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2006年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  7 サントリーサンゴリアス  57
トップリーグ 第5節 開催地 秩父宮ラグビー場
開催日 2006年10月7日(土) キックオフ 12:03

ラガッツの誇りはどこへ、自慢のディフェンス破綻

試合後緊急ミーティング。次戦花園では「がむしゃら」に戦うことを約束

 試合終了の笛と同時に席を立ったウェイン・ラブヘッドコーチは、グラウンドに下りるよりも前に、セコム応援団が陣取るメインスタンド自由席へと入っていった。「今日はごめんなさい。せっかくみなさんに応援してもらったのに、残念な結果になってしまった」。選手のケアよりも先に取った行動はファンへの謝罪だった。「適切なメッセージを伝えるには難しい試合だった。ラグビー自体がおかしかった。とにかく申し訳ないという気持ちを届ける必要があった」(ラブヘッドコーチ)。
 そう、今思えば何かがおかしかったのだ。気持ちの入れよう、試合の運び方までもが何もかも。
セコムラグビー部1:リチャーズ選手
FBジェームズ・リチャーズは、しなやかな動きで相手を翻弄【カメラ:志賀由佳】
セコムラグビー部2:沢口選手
接点の争いは激しさを増していく。LO沢口高正も容易には前進できず
セコムラグビー部3:川口選手
NO.8で先発出場した川口和晃。球際の争いでは、体を張って奮闘
 前節、東芝への挑戦で世に示したラガッツの戦い方。著名なラグビージャーナリストのブログやミクシィなど、各地で賞賛の声が上がっていた。「ビデオで見たけど面白いラグビーをやっているなという印象。ボールがどんどん動くし、パスが効果的でうち(サントリー)にはマネできないようなスタイル」(サントリー・林雅人コーチングコーディネーター)。
 この日の記者席はラグビー界を代表するライターが集結。今季一番の注目を集めるサントリー相手に、セコムがどのようなラグビーを見せるのか。興味はその一点に絞られていた。
 だが序盤、先制したのはサントリーだった。10分、相手SO菅藤心のハイパントが強風に押し戻されると落下地点でプレーヤーの体に当たったボールは大きく跳ね、ラガッツゴール前に転がってしまう。いち早くボールに駆け寄ったサントリー・CTB沢木敬介が拾ってトライ。アンラッキーもあったが、無駄な失点を与えた印象。
 その後、風上にも関わらず、あえてキックを蹴らずボールポゼッションを上げて敵陣に攻め入るラガッツは、度々相手ゴール前でペナルティキックのチャンスを獲得する。しかし、これまでの試合では狙えるPGはきっちり3点を取りにきたチームが、タッチに蹴り出し、トライを狙う強気の攻めに出た。「あそこはもちろんショットの判断もあった。セオリーなら絶対に狙うべきところだが、FWのアタックする気持ちが強かったからチャレンジした。(正確なキッカーであるリチャード・アパヌイがいなかった点については)長井(達哉)もいいキッカーだし、SOとしての経験はある。それは関係なかった」(小池善行主将)。
 だが、結局再三のトライチャンスも最後の一線を破ることはかなわず。逆に25分、小池主将からのパスをFL渡邉庸介がファンブル。カウンターからトライを奪われると、終了間際にも、山賀敦之−千巌和彦というPRが並んでしまったラインのミスマッチをWTBジャック・タラントに突かれて3トライ目。19点のビハインドでハーフタイムを迎えた。
 それでも前半は初先発のFBジェームズ・リチャーズがストレートに強いランニングで魅了すると、決定力が増したWTB鈴木貴士が加速の鋭いステップを踏んでトライをめざした。自陣ゴール前5mスクラムのピンチでも、CTB今井通の献身的なタックルでボールを奪い返すなど、要所で魂を感じさせる戦いだった。
 「スコアを忘れて後半は点を取りに行く。簡単なことをきっちりとする」(PR山賀敦之)。スクラムは強く、ラインアウトは早く、速く。しかし、その思いもサントリーの波状攻撃を前に徐々にエネルギーが削がれていく。ラガッツの勢いを沈黙させるトライラッシュ。時間と共にルーズになっていくタックル。心が折れたか、まったくコンタクトできなくなる選手もいた。
 「らしくない」気の抜けたプレー、キックオフでダイレクトタッチ。無理に回してノックオン。ミスが相次ぎ、それがすべて相手スコアに直結していく。57失点の大敗、なんとか鈴木貴の3試合連続トライで一矢報いたが、魅力溢れるラガッツのラグビーはとうとう最後まで戻ってこなかった。
セコムラグビー部4:石橋選手
人への強さを発揮するWTB石橋秀基。今後のトライ量産が見たい
セコムラグビー部5:選手たち
最後まであきらめないで戦う姿勢、それこそがラガッツが愛される理由なはず
 「NZでは、一つタックルミスをした選手は、その次のプレーでは絶対に抜かせない。ものすごい気持ちの入ったタックルをするものだ。それが、今日の試合はどうだろう。ラガッツの選手はミスするたびに考えてしまって、元気がなくなって、パフォーマンスがどんどん落ちてしまう。それではチームは前に進めない。」(ラブヘッドコーチ)。
 昨季まで3年間ラガッツを率いて、この日テレビ神奈川の中継でゲーム解説を務めた加藤尋久前ヘッドコーチ(現東海大テクニカルアドバイザー)は「まだまだこれからが勝負。ここであきらめちゃったら、それ以上の成長はない。カラーを守りつつ、楽しいラグビーを追求していってほしい」とエールを送った。
 ゲームとは違うが、一つ気になったこと。事実なので記しておきたい。この日もたくさんのセコムグループ社員の皆様、ファン、関係者の方が応援に詰め掛けてくださった。感謝の念は絶えない。しかしそのスタンドから、相手選手がトライ後のゴールキック(コンバージョン)を蹴る際に、ワーワー騒いで邪魔をする光景が見られた。子供たちのいたずらといってしまえばそれまでだし、あまりの大差で壊れたゲームであったのもまた事実。飽きてしまったのだろう。
 だがそこはノーサイドの精神、紳士のスポーツ。対戦相手への敬意が必要だ。少なくともこのような行為は日本ラグビーの文化にはないもの。今後はこのようなことがないよう、応援する方同士で声を掛け合っていただければ幸いである。
 今回の惨敗にラブヘッドコーチは「ミスしてもジョグせずだらだら歩いている選手がいた。内容以前に試合に臨む態度、姿勢がよくなかった。この先には二つの選択肢がある。これを勉強として心を強くするか、このまま下を向いてしまうか。それがキャラクタービルディングというもの。我々は後悔ばかりではなく、しっかりとした準備をして次の試合を狙っていく」。
 試合後、無言のまま足早にバスに乗り込んだ選手たち。狭山寮に戻ると食堂でメンバーだけの緊急ミーティングが開かれた。以下は口々に放たれた選手たちの言葉。
 「プライドを持って戦えていなかった。チームの誇りも、責任もどこにも何もなかった」。
 「戦術云々、スキルがどうのという問題じゃない」。
 「タックルにいけないなんて気持ち以前の問題」。
 「それができないヤツは、二度とグラウンドに立つ資格はない」。
 「レフリングのせいにするな。セルフジャッジする前に体を動かそう」。
 「ミスして勝手に沈むのはもうやめよう。大声を出すだけでもいい。リアクションしよう」。
 「みんなの、会社の代表としてゲームに出ている自覚が果たしてあったのか」。
 「こんなゲームしていたら、ラガッツは終わる」。
 「誰かがやるんじゃない。一人ひとりの力を束ねないとトップリーグは勝てない」。
 「お金払って応援しにきてくれた人たちに見せる内容じゃなかった」。
 「少しぐらい誉められたからって勘違いするな。オレたちは強いチームじゃない」。
 「失うものはない。次の試合はがむしゃらに行こう。それしかない」。
セコムラグビー部6:小池主将
会見で「変わらなきゃいけないのは選手たち自身」と言い切った小池善行主将
 次のゲームは目の前に迫っている。今季初の大阪ラウンド、相手はラグビー界の雄・神戸製鋼。ラガッツ再生への道を一つに絞るなら、まずタックル。たとえ能力に差があったとしても、タックルだけなら誰にでもできるはずだ。
 かの中日ドラゴンズ・落合博満監督はテレビのインタビューで語っている。「ディフェンスから入っていけば、どんなに戦っても0−0。絶対に負けることはない」。自己犠牲を厭わないタックルは、必ずや観衆の心を打つはずだ。
 「ここでチームが変わらなきゃいけない。もうこんな試合があってはならない」と語気を強めた小池主将。あるべき姿を取り戻すために。とにかく無性に、がむしゃらに。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   サントリーサンゴリアス
前半 後半 得点 前半 後半
0 1 T 3 6
0 1 G 2 4
0 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
0 7 19 38
7 合計 57
15 反則 9
セコムラガッツ アキ サントリーサンゴリアス
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
    山賀 敦之  (PR)     東野 憲照 
    安藤 敬介  (HO)     青木 佑輔 
    千巖 和彦  (PR)     池谷 陽輔 
    沢口 高正  (LO)     早野 貴大前25分
    鈴木 学  (LO)     大久保 尚哉 
    渡邉 庸介  (FL)     篠塚 公史 
    スコット カウチ  (FL)     元 申騎 
    川口 和晃  (NO8)     佐々木 隆道 
    小池 善行  (SH)     田中 澄憲 
    長井 達哉  10(SO)     菅藤 心 
    鈴木 貴士後26分 11(WTB)     小野澤 宏時後2,35分
    升本 草原  12(CTB)     ライアン ニコラス後21分,6/9
    今井 通  13(CTB)     沢木 敬介前10,後10分
    石橋 秀基  14(WTB)     ジャック タラント前41,後30分
    ジェームズ リチャーズ  15(FB)     有賀 剛 
    上野 進  16(R)     山岡 俊 
    石塚 陽介  17(R)     前田 航平 
    セネ タアラ  18(R)     瀬川 貴久 
    堀越 健介  19(R)     上村 康太 
    大野 達也  20(R)     田原 耕太郎 
    白藤 友数  21(R)     野村 直矢 
    下瀬 央輔1/1 22(R)     平 浩二後24分
凡例
後半9分8.川口 → 19.堀越 交替 後半11分7.元 → 19.上村
後半13分10.長井 → 22.下瀬 後半15分13.沢木 → 22.平
後半22分9.小池 → 20.大野 後半17分1.東野 → 17.前田
後半28分12.升本 → 21.白藤 後半22分2.青木 → 16.山岡
後半29分2.安藤 → 16.上野 後半24分9.田中 → 20.田原耕
3.千巖 → 17.石塚 10.菅藤 → 21.野村
   後半27分4.早野 → 18.瀬川

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