SECOM RUGGUTs

2006年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  21 NECグリーンロケッツ  31
トップリーグ 第3節 開催地 松本平広域公園アルウィン
開催日 2006年9月16日(土) キックオフ 16:00

勝ち点奪えずも王者の背中見えた敗戦

鉄壁ディフェンス崩し3トライ奪うも、勝負どころの失点響く

 8月21日(月)、東京・赤坂プリンスホテルで行われた「ジャパンラグビートップリーグプレスカンファレンス」。その席の冒頭で、真下昇チェアマンは「必要なのはボールが大きく動くラグビー。プレーを継続することで、お客様に初めて感動を与えることができる。14チームが画一的ではない、独自性の強いラグビーに目覚めてほしい」と4年目のトップリーグの展望を述べた。
 ボールを動かす。スペースを作って崩す。ここ数年かけてラガッツの目指してきたラグビーは、体の小さい、されどスピードとスタミナで十分勝負できる日本人が、世界に挑む構図にピタリと当てはまる。このスタイルでトップリーグを制することができれば、或いは日本ラグビーの概念をぶち壊すことができるかもしれない。
セコムラグビー部1:フェースガード姿の田村選手
鼻のケガをおして強行出場、フェースガード着用でマスクマンと化したPR田村義和選手【カメラ:志賀由佳】
セコムラグビー部2:小池主将と鈴木貴選手のホットライン
SH小池善行主将のインターセプト、WTB鈴木貴士とのホットラインで逆転トライ
 初めて長野県で開催されることとなったトップリーグ。長野といえば、メダルラッシュとなった98年の冬季五輪、知事の水すまし発言。世界各国からアスリートが集まり、華々しく開催された知的障害者のスポーツの祭典、05年スペシャルオリンピックス世界大会など、スポーツシーンの話題に事欠かない。ラガッツからは、そんな長野が生んだいぶし銀のラガーマン・CTB今井通が今季初のメンバー入りを果たした。
 「今年はなかなか出場機会に恵まれていなかったから、このチャンスを生かそうと考えていた。どんな試合展開になっても必ず出番は来ると信じていた」(今井)。そして、もう一人──。同じく今季初の22人入り、LO生沼知裕。意識するなといっても無理な話だ。9月16日は、兄・生沼元さんの命日。右手のテーピングに記された「元・知裕」の文字。試合前、ラガッツはチーム全員で黙祷を捧げ勝利を誓いグラウンドに飛び出した。
 第3戦、相手は日本選手権連覇中のNEC。トーナメントには滅法強いが、リーグでの優勝経験が一度もないチームだ。序盤、今日はキックオフから気持ちの入ったNECが真っ向勝負を挑んでくる。日本代表NO.8箕内拓郎が執拗にSOのリチャード・アパヌイ目掛けて突進を繰り返すと先制は4分、アパヌイのノータッチキックからカウンターを仕掛け、CTB向山昌利がトライ。7点を先行される。
 しかし、すかさずアパヌイのPGで3点を返したラガッツは12分、NEC得意のゴール前でモールの圧力を耐え凌ぐと、SH小池善行主将が相手のパスを鮮やかにインターセプト。自陣から抜け出し40mを独走する。ディフェンスに追いつかれる寸前にフォローしたWTB鈴木貴士へつなぎ、鈴木貴が残りを走りきって最後はインゴールへダイブ。見事逆転に成功する。
セコムラグビー部3:アパヌイ選手
対面のヤコを仰向けにひっくり返すなど、激しさを体現したSOリチャード・アパヌイ
セコムラグビー部4:升本選手
初のスタメン出場を果たしたルーキーのCTB升本草原、落ち着いたプレーを見せた
セコムラグビー部5:生沼知選手
急きょ出番が回ってきたLO生沼知裕、本人にとっては兄と共に戦った今季の開幕戦
 その後も、普段あまり使い込まれていないサッカー場特有の芝、霧雨のような雨粒が落ちるグラウンド状況に再三、選手が足を取られる場面が見られるが、果敢にボールを動かし鉄壁のディフェンスをこじ開けにかかる。再び逆転を許して迎えた前半終了間際の40分には、ゴール前で得たペナルティでゴールを狙わずタッチに出してトライを取りに行く強気の選択。
 ラインアウトをきっちり取ると縦に長いモールを組んでそのままドライブ。最後はNO.8堀越健介が飛び込んで強風下の前半、わずか4点のビハインドに留めハーフタイムを迎えた。
 理想的なゲーム展開。それを支えた要因の一つはセットプレーの安定だ。この日のスタメン両LO、沢口高正と鈴木学はラガッツが誇る新旧ラインアウトのスペシャリスト。いずれも、マイボールは取って当たり前。ヤンボールは狙って次々に奪う。現代ラグビーの生命線ともいうべきセットでの貢献度は大きい。まだ筆者が小さい頃、ニコニコドー(99年休部)にマルコム・チャンバースというフィジー代表の選手がおり、その高さに驚いた記憶があるが、日本人の体つきも変わったというべきか。特に鈴木学のジャンプは悠に4mは上がっている。このクラスになると別次元の世界だ。
 さて、ようやく風上に立った後半。まずは自陣で相手ボールをターンオーバーすると初スタメンのルーキーCTB升本草原が一旦相手を抜いてからキックを蹴る落ち着きを見せ敵陣へと進出。アパヌイのPGで1点差にまで迫る。強風を生かし、キックを使って相手をゴール前に釘付けにするゲームプラン。しかし、敵陣深くを狙ったキック。微妙なコントロールに狂いが生じてノータッチやダイレクトタッチといったミスが出る。蹴り返してこないと踏んでいたNECはSOヤコ・ファン・デル・ヴェストハイゼンが意図的に外に出さないキックを蹴ってはチェイスの繰り返し。
 次第に思い通りにゲーム運びができなくなってきた。後半、NECは徹底したモール攻勢を仕掛けてくる。前半は耐えたが後半5分にFLスコット・カウチが退場し純和製の布陣になると、モールドライブを止めきれなくなってくる。8分、FLグレン・マーシュにトライを決められ点差を拡げられる。
 なんとしても勝利がほしいラガッツは17分、アパヌイがなんと自陣から約60mのPGを狙い観衆の度肝を抜くが、距離十分のキックもわずかに右に逸れてスコアならず。その後も今年は攻撃だけじゃない鈴木貴が、体格差を感じさせないタックルで対面の窪田幸一郎をシャットアウトすると、スプリングボクスのエリートには負けられないとばかりに、マオリ出身のアパヌイもヤコを仰向けにひっくり返す「お帰りなさい」タックルを見舞う。必死に食い下がりながら反撃の機会を窺うが、31分に痛恨の4トライ目を喫して万事休す。
セコムラグビー部5:今井選手
地元長野でプレーしたCTB今井通、スタンドからは「今井先輩がんばれー」の大声援
 この後、地元出身のCTB今井、さらにはLO生沼を投入して流れを変えようとするがロスタイムに1トライ返すのが精一杯だった。21-31、王者の背中ははっきりと見えたが勝ち点には届かなかった。「ラグビーの根幹を鍛える必要がある。相手に出来てうちが出来ないこと。セットプレーからハードにプレーしてボールをキープする。ターンオーバーを許さない。そろそろ強度の高いトップリーグのプレッシャーに慣れていかないとダメだ」(ウェイン・ラブヘッドコーチ)。
 試合に勝利することはできなかった。しかし、チームは飛躍的に成長を続けている。前へ、前へと歩を進めている。ここ数年、継続的に取り組んできたスタイルで相手を凌駕する日は確実に近づいている。
 昨年のトップリーグでは1試合の平均失点12.3点、平均失トライ数1.3個というダントツ堅守を誇ったNEC。勝ち試合で20点以上取られた試合は一つもなかった。誉められるべきはそのNECから3トライ、21点を奪ったこと。しかし、それと同時に反省すべきはディフェンシブな相手に4トライを取られてしまったことだ。今後続いていく攻撃的な東芝、サントリーの東京ラウンドに向け、プレーの精度を上げていく必要性は否めない。
 「80分間の中で、勝負どころの厳しい場面で勝負できたのがNEC、うちは徹底した戦術に我慢できずミスが出てしまった」(小池主将)。一人ひとりの胸中にさまざまな思いが込められた9月16日。現状の力を突きつけられたラガッツは、これから続く上位陣とのロードに向けどのような準備をしてくるのか。不安よりもおのずと期待が先行してしまう長野の陣だった。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   NECグリーンロケッツ
前半 後半 得点 前半 後半
2 1 T 2 2
0 0 G 2 2
1 1 PG 1 0
0 0 DG 0 0
13 8 17 14
21 合計 31
10 反則 10
セコムラガッツ アキ NECグリーンロケッツ
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
        山賀 敦之   (PR)         久富 雄一  
        安藤 敬介   (HO)         網野 正大  
        田村 義和   (PR)         斉藤 展士  
        沢口 高正   (LO)         浅野 良太  
        鈴木 学   (LO)         熊谷 皇紀  
        渡邉 庸介   (FL)         大東 毅  
        スコット カウチ   (FL)         グレン マーシュ 後8分
        堀越 健介 前40分 (NO8)         箕内 拓郎  
        小池 善行   (SH)         藤戸 恭平 前22分
        リチャード アパヌイ 0/3,PG2/3 10(SO)         ヤコ ファン デル 
ヴェストハイゼン
4/4,PG1/1
        鈴木 貴士 前12分 11(WTB)         石田 由憲 後31分
        升本 草原   12(CTB)         向山 昌利 前4分
        及川 英典   13(CTB)         水田 雄也  
        石橋 秀基   14(WTB)         窪田 幸一郎  
        長井 達哉   15(FB)         大東 功一  
        上野 進   16(R)         水山 尚範  
        千巖 和彦   17(R)         東 考三  
        生沼 知裕   18(R)         宮村 眞也  
        高根 修平   19(R)         横山 洋人  
        大野 達也   20(R)         辻 高志  
        今井 通   21(R)         松尾 健  
        下瀬 央輔 後42分 22(R)         キース ラウエン  
凡例
前半32分 14.石橋 → 22.下瀬 交替 後半0分 9.藤戸 → 20.辻
後半5分 7.カウチ → 19.高根 後半21分 2.網野 → 16.水山
後半23分 2.安藤 → 16.上野 3.斉藤 → 17.東
後半27分 1.山賀 → 17.千巖 後半29分 6.大東 → 19.横山
後半32分 12.升本 → 21.今井 後半39分 7.マーシュ → 18.宮村
後半36分 4.沢口 → 18.生沼    
9.小池 → 20.大野    

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