SECOM RUGGUTs

2006年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  26 神戸製鋼コベルコスティーラーズ  45
トップリーグ 第6節 開催地 近鉄花園ラグビー場
開催日 2006年10月14日(土) キックオフ 13:04

鈴木貴士、意地の4戦連続トライで4節ぶりの勝ち点獲得

昨季トップリーグトライ王のセネ・タアラ、今季初登場で圧倒的な存在感見せる

 ラグビーの聖地、東大阪の近鉄花園ラグビー場。その通路に貼られていたのは今季、花園で開催される全試合のスケジュールが入ったポスターだ。そこに綴られていたコピー。
 「ルールも知らないのに歓声をあげていた」。
 筆者が普段、広告宣伝関係の仕事をしている職業柄もあるが、ついこういったCFコピーには目が行ってしまう。「喰わず嫌い」が多いラグビーというスポーツの特性を付いた、実に端的で的を射たフレーズといえる。
 今季初の関西ラウンドで、はたしてラガッツはどれだけのゲームができたのだろうか。
セコムラグビー部1:沢口選手
元木由記雄選手に刺さり続けたラガッツの選手たち、徹底マークで動きを封じた
セコムラグビー部2:タアラ選手
LOセネ・タアラが入るだけでチームの雰囲気は一変。FWが暴れ回って勝ち点奪取
セコムラグビー部3:上野選手
後半20分からの男になりつつあるHO上野進。フィールドプレーの巧さでチャンスに絡む
 前節、秩父宮でサントリーに大敗を喫し、出直しを誓ったラガッツ。バックスは大幅にメンバーを入れ替え、初ファーストジャージーを手にする選手が続々と誕生した。迎え撃つのは日本ラグビー界の雄、七連覇を達成した風格が今なお漂う真紅のジャージー。「昨年は神戸という名前にのまれて負けた。強い気持ちを持って戦わないと何度やっても同じ結果になってしまう」(小池善行主将)。
 フレッシュな顔ぶれには神戸に対する意識はあったのだろうか。背番号21は東海大出身の2年目SO小原義巧、「メンバー発表のときは正直ビックリしました。そしてだんだん嬉しさがこみ上げてきて。神戸製鋼は歴史あるチームだし、大学の同期もメンバーに入っていたので、ミスを恐れず楽しもうと思いました」。背番号22、日体大出身の1年目、WTB河村雄二。「わくわくしました。神戸製鋼はテレビでずっと見てきたチームですし。とにかくいいチャンスだから思い切りやろうと」。
 ラガッツは全国トップレベルの舞台に立ってまだ3年だ。七連覇中に直接対戦を重ねてきたチームではないだけに特別な感情は働かない。それはベテラン勢も然り。唯一人、「少しだけ意識した部分があった」と振り返ったのがトップリーグ初スタメン、NZ帰りのルーキー・白藤友数だ。
 「そういった部分は他の選手よりあったと思います。小さい頃からファンだったので。神戸製鋼に憧れながらラグビーしていました。対面の元木(由記雄)選手など、僕が小さい頃からジャパンで活躍していた選手。その選手とマッチアップできるんだと思って。どれだけできるか楽しみでした」(白藤)。
 さぁ、失うものはないぞ、ラガッツ。敵の本丸での戦い、大阪秋の陣。スタンドには大阪・京都・兵庫を中心に、約700人のセコムグループ社員の方も応援に駆けつけた。キックオフ直後の開始1分、ラガッツは相手ペナルティから小池主将が素早い仕掛け。神戸製鋼のエンジンが掛かる前に、一気呵成のアタックでLO鈴木学がインゴールを陥れ、電光石火の先制トライ。
 大声援に後押しされてこの上ないスタートを切った。そして、地元の民が目を疑う光景が訪れる。神戸製鋼ボールのスクラム。思わず、スタンドのウェイン・ラブヘッドコーチの口元も緩んだ。真紅のジャージーがダイレクトフッキングでボールを出そうとしている。ラガッツの山賀敦之、安藤敬介、千巌和彦のフロントローが強烈にプッシュすると、ぐっと前に出るスクラム。神戸製鋼はフッキングされたボールをNO.8がそのまま持ち出すプレーを連発した。
 「FW、特にスクラムは圧倒していた。ラインアウトもプレッシャーを掛けられていた」(LO沢口高正)。しかし攻撃ラグビーゆえのリスク、勢いを持続させたいラガッツは、ボールを動かして攻め立てるが、ミスから相手に息を吹き返させてしまう。巧さ、激しさでラックを連取され、ペナルティでリズムを崩されてしまう。最後はモールドライブからトライを奪われ、逆転を許した。
 それでもチャンスは続いていた。ボールを継続して持ち続け、順目に振って両WTBの決定力を生かす。そこにCTB艶島悠介の強いタテというエッセンスを加えてラインブレイクを図った。誤算だったのはSOで起用したジェームズ・リチャーズの不調。キックでチャージをされ、そのままトライを奪われるなどゲームをコントロールしきれなかった。前半で3トライを失いハーフタイム。
セコムラグビー部4:河村選手
初のメンバー入りで後半28分から出場のWTB河村雄二。スピードを生かした走りを披露
セコムラグビー部5:高根選手
こちらもルーキーながら貫禄を見せるプレーでチームに貢献したFL高根修平
セコムラグビー部6:鈴木貴選手
4試合連続トライをマークしたWTB鈴木貴士、トップリーグ初の日本人トライ王も射程圏内
 後半、まずは敵陣へ行きたいラガッツは、中盤でキックを織り交ぜながら前進するプランへ軌道修正する。キックオフのボールをキャッチしたFLの渡邉庸介がタッチキックを蹴ると、HO安藤敬介が裏パントを自ら挙げてチェイス。FLスコット・カウチもクロスラインへキックを上げるなど、ポジションに捕われない攻撃を展開する。
 1本取られたら取り返すという展開で粘ったが7分、13分とトライを奪われ万事休す。自分たちの強みを前面に押し出す神戸製鋼の前に、やはりあと一歩が届かない。リードを拡げられたところで、ようやく切り札を投入。SOジェームズを下げ小原を投入、LO沢口に替えて、今季初出場となる昨年のトップリーグトライ王、セネ・タアラのカードを切った。
 タアラが加わると沈みかけたチームの勢いが一変した。一人で3人、4人と引きずりながら前に出る。しかも倒れない。より一層仕事がしやすくなったFL川口和晃も得意のランニングでどんどん抜けていく。27分、その川口のブレイクからゴール前に攻め込み、右にラインを余らせる。後半途中出場のSH大野達也のパスアウト、小原がディフェンスを引き付けて放ったラストパスをCTB白藤が相手とすれ違いに受けてゴール真下に飛び込んだ。
 「あれはチーム全員で取ったトライ。元々僕はトライを取る選手じゃないので、僕のパスでWTBの人たちがトライを取ってくれた方が本当は気持ちいいんです。でも、トップリーグ初トライ、自信になりました」(白藤)。
 「白藤のトライにつながるパス。練習で何回もやってきたプレーだったので。あのパスが通ったときはガッツポーズでした」(小原)。
 食い下がったがこの時点でまだダブルスコア、36分にもトライを失いとどめを刺された。なんとか勝ち点を取りたい。その気概だけで残り試合時間はロスタイム含め5分、ひたすら猛攻を続ける。ボールを継続し、グラウンドをワイドに使った攻め。社員の方をはじめラガッツへの声援は最後まで止まない。43分、回して当たって、また回してラストワンプレーでゴールを駆け抜けたのはWTB鈴木貴士、スワーブを切ってディフェンスを抜き去り、この日チーム4本目のトライを決めた。
 「今まで関西で見たラガッツの試合の中で、一番勝ちに近いゲームだったのではないでしょうか」。そう冷静に分析する人もいれば、生まれて初めて見たという方の「ものすごい迫力にすっかりはまってしまいました。1月(第12節、1月8日(月・祝)コカ・コーラウエスト戦)も必ず応援にきて、選手が投げるボールをキャッチしたいです」という初々しい感想も。
 花園に歓声があがった。自分たちの形は示せた。だが、悔しさが充満する芝の上だった。魂を感じさせるプレーはチームに戻った。1月に花園でもう一戦。聖地での公式戦初勝利へ、思いは募るばかりだ。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   神戸製鋼コベルコスティーラーズ
前半 後半 得点 前半 後半
1 3 T 3 4
0 3 G 1 4
0 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
5 21 17 28
26 合計 45
9 反則 14
セコムラガッツ アキ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
    山賀 敦之  (PR)     平島 久照 
    安藤 敬介  (HO)     松原 裕司後22分
    千巖 和彦  (PR)     山本 翼後7分
    沢口 高正  (LO)     小泉 和也 
    鈴木 学前1分 (LO)     ロイス ウイリス  
    渡邉 庸介  (FL)     高森 雅和前13分
    川口 和晃  (FL)     林 慶鎬 
    スコット カウチ  (NO8)     パスカ マパカイトロ 前10,34,
後13分
    小池 善行  (SH)     後藤 翔太 
    ジェームズ リチャーズ後9分 10(SO)     森田 恭平5/7
    及川 英典  11(WTB)     瓜生 靖治 
    艶島 悠介  12(CTB)     元木 由記雄 
    白藤 友数後27分 13(CTB)     山本 大介nbsp;
    鈴木 貴士後43分 14(WTB)     小笠原 仁 
    長井 達哉3/4 15(FB)     八ツ橋 修身 
    上野 進  16(R)     南條 健太 
    石塚 陽介  17(R)     石井 良昌 
    セネ タアラ  18(R)     鎌田 卓 
    高根 修平  19(R)     池上 王明 
    大野 達也  20(R)     苑田 右ニ 
    小原 義巧  21(R)     高倉 和起 
    河村 雄二  22(R)     ジョエル ウィルソン 後36分
凡例
後半14分4.沢口 → 18.タアラ 交替 後半0分11.瓜生 → 21.高倉
10.リチャーズ → 21.小原 後半23分8.マパカイトロ → 19.池上
後半23分9.小池 → 20.大野 15.八ツ橋 → 22.ウィルソン
後半28分2.安藤 → 16.上野 後半28分1.平島 → 16.南條
8.カウチ → 19.高根 4.小泉 → 18.鎌田
11.及川 → 22.河村 9.後藤 → 20.苑田
後半34分3.千巖 → 17.石塚 後半34分3.山本翼 → 17.石井

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