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2005年トップリーグ

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2005-6年トップリーグ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  3 東芝府中ブレイブルーパス  73
トップリーグ 第3節 開催地 秩父宮ラグビー場
開催日 2005年10月1日(日) キックオフ 14:00

70点差、不名誉な記録作るもウィークポイント見えた

大敗にも応援団長は前向きに「ラガッツの力はこんなもんじゃない」

 ノーサイドから15分後、敗者、勝者の順番で行われるリーグ共同記者会見。重い足取りで会見場に入ると、加藤尋久ヘッドコーチ、小池善行主将の会見が始まったところだった。
 話に聞き入る記者の中で、一人だけ会見に背を向けパソコンに向かう男の姿が。私がムッとしながらその顔を覗き込むと、なんともタイミングの悪い、知っている顔だ。記者はおもむろに顔を上げ私に言った。「史上最多得失点差ゲームだってよ。トップリーグもセコムがこれじゃあな」。大手新聞社でラグビー担当デスクを務めるこの記者。私の大学時代の大先輩だ。
写真1:下瀬選手
写真2:スコアボード
 開幕から3戦目でようやく東京に戻ってきたラガッツ、相性のいい秩父宮ラグビー場で王者・東芝府中へのチャレンジを迎えた。前節までと大幅にメンバーを入れ替えたラガッツは、FWを純和製の布陣とし、バックスにキック力のある選手をズラリと並べた。SH小池主将−SO長井達哉のHB団。CTBにセレマイア・バイ、WTBにノーマン・リガイリとフィジアンを2枚並べて、FBにはロングキッカーの下瀬央輔を起用した。
 「有効にキックを使いながら、敵陣で勝負をしていく。チャンスがあれば、自陣からでも積極的にボールを動かす」(加藤ヘッドコーチ)プランで挑んだゲームは開始早々、東芝府中のゲームキャプテン・FB立川剛士選手に走られ、あっさりと先制トライを許す。これで3戦連続開始10分までに簡単に失点。立ち上がりの悪さがその後の展開にも悪影響を及ぼしている。
 サイズで劣るラガッツの生命線は、スピード。すべてにおいてスピードを優先することで相手を上回る部分を形成する。ディフェンスでは泥臭く、粘り強くタックルを繰り返すことでまずは王者を慌てさせる。いつもと違う、と思わせて相手のイケイケモードに待ったをかける。「そこまでやれて初めて同じ土俵に上がれる」(小池主将)というもの。ロースコアのゲームに持ち込めば、7点差以内、ボーナスポイントが見えてくるし、そこまでのゲームができれば金星の可能性も広がってくる。
 しかし、ゲームのほとんどの時間をディフェンスに割き、スピードを生かしたプレーをできないまま前半が終了。東芝との対戦では一番のカギとなるコンタクトエリアの攻防で、ことごとく身体の芯・タックルポイントを外され、バックスに走り回られる形となった。
写真3:生沼知選手
写真5:丸山選手
 沈黙するスタンド。しかし、バックスタンドの最前列ではどれだけ点差が開いても大声を張り上げて応援をリードする団長の姿があった。「押せ押せラガッツ〜!行け行けラガッツ〜!」。ラガッツの応援団長・佐藤嘉彦さん。普段はセコムのグループ会社であるセコムホームライフ(株)で営業部長を務めている。
 佐藤団長と聞いて思い出すのは、まだトップリーグが始まる前年。今から3シーズンも前のことだ。2003年1月5日、全国社会人選手権予選プール最終戦、舞台は秩父宮ラグビー場。セコムは、勝てば初の全国大会ベスト8進出が掛かったゲームだった。相手はあの日も東芝府中。
 しかし、周囲の期待とはよそに、ふたを開けてみればゲームは東芝の一方的な展開に。大差のゲームで観客も飽き飽きする中、一人の中年男が騒ぎだした。「おい!セコム、やられてばっかいないでトライ取ってこい!おい、みんなも応援する気があるなら旗を振れ。持ってるだけじゃ宝の持ち腐れだぞ!」。
 ただの酔っ払いか。そう私は思った。その男の叫びはさらにエスカレート。「気合が足らんぞセコム! ちゃんとやれぃ! おい、千秋。お前は一番前へ行って旗振ってこい」。まだ小学生だろうか。娘さんと思われる女の子にまで「旗を振れ」と命じている。健気な千秋ちゃんは「がんばれぇ」と声を出して応援。私はスタンドから野次る観客は大嫌いだったが、この光景には思わず微笑ましく思ってしまった。
 その酔っ払いおじさんこそ、佐藤団長その人である。そのときのわめき(?)がセコムスポーツ後援会長である小林清一郎常務執行役員(セコムホームライフ(株)代表取締役社長)の目に留まり「お前は声が大きいから団長だ」と直々に任命された経緯がある。
 以来、ラガッツの応援にはこの人あり。今では試合中は酒はおろか、声が枯れてもいいように冷水を用意して、選手と同じ気持ちで戦いに臨んでいる。
写真4:堀籠選手
 さてゲームに話を戻そう。ラガッツにも決してチャンスがなかったわけではない。前半、リガイリがインゴールに転がしたチップキックに、WTB堀籠道也が反応し走りこんだが、すんでのところでドロップアウト。さらに、長井の裏へのキックにリガイリが迫るも、追いつく直前でタッチという場面もあった。この2本がトライにつながっていれば、同じ展開にはならなかったはずだ。
 結果的には、前半でリードを拡げ余裕の出た東芝は後半、伝家の宝刀・ドライビングモールで次々とトライを重ね、終わってみれば11トライの大量点につながった。「接点で余裕を持って勝負できていた。うちは思い切ってボールを動かされた方が嫌だったが、今日のセコムはどこかおとなしかった」と東芝府中・薫田真広監督。3-73のスコア、70点差はトップリーグ史上最多得失点差ゲームという不名誉なおまけまでついた。
写真6:終了挨拶
 冒頭の記者のひと言──「このままじゃトップリーグは・・・」。大阪ではラガッツと同じ昇格組の福岡サニックスがトヨタ自動車にリーグ記録となる82点を奪われ大敗した。ラガッツに課せられた使命はトップリーグでの活躍、そして日本ラグビーの発展。まだまだ、これしきの挫折でくじけてはいられない。
 最後は佐藤団長からの熱いエールで締めくくりたい。「ラガッツの力はこんなもんじゃないよ。なぁに、まだあと8つあるからね。見てる人はみんな温かく見守ってるんだから、選手たちは安心してガツンと相手にぶつかっていけばいいんだよ。今度はセコムらしい激しい試合を見せてもらいたいな。最後まで絶対に諦めないでね。実は次の試合あたりやってくれるんじゃないか、なんて勝手に思ってるんだよ(笑)」。
【文責=小谷たけし】
セコムラガッツ   東芝府中ブレイブルーパス
前半 後半 得点 前半 後半
0 0 T 4 7
0 0 G 3 6
1 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
3 0 26 47
3 合計 73
8 反則 10
セコムラガッツ アキ 東芝府中ブレイブルーパス
トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート ポジション トライ ゴール ペナルティゴール ドロップゴール プレーヤー ノート
    山賀 敦之  (PR)     高橋 寛後2,18分
    上野 進  (HO)     塚越 賢 
    田村 義和  (PR)     笠井 建志前29分
    生沼 知裕  (LO)     大野 均後14分
    鈴木 学  (LO)     横山 恒雄 
    渡邉 庸介  (FL)     渡邉 泰憲 
    岡本 信児  (FL)     中居 智昭 
    小松 元気  (NO8)     ニコラス ホルテン 
    小池 善行  (SH)     伊藤 護1/1
    長井 達哉1/2 10(SO)     廣瀬 俊朗前11分,2/2
    堀籠 道也  11(WTB)     ナタニエラ オト 
    艶島 悠介  12(CTB)     スコット マクラウド後12分
    セレマイア バイ  13(CTB)     仙波 智裕 
    ノーマン リガイリ  14(WTB)     平田 倫大前38分
    下瀬 央輔  15(FB)     立川 剛士前3分
    安藤 敬介  16(R)      猪口 拓 
    千巖 和彦  17(R)     大室 歩後26,40分
    丸山 隆正  18(R)     石澤 健太郎 
     セネ タアラ  19(R)     ルアタンギ バツベイ後33分
    大野 達也  20(R)     島崎 正吾6/8
    今井 通  21(R)     吉田 大樹 
    鈴木 貴士  22(R)     松田 努 
凡例
後半9分6.渡邊 → 19.タアラ 交替 前半30分10.廣瀬 → 20.島崎
13.バイ → 21.今井 後半20分2.塚越 → 16.猪口
後半13分2.上野 → 16.安藤 8.ホルテン → 19.バツベイ
後半24分1.山賀 → 17.千巖 15.立川 → 22.松田
後半27分15.下瀬 → 22.鈴木貴 後半23分1.高橋 → 17.大室
後半34分5.鈴木学 → 18.丸山 後半31分14.平田 → 21.吉田
   後半36分6.渡邉 → 18.石澤

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