SECOM RUGGUTs

2006年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  33 ワールドファイティングブル  22
トップリーグ 第1節 開催地 岩手盛岡南公園球技場
開催日 2006年9月2日(土) キックオフ 15:01

新たな歴史の1ページ! 開幕戦白星スタートだ

司令塔・アパヌイ23得点。宿敵ワールドから創部以来初勝利

 忘れえぬあの夏の記憶が蘇る。華やかなトップリーグ開幕戦。その二日前、突然知らされたチームメートの死。悲しみをこらえ、心を一つに闘い続けた戦士たちは1トライ差で敗れた。悔し涙でぐちゃぐちゃになった仲野哲也の、山賀敦之の顔が今もまぶたの裏に焼きついて離れない。
 あれから1年の月日が流れていった。そして──、また楕円球を追う季節がやってくる。
セコムラグビー部1:及川選手
当たりの強さならチーム随一。昨年に続きチーム最初のトライを挙げた及川英典 【カメラ:志賀由佳】
セコムラグビー部2:カウチ選手
来日2年目のスコット・カウチ。鋭い嗅覚と反応で多くの勝利を運んでくれるはず
 開幕戦は13分の1(試合)にあらず。その思いは人一倍強いラガッツ。これまで2度経験したトップリーグの戦いでは、いずれも開幕6連敗スタートを味わった。「昇格組や前年度下位のチームは日程的にも不利を受ける。序盤で勝ち星を得られないことで自信喪失やチーム内不和が生まることもあるし、特に若いチームにとっては、波に乗り切れない大きな要因となっている」(スポーツライター・大友信彦氏)。
 序盤、上位陣との対戦が続くラガッツにとって何が何でも取りたい開幕戦は、くしくも昨年と同じワールドファイティングブルとの顔合わせとなった。昨年の順位は9位と奮わず、ラガッツとさして変わらなかったが、なんといっても開幕8連勝で優勝へまっしぐらだった三洋電機ワイルドナイツを止めたチームである。底力は計り知れない。
 そして、いまさら説明するまでもないが、ラガッツには創部以来、公式戦・練習試合を通じて一度も勝ったことのないチームがトップリーグに4つある。そのすべてが関西のチームだが、中でも最も相性の悪い相手がワールドだ。「これまでは接点でのボール争奪戦、そこで好き放題やられては自滅の繰り返しだった」(FL渡邉庸介)。
 必勝を期して臨んだ初戦。まずはお互い手堅く、静かな立ち上がりを見せる。風下の前半、3点を先行されたラガッツは15分、目下売り出し中のLO丸山隆正のサイズを生かした突破からチャンスを作ると、動きの重い相手FWを揺さぶりペナルティを誘発。これを新司令塔のSOリチャード・アパヌイがポールの真ん中を通すPGですぐさま同点に追い付く。すると直後の18分、今度はハーフウェイ付近から果敢にアタックを仕掛け、ライン際をCTBが抜け出し独走。昨年に続き、チーム最初のトライはこの人、今季WTBからコンバートされ開幕スタメンを勝ち取った及川英典だ。見事、期待に応える活躍で勝ち越しに成功するとここからラガッツの猛攻が始まる。
セコムラグビー部3:小池主将
得意なサイドアタックが出るようになれば小池善行主将、この人本来の動き
セコムラグビー部4:アパヌイ選手
7本のPGを全て決め一人で23得点。今季のチームの浮沈を握るリチャード・アパヌイの右足
 22分、アパヌイの飛ばしパスで裏に出たWTB石橋秀基がゴール前へ詰め寄ると、PGで着実に加点していく。「勝負に勝つためには狙えるところはきっちり狙っていくのがセオリー」と小池善行主将。1トライを返されたが33分には2次、3次とボールを継続し右へ、左へとラガッツのお家芸ともいえるグラウンドをいっぱいに使ったラグビーで相手を振り回す。最後はFLスコット・カウチが飛び込んでトライ。
 その後も追加点こそならなかったが、NO.8堀越健介やCTB艶島悠介がゴール前に迫る突破を見せ、ワンサイドに持ち込める試合内容でハーフタイムを迎えた。
 「前半、取りきれなかったのは集中力がなかったから。この大舞台でのチャレンジを楽しもう。激しさが全然足りない。このチャンスにこのプレーじゃ話にならない」。ウェイン・ラブヘッドコーチの檄を受け、後半もアパヌイのPGで先手を取ったラガッツ。しかし、簡単には行かないのがトップリーグの厳しさだ。この後、ワールドの大反撃が待ち受けていた。
 7分にFLジョージ・スタワーズにトライを奪われると14分、ゴール前で微妙なプレー。インゴールに転がったボールを抑えようと両チームの選手が併走。戻ろうとしたWTB鈴木貴士がノーボール状態でジャージーを引っ張られたようにも見えたが、藤実レフリーの判定は先にボールをグランディングしたワールドのFL・田中正純のトライ。たちまちリードはわずか2点にまで縮まった。
 「あの場面は、正直どうなることかと思った。でもお互いを信じて、規律を守ってプレーするしかなかった」(PR山賀敦之)。さらに、ラガッツは安定しないスクラムで再三ペナルティを取られ、その影響から相手にPGのチャンスを与えてしまう。入れば逆転を許す左中間30mのキック。しかし、このキックをワールドのFB南繁治が失敗。逆に25分、ハーフウェイ付近でペナルティを得ると、ラガッツはアパヌイが迷うことなくゴールを指差し、PGを狙うことを告げる。右中間45mのロングキックは追い風にも乗って、見事成功。リードを5点に拡げるとようやくチームにも落ち着きが戻った。
セコムラグビー部5:互角以上に渡り合うラガッツFW軍
これまで幾度も苦戦を強いられてきたコンタクトエリアでもFWは互角以上に渡り合った
セコムラグビー部6:ベテラン沢口選手、新人高根選手
チーム最年長の沢口高正と新人の高根修平。ベテランと若手が一体となってつかんだ勝利
 終了間際の37分にはこれぞワールドクラスのプレー。ジャッカルの達人・カウチがスクラムからの素早い飛び出しでポイントへ駆け寄ると、強靭な足腰で踏ん張ったままボールに絡む。これにはここまで孤軍奮闘してきたワールドのCTBジョセフ・ヴァカもたまらずノットリリース・ザ・ボールのペナルティ。この後、アパヌイがPGを2本重ね、終わってみれば11点差。相手に勝ち点を1ポイントも与えない(7点差以内の敗戦にはボーナスポイント1点が加算される)完勝で、見事3度目のトップリーグ挑戦で初めての開幕戦白星。宿敵・ワールドから創部以来、初勝利を飾った。
 「圧勝できる試合だったので反省材料は山ほどある。選手それぞれがしっかりとエラーを見直して、次に同じことを繰り返さないように。それでも最後にグラウンドで笑うことができたのは喜ばしいこと。プライドと自信を持って戦ってくれた選手たちを誇りに思う」(ラブヘッドコーチ)。
 大きな、大きな1勝。この2〜3年でラガッツはおそらく、14つのどのチームよりも成長を遂げてきたはずだ。「やっとワールドに借りを返すことができた。なにより開幕戦の勝利は選手の自信になってくれるはず」(小池主将)。悩み、苦しみ、迷い、考え抜いた末に導き出した答えこそがラガッツの進むべき道だ。一つひとつの判断の先にある真実の道程だ。
 今季のトップリーグは開幕節からどのカードも接戦続き。波乱の予感は大いに漂っている。大旋風、台風の目。そんな歯が浮くような台詞はもういい。セコムラガッツは確かな実力を身に付け、練習でできた素晴らしいプレーの数々を試合本番で披露してみせる。確固たる独自性の強いラグビースタイルを色濃く示しながら。
 この先突如、舞台の主役に踊り出たって一向に構やしない。その心積もりぐらいとっくにできている。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   ワールドファイティングブル
前半 後半 得点 前半 後半
2 0 T 1 2
1 0 G 0 2
3 4 PG 1 0
0 0 DG 0 0
21 12 8 14
33 合計 22
14 反則 11
セコムラガッツ アキ ワールドファイティングブル
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
    山賀 敦之  (PR)     前川 賢司 
    安藤 敬介  (HO)     小倉 正隆 
    千巖 和彦  (PR)     藤本 護 
    沢口 高正  (LO)     大内 亮助 
    丸山 隆正  (LO)     大西 亮前24分
    渡邉 庸介  (FL)     ジョージ スタワーズ後7分
    スコット カウチ前31分 (FL)     田中 正純後14分
    堀越 健介  (NO8)     馬渕 勝 
    小池 善行  (SH)     中山 浩司 
    リチャード アパヌイ1/2,PG 7/7 10(SO)     佐佐木 光一 
    鈴木 貴士  11(WTB)     沼田 邦光 
    艶島 悠介  12(CTB)     中矢 健 
    及川 英典前18分 13(CTB)     ジョセフ ヴァカ 
    石橋 秀基  14(WTB)     大向 将也 
    長井 達哉  15(FB)     南 繁治2/3,PG 1/2
    上野 進  16(R)     本多 貴 
    田村 義和  17(R)     岡田 親典 
    セネ タアラ  18(R)     羽根田 智也 
    高根 修平  19(R)     湯井 一義 
    大野 達也  20(R)     長田 剛 
    升本 草原  21(R)     新山 耕平 
    下瀬 央輔  22(R)     織田 己知範 
凡例
後半15分3.千巖 → 17.田村 交替 前半39分3.藤本 → 17.岡田
後半22分2.安藤 → 16.上野 後半9分2.小倉 → 16.本多
後半33分13.及川 → 21.升本 5.大西 → 18.羽根田
後半35分8.堀越 → 19.高根 後半35分8.馬渕 → 19.湯井

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