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2005年トップリーグ

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2005-6年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  29 神戸製鋼コベルコスティーラーズ  47
トップリーグ 第9節 開催地 愛媛県総合運動公園陸上競技場
開催日 2005年12月11日(日) キックオフ 14:00

立ち上がりが全て。気持ちで神鋼に挑めず

後半は怒涛の猛攻で反撃。鈴木貴士が魅せた2トライ

 この日、一番の歓声は勝負が決した試合終了直前に響いた。後半ロスタイム、44分44秒。ラストワンプレーでインゴールに飛びこんだ小池善行主将のトライに、それまでラガッツというチームの力に半信半疑だったスタンドの観衆からは力強い拍手が送られた。
 例えばマラソンで、下位の選手がなんとか完走できたことに対して送られる、半ば同情めいたそれとは違う。「セコムのラグビーをはじめて見たけど面白いラグビーだった」。神戸製鋼を応援しに来たファンの方でさえ、開口一番この感想。できれば、勝って度肝を抜いてやりたかったところだけに、口惜しい負け戦となった。
写真1:スクラム
写真2:下瀬選手
写真3:神鋼リフティング
 さて、トップリーグ四国初開催。喜ばしいことだ。県協会や地元スタッフの入念な準備があって、会場となった愛媛県砥部町の総合運動公園陸上競技場は大いに盛り上がりを見せていた。
 だが、スタンドは真っ赤に染まり、ラガッツの存在意義とはいったい──。一言、完全なアウェイである。相手は名実ともに日本を代表するチーム・神戸製鋼。関係者、地元のちびっこ達も含め、スティーラーズの敗戦を想像する者など皆無に等しかった。
 作成者の努力のあとがうかがえる地元オリジナルのパンフレット。しかし、チーム名が「セコムラガッズ」となっており思わず苦笑い。記者会見では神鋼七連覇を支えた我らが加藤尋久ヘッドコーチの名を知らぬ地元紙の記者が「古巣と聞きましたが、神鋼に在籍していたのは何年前のことですか? ポジションはどこですか?」などと、とんちんかんな質問を浴びせた。それだけ、ここ松山には両チームの認識の差があった。悪役になりきるには、最高の舞台設定だ。
 序盤、動きの悪いラガッツはチャンレンジャーになりきれない。簡単にモールをドライブされると、ファーストタックルも甘く、エンジンがかかる前にあっという間に3トライを奪われてしまう。「みんな地に足がついていない。浮き足立ってリアクションが遅かった」(SO長井達哉)。
 それでも、ラガッツが時折見せる果敢なアタックにはスタンドから大きな歓声が沸き起こった。次々にボールを動かし、ダイナミックにつなぐスピード溢れる攻撃。これが見ていて面白いラグビーの決め手となる。
 しかし、前半は終了間際ゴールラインに迫りながら結局、ミスでPGの3点止まり。大きく点差を離され後半を迎える。「このバラけた空気はなんだ。もう一度、今何をしないといけないかを全員が考えろ。自分たちの力で修正してみろ」。加藤ヘッドコーチの檄を受けてゲームは後半に突入。それでも立ち上がりはまたしても神鋼に主導権を握られる。
 1分、悪い流れを引きずったまま、ジャパンのWTB大畑大介に見せ場を与えてしまう。ディフェンスを置き去りにする得意のスワーブで抜き去るとそのままゴール真下へトライ。5分にもミスからFBショーン・ウェブにトライを許し30点差をつけられる。
写真4:鈴木貴選手
写真5:バイ選手
写真6:小池主将
 ようやくラガッツが目覚めたのは16分すぎ。相手の飛ばしパスを読んでいたWTB及川英典がインターセプトから独走トライ。反撃ののろしを上げると20分、大畑大介の対面、日本ラグビー界最速スプリンター・鈴木貴士の豪脚が火を吹く。「自分が抜かれてトライされたので、なんとか一本取ってやりたかった」(鈴木貴)。完全にラインが余った状態でボールをもらい、ゴール中央まで運ぶと続く28分。相手ディフェンダーのWTB陣川真也、SH後藤翔太との1対2の局面で一気加速。強引に中央を突きタックルを外すと、そのままインゴールへ。鮮やかに連続トライを決めてみせた。
 終了寸前にも、鈴木貴からのパスを受けた小池主将が、最後は這うようにゴールラインまで走りきってボーナスポイント確保。ロスタイムでの4トライ目は今季3戦目としぶとさを見せ、金星こそならなかったが、10位に一つ順位を上げたところで四国での初開催ゲームを締めくくった。
 「前半、精神的に甘さがあって神戸製鋼というチームに立ち向かうことができなかった。ハーフタイムで修正し、そこから4トライを奪えたのは評価したいが、まだまだ僕らのイメージしたところではない。ラガッツのラグビーを見失ってしまった。いろんな意味でチームがタフにならなければならないということを僕自身、古巣に教えられました」(加藤ヘッドコーチ)。
 二日続けて西日本にミラクルセコムの風は吹かなかった。試合前日には柔道部の吉澤穂波選手(西関東本部所属)が、女子柔道世界一を決める福岡国際女子柔道選手権大会63kg級で優勝。アテネ五輪金メダルの谷本歩実選手が直前に辞退して巡ってきた大舞台で、見事に国際大会初優勝を成し遂げた。ラガッツも続けとばかり、勢いをつけて臨んだゲームだったが如何せん、序盤の大量失点が響いた。
 年下ながら筆者も尊敬する前述の柔道家・吉澤選手が好きだという歌がある。室町時代の「閑吟集」の中に綴られている一節。「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」(何やってんだ、元気がないぞ。一生は夢みたいなもの。やりたいことをやればいいじゃないかの意)。
 ここまできたらもう細かいことなど抜きだ。残り3試合にいい準備をして臨み、泥臭く、激しく戦うだけ。ラガッツの攻撃的なラグビーを、グラウンド上で思う存分発揮してほしい。
 「体は熱く、頭はクールに。まだマイクロソフトカップに行ける可能性は残っている。全部勝って次のステージにつなげたい」(小池主将)。
 この夜、東京は今年最初の雪が少しだけ降った。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   神戸製鋼コベルコスティーラーズ
前半 後半 得点 前半 後半
0 4 T 3 4
0 3 G 3 3
1 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
3 26 21 26
29 合計 47
15 反則 7
セコムラガッツ アキ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
    山賀 敦之  (PR)     平島 久照 
    上野 進  (HO)     松原 裕司 
    竹内 基詔  (PR)     清水 秀司 
    生沼 知裕  (LO)     林 慶鎬 
    鈴木 学  (LO)     ロイス ウイリス 
    渡邉 庸介  (FL)     野澤 武史 
    スコット カウチ  (FL)     松井 祥寛 
    セネ タアラ  (NO8)     伊藤 剛臣前22分
    小池 善行後44分 (SH)     後藤 翔太前26分
    長井 達哉3/4,1/1 10(SO)     山本 大介後24,31分
    鈴木 貴士後20,28分 11(WTB)     陣川 真也前12分
    艶島 悠介  12(CTB)     元木由記雄 
    今井 通  13(CTB)     勝野 大 
    及川 英典後16分 14(WTB)     大畑 大介後1分
    下瀬 央輔  15(FB)     ショーン ウェブ後5分,5/6
    安藤 敬介  16(R)     石井 良昌 
    千巖 和彦  17(R)     南條 健太 
    小松 元気  18(R)     池上 王明 
    岡本 信児  19(R)     ロン クリブ 
    遊佐 和彦  20(R)     西田 陽平 
    セレマイア バイ  21(R)     大門 隼人 
    正木 健介  22(R)     ピエーレ ホラ1/1
凡例
後半17分1.山賀 → 17.千巖 交替 後半14分7.松井 → 18.池上
2.上野 → 16.安藤 後半25分15.ウェブ → 22.ホラ
後半25分15.下瀬 → 21.バイ 後半26分14.大畑 → 21.大門
7.カウチ → 19.岡本 後半31分3.清水 → 16.石井
後半29分5.鈴木学 → 18.小松   

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