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2005年トップリーグ

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2005-6年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  26 三洋電機ワイルドナイツ  56
トップリーグ 第12節 開催地 県営熊谷ラグビー場
開催日 2006年1月7日(土) キックオフ 13:00

リーグ最終戦、後半立ち上がりのミスに沈み10位確定

2月の入替戦に向けメンバー再編成。今季総決算として挑む

 またか──。先制された直後のインゴール、いびつに形成された選手たちの輪の中で小池善行と仲野哲也のHB団は、目を閉じても繰り返し再生されるすべての映像、すべての音響の中に身を置き、それが彼らを苛むに任せた。今季、幾度となく味わった苦々しいオープニングには、ラガッツを愛するすべての人たちも倦んでいた。
写真1:堀越選手
写真2:鈴木健選手
 立ち上がり、今季のラガッツはいとも簡単にトライを奪われる。決して誉められたものではない悪い癖だ。力の差が離れているならまだしも、終わってみれば「勝てたのに」という相手に対して、である。リーグ最終戦は2分、自陣で不用意なペナルティを犯し、三洋電機はSOトニー・ブラウンがPGを選択。比較的簡単なキックはポストに直撃する。
 その跳ね返り球を拾った三洋電機は、HO山本貢が悠々とインゴールを陥れる。先制のトライ。9分にもトライを奪われ、開始10分までに14点を失った。「追い詰められてから、力を発揮するのは動物として当たり前の感情。最初からそれができなければ意味がない」(HO安藤敬介)。
 とはいえ、この時点では済んでしまったこと。大切なのはその後の切り替えだ。「慌てる必要など何もない。前半一つでいいからトライを返して折り返そう」。加藤尋久ヘッドコーチの指示は明確だった。選手は落ち着きを取り戻し、ラガッツは徐々に流れを引き寄せていく。ゲームは均衡したままで時計の針が30分を過ぎたが、加藤ヘッドコーチの指示は変わらない。「1本でいい。残り10分全部使っても構わないから取りきれ」。
 ラガッツは追い風を背に、キックで敵陣に入ると、そこからの攻略を試みる。後半戦、絶好調のCTB艶島悠介が粘り強いプレーでコースを走る。タックルされても踏ん張り、一歩でもゲイン、一秒でも長く堪える。これが攻撃のリズム、テンポに呼応した。「いつも同じ気持ちで戦っているけど、終わってみればセコムに入って一番必死だった試合。武神が宿った気がした」(艶島)。
写真7:艶島選手
 敵陣深くに入り込んだラガッツは37分、艶島のプレーからチャンスをつかむとゴール前で連続攻撃を仕掛け、NO.8セネ・タアラが待望のトライをマーク。その直後のロスタイムにはSO仲野がトライを奪い、点差を2点にまで縮めハーフタイムに突入した。
 押せ押せムード。三洋電機の選手たちは憔悴の色を隠せない。スタンドとベンチが一体となり、俄然勢いづくラガッツ。そして、勝敗を分ける残り40分が始まった。まずは敵陣へ、先手だ。ところがキックオフのボールが強風にあおられる。どこに飛んで来る? 前か、後ろか。落下地点がぶれる。急激に失速したボールをタアラの指が弾いてノックオン。開始5秒、いきなりゴール前ヤンボールスクラムのピンチが訪れた。
写真4:小松選手
写真6:安藤
 「準備してきたこと、すべてができるわけではない。理不尽なこともあれば、ゲームでは思いもしないことが起こる。大事なのはその後、その次にチームとして何が出来るか」(斉藤政美コーチ)。直後のスクラム、耐えるラガッツは必死のディフェンスを実らせ、相手のミスを誘いターンオーバーに成功。すかさずカウンターに転じる。ボールを受けたSO仲野の選択は自らタテへ。密集に巻き込まれ、ラックを形成する。
 しかし、次の瞬間──なんで、そんなところからボールが出てくる?──ハンド? 笛は鳴らない。ターンオーバーだ。無人のブラインドサイドを駆け上がった三洋電機LO福永昇三がトライ。12−21、またしても先にスコアを許した。そして、気がつくとあれだけ攻勢だった前半最後のラガッツペースはハーフタイムの時間軸に分断され、もろくも消え失せていたのだった。
 動揺に翻弄されながら、ゲームは再開。息を吹き返した三洋の前へと出る波状攻撃が始まる。9分、CTB山内智一トライ。ブラウンG成功。13分CTB榎本淳平トライ。ブラウンG成功。12−35。ため息がスタンドを包む。あっという間に大勢は決した。
 それでも17分、獅子奮迅の活躍を見せる艶島が鮮やかにラインを抜け、ディフェンスを引きずりながらゴール中央へトライ。反撃のノロシを上げる。「結局は個人が集まってのチームだから、一人ひとりが自分の仕事をどれだけグラウンドで体現できるか。体を当てられないヤツが一人でもいたらラグビーは勝てない。ゲームで鬼気迫る集団にならないと。東芝(府中)とやったNECみたいに」(艶島)。
 そう、最終戦のNECの気迫はすごかった。昨今の日本ラグビー界のターニングポイントである接点での激しく壮絶な楕円球の奪い合い。文字通りの肉弾戦。──あぁ、またラグビーが格闘技になってる── 球技という側面にだって、ラグビーの魅力がたくさん詰まっているのに。と、そんな穿った見方をしていても、彼らのプレーには心を打つものがあった。見習うべき点は多かった。
 あれだけ華奢で可憐なフィギュアスケートの安藤美姫選手でさえ、若干18歳ながら内に秘めた闘争心は計り知れない。昨年末のGPファイナルでは足の小指を骨折していながら、トリノ五輪の代表権を確実なものとし、エキシビジョンの最後には世界唯一無二のジャンプ「4回転サルコウ」を4年ぶりに決めてみせた。アスリートには舞台に上がる「資格」というものがあるのではないか。特に大勢の観客の前でプレーする人間たちには。
写真7:カウチ選手
 終了間際、ラガッツはゴール前の密集からFLスコット・カウチが執念でトップリーグ初トライを決めるもそれまで。30点のビハインドを背負い、ノーサイドを迎えた。
 試合後の加藤へッドコーチ。選手たちに問いかけるように話した。「結果は残念だった。でもこれで諦めちゃいけない。僕たちは勝つまでがんばらなきゃいけない。今日でトップリーグは終わった。入替戦のメンバーはこれからの1ヶ月間を見て決めたい。今までの実績は関係ない。全部リセットして、努力した人間だけを選んで、新しいチームを作り上げる」。
 入替戦。対戦相手はまだ決まっていないが、たとえ、相手にどんな奇跡を起こされたとしても、負けてはいけない一戦。「心底勝ちたいと思っている相手に対して、負けられない者の意地を見せる」(HO安藤)。
 2年ぶりのトップリーグはめまぐるしく展開し、そしてざわついたままで幕を閉じた。来季、この厚き壁をぶち破るためにも、めざすべきものは勝利の二文字。そうシンプルにいえる今なら、ラガッツはすべてを解き放つことができるはず。いつの時代も、歴史は勝者が作る。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   三洋電機ワイルドナイツ
前半 後半 得点 前半 後半
2 2 T 2 6
1 2 G 2 6
0 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
12 14 14 42
26 合計 56
14 反則 14
セコムラガッツ アキ 三洋電機ワイルドナイツ
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
    山賀 敦之  (PR)     山田 貴志 
    上野 進  (HO)     山本 貢前3分
    石塚 陽介  (PR)     相馬 朋和 
    生沼 知裕  (LO)     福永 昇三後2分
    鈴木 学  (LO)     佐藤 剛 
    堀越 健介  (FL)     堺田 純 
    スコット カウチ後38分 (FL)     川口 大前8分
    セネ タアラ前37分 (NO8)     サミュ ヴァハフォラウ 
    小池 善行  (SH)     池田 渉2/2
    仲野 哲也前42分 10(SO)     トニー ブラウン6/6,PG 0/1
    鈴木 貴士  11(WTB)     石川 安彦 
    艶島 悠介後17分 12(CTB)     榎本 淳平後13分
    今井 通  13(CTB)     山内 智一後9分
    石橋 秀基  14(WTB)     三宅 敬後30分
    長井 達哉3/4 15(FB)     吉田 尚史後18分
    安藤 敬介  16(R)     佐藤 明善 
    千巖 和彦  17(R)     宮本 安正 
    小松 元気  18(R)     ルーク トンプソン後42分
    渡邉 庸介  19(R)     江原 和彦 
    セレマイア バイ  20(R)     佐藤 久芳 
    及川 英典  21(R)     中村 雅啓 
    正木 健介  22(R)     田辺 淳 
凡例
後半20分4.生沼知 → 19.渡邉 交替 後半11分1.山田 → 16.佐藤明
後半21分1.山賀 → 17.千巖 後半14分4.福永 → 19.江原
2.上野 → 16.安藤 後半29分5.佐藤剛 → 18.トンプソン
後半28分10.仲野 → 20.バイ 10.ブラウン → 21.中村
8.タアラ → 18.小松   
後半31分11.鈴木貴 → 22.正木   
後半34分13.今井 → 21.及川   

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