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2006年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  3 リコーブラックラムズ  15
トップリーグ 第9節 開催地 秩父宮ラグビー場
開催日 2006年12月9日(土) キックオフ 12:02

あぁ、ミス連発自滅、まさかのノートライ負け

泥沼の8連敗、迫りくる「降格」の恐怖に打ち勝てラガッツ

 ため息だらけのスタンド。今季最終戦となるはずの聖地・秩父宮でのゲーム──。トップリーグ初年度はここで3勝(2敗)を挙げた。だが昨季は3戦3敗(入替戦除く)、今季は4戦4敗。身を切るような寒さ、冷たい雨。ボールを満足にキャッチすることもできず、個々の判断も鈍り、ラガッツは自滅の末、痛い星を落とした。
セコムラグビー部1:リコー戦山賀選手
チームの気持ちを代弁するプレーで、PR山賀敦之は魂を込めた【カメラ:志賀由佳】
セコムラグビー部2:リコー戦長井選手
ミスも出たが、随所に好キック・好判断が見られたSO長井達哉
セコムラグビー部3:リコー戦カウチ選手
NO.8セネ・タアラとともに、リコーの徹底したマークを受けたFLスコット・カウチ
 ゲームの1週間前。12月2日、ラガッツがクボタの猛攻に苦しんでいた頃、同じ埼玉県をホームとするフットボールクラブが新たな歴史の1ページを切り拓こうとしていた。サッカーJリーグ・浦和レッドダイヤモンズ。この日の埼玉スタジアム2002は観衆6万2241人。今季の主催試合入場者数はリーグ記録を大幅に更新する77万人に達していた。
 レッズとて、前身こそ名門の三菱重工だが、Jリーグ発足後は万年最下位争い。00年にはJ2降格も味わった。あれから6年、熱狂的なファンに後押しされ、ついに年間王者の座に辿り着くまでになった。同じく埼玉を本拠とするラガッツ。ありがたいことに少しずつではあるが社員のみならず、幾多の熱心なファンの支持を集めている。その期待に応えるためにも、「もう情けないゲームはできない」(小池善行主将)。勝って喜びを分かち合うのだ。
 しがみついてでも抜かせない。死ぬ気でやる。一歩でも前へ出て勝とう。さまざまな言葉が飛び交った試合前のロッカールーム。11位と13位、立場の近い両チームの対戦。お互いに絶対負けられないという思いは強く、緊張感が伝わる中で、試合の幕が開いた。
 序盤はともにキックを多用し、テリトリーを取り合う展開。5分、SO長井達哉のハイパントにLO鈴木学がチェイス。リコーのオフサイドを誘うと、長井のPGで3点を先取する。しかしその直後、自陣ゴール前スクラムから展開され、インゴールに蹴り込まれたボールをWTBディーン・ホールに押さえられ、あっさり逆転される。
 それでもFWのセットプレーで優位に立つラガッツは、相手のぺナルティからタッチに蹴りだし敵陣ゴール前へ入り込むと25分。ラインアウトからモールを組んでトライを狙うが、しつこいディフェンスを見せるリコーにしのがれ、あと5mが遠い。モール膠着状態となり、バックスに展開するが、早い潰しを受けてノックオン。そのボールを拾われると、ラックサイドで沢口高正がタックルを外され、ビックゲインを許す。ホールからフォローしたWTB齋藤敦につながれ、80mを走られてトライ。終了間際にはPGを追加され、まさかの展開。12点のビハインドを背負って、前半を終えた。
 「来年トップリーグでプレーしたいか、それとも2部でプレーしたいか、どっちだ。ラグビーボールは宝物だ。みんな、あまりにも粗末に扱いすぎている。激しさも足りない。一生懸命やってきた練習を忘れてしまったのか。メンタルの電源スイッチを切ってしまったかのような40分だった。後半は、セコムプライドをサポーターに見せつけよう。声を出して、スピーディーなラグビーを展開するんだ」。ウェイン・ラブヘッドコーチは激高した。
 「2部で・・」とラブヘッドコーチが口にした瞬間、選手たちの体にはビリッと電気のようなものが走った。それだけは絶対に嫌だ。忘れられない光景がこみあげる。「あと40分しかないからな。もう全部出し切ってさ、試合終わった後にこのグラウンドでぶっ倒れてもいいじゃないか」(小池主将)。
セコムラグビー部4:リコー戦石橋選手
WTB石橋秀基は、開幕から相手の粗っぽいプレーに悩まされるシーズン
セコムラグビー部5:リコー戦艶島、鈴木学選手
密集サイドの突破を許さないCTB艶島悠介(写真左)とLO鈴木学
セコムラグビー部6:リコー戦選手達と応援団
次戦こそ、ラガッツを応援してくれるすべての人たちに届けたい勝利の凱歌
 後半、前へ出始めたラガッツ。1分、ゴール前でNO.8セネ・タアラがサイドをえぐる。ラックからオープンへ展開。沢口が突破、しかしオーバーに行った鈴木学がオフサイド。10分、12分、ゴール前ラインアウトからしっかりとしたモールを組んでドライブ。敵陣5m内での攻防が続いた。しかし、どうしても最後の一押しが届かない。18分、FLスコット・カウチのジャッカルから生まれたチャンス。「ここから試合のスピードを上げていけ」。インカムを通してグラウンドに指示が飛ぶ。完全にラインが余ったところでボールが出たが、またしてもノックオン。歓声が大きなため息に変わった。
 20分、「リズムを作っていけ」と檄を受けベテランSH大野達也が主将の小池に代わって、同じくHO上野進が副将の安藤敬介に代わってグラウンドに送り出される。それでも刻一刻となくなっていく試合時間。ロスタイムは4分、時間(とき)は止まってくれない。そして──、とうとう後半一度もスコアを動かすことのできないまま、ノーサイドのホイッスルは鳴り響いた。
 セコムラガッツは何を守ろうとして、何を失おうとしていたのか。今季のハイライトだった東芝戦のチャレンジ。あのときの勢いも、理路整然としたラグビーも影を潜めているが、理想は捨てられない。「自分たちで気づくしかない。誰のせいでもないってことを。今は辛抱しないと。一人ひとりがよく考えて、チーム全員でやってくしか。今やるべきことはそれだけ」(小池主将)。
 目覚めの時は来た。迫りくる「降格」の恐怖と正面から向き合ってこそ、チームは本当の強さを手にし、失った自信を取り戻すことができる。
 「負けたら終わりだ。そう思ってこの試合に臨んだ。もう去年からずっと同じことやっている。ゴール前まで攻め込んで取り切れなくて、ミスしてボール取られて。どうしてこうなるのかわからない。頭ではわかっているのに・・・。それでも、オレたちは一度降格を経験しているチーム。もうあんな思いはしたくない」(山賀敦之)。
 ベテラン山賀の言葉は重い。粉々に砕かれたプライド。過去の栄光を捨て、現実を見つめる。小さなものをたくさん積み重ねて、立ちふさがる壁を突き破るのだ。泣いても笑ってもあと4試合。力を誇示するチャンスはもういくらも残されていない。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   リコーブラックラムズ
前半 後半 得点 前半 後半
0 0 T 2 0
0 0 G 1 0
1 0 PG 1 0
0 0 DG 0 0
3 0 15 0
3 合計 15
10 反則 12
セコムラガッツ アキ リコーブラックラムズ
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
    山賀 敦之  (PR)     中村 浩二 
    安藤 敬介  (HO)     滝澤 佳之 
    千巖 和彦  (PR)     片岡 俊介 
    沢口 高正  (LO)     遠藤 哲 
    鈴木 学  (LO)     田沼 広之 
    前田 貴洋  (FL)     相 亮太 
    スコット カウチ  (FL)     伊藤 鐘史 
    セネ タアラ  (NO8)     スコット ロバートソン 
    小池 善行  (SH)     春口 翼 
    長井 達哉1/1 10(SO)     武川 正敏1/2、PG 1/1
    及川 英典  11(WTB)     ディーン ホール前21分
    艶島 悠介  12(CTB)     河野 好光 
    今井 通  13(CTB)     田中 洋平 
    石橋 秀基  14(WTB)     齊藤 敦前26分
    白藤 友数  15(FB)     金澤 良 
    上野 進  16(R)     岡崎 匡秀 
    石塚 陽介  17(R)     笹倉 康義 
    川口 和晃  18(R)     トロイ ジャックス 
    堀越 健介  19(R)     川上 力也 
    大野 達也  20(R)     乗本 賢吾 
    升本 草原  21(R)     ブライス ロビンス 
    ジェームズ リチャーズ   22(R)     西辻 勤 
凡例
前半15分6.前田 → 19.堀越 交替 前半22分13.田中 → 22.西辻
後半21分2.安藤 → 16.上野 後半22分3.片岡 → 17.笹倉
9.小池 → 20.大野 後半32分5.田沼 → 18.ジャックス
後半29分12.艶島 → 21.升本 8.ロバートソン → 19.川上
後半34分3.千巖 → 17.石塚 後半36分11.ホール → 21.ロビンス
19.堀越 → 18.川口   
後半41分7.カウチ → 22.リチャーズ   

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