインアウトからのモールで前進され、ラスト15分で立て続けの失点。最後までこだわった攻めに徹したが、初戦、勝利を逃した。
 ゲームのアヤ、勝負どころをつかめなかった。釜石に敗れてスタートしたのは昨季と同じはじまり。だが、今年は明確なターゲットがある。すぐにギアチェンジして次戦に備えたい。「高根キャプテンがいつも言っているように、一歩でも前に出るという気持ちを前面に出す。激しくプレーし、個人の仕事をフルに出し切りたい。各選手の色が集まってこその『ONE TEAM』だから」(藤田)。勝ちたい気持ちはどちらも一緒。ならばいかに心身を高め、己との戦いに打ち勝つことができるか。リーグ戦11試合の風を読むのではなく、目の前の試合を勝ちきることができるか。それがサダメだ。
【the author BRAVO.K】
監督の目
FL 渡邉 庸介
「チャンスを確実にものにするアタックを模索したい」
 結果からいうと私の選手交代が敗因です。疲れの見えた選手を下げましたが、思うようにはまらなかった。ラインアウトではいいプレッシャーをかけて相手のミスを引き出せましたが、相手の執拗なプレッシャーに苛立ちが募り冷静なアタックができませんでした。しかし、釜石相手に後半途中までの戦い方は良かった。チャンスを確実にものにするアタックやスペースの使い方を模索して、次は必ず勝ちます。
セコムラグビー部7:渡邊監督
マンオブザマッチ
WTB 石橋 秀基
「ブレイクダウンでの仕事と個人が役割をしっかりと」
 入社以来初めて、いい意味で力を抜いて臨めた開幕戦でした。冷静にゲームに入れた。今はフィニッシャーよりも自分がチャンスを作り、他の14人に託す思いが強いので、その点ではいい仕事ができました。しかし負けては意味がない。ブレイクダウンでの仕事と、個人が役割をしっかり果たすこと。ラスト15分は、チームの状態がそのまま出る時間帯。そこで我慢できなかったのはまだまだということです。
セコムラグビー部8:WTB石橋秀基
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