SECOM RUGGUTs

トップイーストリーグ
2009-2010

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トップイーストリーグ第9節

セコムラガッツ  5 横河武蔵野アトラスターズ  53
開催日 2009年11月28日(土) キックオフ 14:00
天候 晴れ/弱風 開催地 横河電機グラウンド
レフリー 町田 裕一(関東協会) 観客数 200人

見出し

 みんな笑っていた。瞳はキラキラ眩しく輝いていた。5−20とリードされて前半を終えたハーフタイムの円陣。選手たちは、観客には到底理解できない境地にいた。
 いつかこんな日が来ることは覚悟していた。選手27名のチャレンジ。ラグビーの激しさに怪我はつきものだ。一人が傷つき倒れれば、また一人が立ち上がる。常にギリギリのところで勝負してきた。前節、肉離れで途中退場したキャプテン・姫野拓也が松葉杖をつきながら選手の輪に加わる。「こういうの燃えるだろ。やってやろうぜ」。笑顔で頷く選手たちはやっぱりこの日もグラウンドの主役だった。「とにかく勝ちたい。このメンバーでこの状況で勝ちたいと思った。勝敗を超えた価値ある試合にしたかった。その先に勝利がついてくるから」(升本草原)。さぁ、本当の戦いはこれからだ。見せてやろう、ラガッツの最高に面白いラグビーを。キュッと心のずっと奥の方が疼いた──
セコムラグビー部1:石橋選手
傷だらけで戦う石橋秀基、この日は開始1分で病院送りに
【PHOTOGRAPHED BY AKI NAGAO】
セコムラグビー部2:河村選手
先制された直後すぐさま河村雄二(中央)が同点トライ
セコムラグビー部3:沢口選手
姫野拓也に代わりゲームキャプテンを務めた沢口高正
 次々に起こるアクシデントに勇猛果敢に挑んだ。前半、まだ時計の針が1分にも達しない数十秒後、いきなり戦慄が走った。最後尾から切り札のFB石橋秀基がカウンターアタックを仕掛ける。横河の核であるLOラディキ・サモ、CTBスコット・スタニフォースが二人がかりでタックル。膝下をスタニフォースにブロックされたまま倒れた石橋の上腕部に125キロの巨漢サモがのしかかった。レフリーの最初のホイッスルは、石橋のこの日のプレーに終わりを告げた。うずくまったままの石橋の左肩が耳の辺りまで突き上がっている。すぐに開放脱臼だとわかった。ドクター不在の中、救急車を呼び、メンバーから外れたPR小俣圭輔が付き添いを買って出た。
 代わって、FW第3列からバックス全ポジションのバックアップとして準備していた小嶋辰紀が右WTBに入り、加藤祐太がFBに。5分に先制トライを許したラガッツだが攻守にわたり全員が前に出るラグビー、そして燃えさかる闘志で横河を凌駕していく。12分、FWが前に出る圧力から素早く展開、左WTB河村雄二がスピードに乗ってラインを突き破った。同点トライ。その後も心を一つにボールをつなぐラガッツの迫力あるアタックに横河は防戦一方となる。
 先行したいラガッツは相手の度重なるぺナルティに乗じて、PGでリードを狙う。しかし、SO升本のキックが大誤算。3度のキックを外し、傾きかけた流れに水を差してしまう。升本は「前夜の練習でも調子はよかったし、試合でも当たりは悪くなかった。点差と時間帯、相手のディフェンスの陣形を見て狙えるところは3点と考えていたので。責任を感じる」と唇をかんだ。
 ところで、人工芝グラウンドで公式戦をやるのはいかがなものだろうか。下部リーグゆえの宿命だが、滑りやすく、天然芝や土では絶対に起こりえない大怪我につながる危険性があまりにも高い。CTB山田久郎もその一人。前半途中、タックルされて膝を強打。自身のスピードも合わさり、不自然な足の曲がりのままで芝に引きずられ靱帯を痛めた。なんとか患部をがちがちに固定して40分を戦い抜いたが、前半で無念の交代。同じくCTBの今村六十とともにルーキー二人、開幕から全試合フル出場を続けてきた。涙が止まらなかった。
 「ここで抜けるという悔しさもあったけど、円陣で『この厳しい状況を楽しもう』とみんなが言っていたのを聞いて頼もしく、このチームに入れてよかったと思ったから。高根さん(=修平)や、功知さん(=中村)が『泣くな』とか『任せろ』って言ってくれて余計に涙が出た」(山田)。
セコムラグビー部4:升本選手
チームの顔に成長しつつあるゲームリーダー・升本草原
セコムラグビー部5:海老原選手
セットプレーで健闘した海老沢洋は今後に確かな手ごたえ
セコムラグビー部4:丸山選手
丸山隆正はインパクトプレーヤーとして迫力満点の突進
 さらに緊急出場ながら、献身的なタックルで締まったゲームを演出していた小嶋も太腿を強打しリタイア。前半を終えたところでバックスのリザーブを失った。前半終了間際のドタバタで2トライを奪われる。15点のビハインドを背負い、選手の台所事情も苦しい。それでも逆境を楽しめる選手たちは強かった。「最近になってだんだんとわかってきた。極限状態を心から楽しむということを。本気でワクワクして、オレたちなら何だってできる気がする」(山賀敦之)。
 膝を負傷している監督兼任の渡邉庸介は、この日リザーブスタート。このスクランブル事態に大昔なら南海ホークスのノムさんか、最近ならスワローズの古田敦也前監督の「代打オレ」よろしく後半から自分がグラウンドに立つことを選手たちに伝えた。「オレがエイト(NO.8)に入る。高根はWTBとCTBどっちがいい?」。結局、本人の意思を尊重してFWの高根修平はCTBに回ることになった。SHには宮澤永将が入り、正SHの樋口勝也がWTBに。もうここまで来るとポジションも何もない。
 後半が始まった。鈍重な横河の攻撃パターンは変わらない。とにかく最強の助っ人・サモが突進してくる。一人で無理なら二人、三人でタックル。抜かれたらその後ろからまたタックル。勝つためには徹底的にサモを止める。それ以外に方法はない。しかし、徐々にほころびビッグゲインを許すようになると、次第に点差は広がっていった。
 満身創痍のチーム、前半から怪我で3度、4度とグラウンドに倒れていたHO安藤敬介も気力だけで戦ってきたが、体はとうに限界を超えていた。後半10分退場、代わって海老沢洋が入る。14分にはLO丸山隆正、PR中村が戦術的入替でグラウンドへ。そして28分、怪我の姫野に代わりゲームキャプテンを務めていたLO沢口高正が足の感覚を失った。控えるメンバーはチーム最年長の大ベテラン、8年ぶりの現役復帰というチャレンジを体言するコーチ兼任のFL浅野和義ただ一人。浅野がグラウンドに飛び出していくと残り時間を10分以上残してリザーブを全員使い切る、文字通りの総力戦となった。
 ここまで乱されても最後までラガッツはいいアタックを繰り返し、懸命にタックルに励んだ。トライには結びつかなかったが何度も決定的な場面を作った。最終スコアは開いたが、どこまでも逞しく眩しい存在である。
 試合が終わり、腕を吊った石橋がグラウンドに戻ってきた。担ぎ込まれた近くの病院で外れた肩を入れてきたという。第7節には顔面をえぐられて縫い、まだ抜糸も済んでいない。傷だらけの戦士もまた笑顔だった。「次の試合まで2週間開くから大丈夫でしょ。別に怪我なんて大したことないんだからさ、また大袈裟に書かないでよ。友達がみんな心配してメールくれちゃうんだよね」(石橋)。

セコムラグビー部7:渡邊監督 監 督  渡邉 庸介
「セットプレーが安定、秩父宮の勝利に照準合わせる」
 開始すぐに石橋の負傷があり、いつもより厳しいスタートになったのは確かですが、アタックでもディフェンスでも集中して前に出ることができました。点差ほど力の差を感じませんでしたが、外側のブレイクダウンでターンオーバーされて流れが作れませんでした。それでもセットプレーが安定してきたし、メンバーは同じ方向に向かっているので次戦、秩父宮で本当の意味で勝利するためにいい準備をするだけです。

セコムラグビー部8:姫野主将 主将代行  沢口 高正
「少ない練習量を補うにはチームワークが生命線」
 リズムに乗れているときはいいのですが、上手くいかないときに、選手がいらいらしているのが目に見えてわかります。相手のあることだから、個々がいかに我慢してプレーできるか。サインプレーだってそうそう綺麗に決まるものではない。年齢も職場も違うみんながまとまり、少ない練習量を補って戦うにはチームワークしかありません。東京ガス戦も簡単にはいかないですが、いつも通り今やっていることをしっかりやれるかが勝負です。

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