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トップチャレンジシリーズ

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試合日程/結果

セコムラガッツ  24 豊田自動織機  17
トップチャレンジシリーズ 第2戦 開催地 瑞穂公園ラグビー場
開催日 2005年1月29日(土) キックオフ 14:00

トップリーグ昇格決めた!これが一年間の成長の証だ

土壇場であらゆる困難に打ち勝った歓喜の最終戦

 ようやく吹かれたノーサイドの笛は、四方を海に囲まれた小さな島国の、楕円球をこよなく愛する希望の星たちに、大いなる祝福をもたらした。
 セコムラガッツ、背水の陣で勝ち取ったトップリーグ返り咲き。「長いシーズンだった。この勝利こそが今年一年やってきた成長の証」(渡邉庸介主将)。『ただいま』の声、少し遅れて『おかえり』の返事。始まりは終わりで、終わりは新たな夢へのミチシルベ──。

写真1  2週間前、サニックス戦でよもやの完敗。戦い方を一歩間違えただけでチームは奈落の底へ突き落とされた。目標であった日本選手権の切符はかっさらわれ、残されたドラマは「勝った方がトップリーグ昇格」という天国と地獄をまたぐ過酷な戦いだった。
 だが、負けて学んだことがあった。周囲のプレッシャーは想像以上にチームに圧し掛かってきたが、選手たちは努めて「ラグビーを楽しむ」(鈴木貴士)ことを意識した。「楽しむ」などという言葉を気軽に用いると、時代の先人からは少し履き違えられて耳に届くかもしれない。魂だとか、根性だとか、そういう精神論に重きをおく国民性。楽しむ=ENJOYなど「もってのほかだ」、と。
 しかしながら、世は平成。日本男児は立派に生まれ変わった。アテネ五輪でメダルをごっそり持ち帰った日の丸選手団のように、ラガッツの選手たちにも愛するラグビーへの本質理解が、慈愛がようやく備わったのだ。昨シーズン、何度も叫ばれたゲーム中の修正能力のなさ。リーダー不在によるパニック症候群。それを突き破るレベルにようやくチームは達していた。
写真3  本音をいえば、真のリーダー・精神的主柱の渡邉主将をケガで欠き、到底「楽しむ」とは違った感情が先立ったであろう。「絶対勝つ」という使命を背負い、選手はそれに真っ向から立ち向かった。先制されてもすぐに追いつき、フレティ・マホニとイノケ・アフェアキの両外国人が交互にピック&ゴーを繰り返してFWを引っ張る。今季初スタメンのベテランHO上野進は、セットプレーでゲームの手綱を握る。リードを許したままでハーフタイムとなったが「声も出ていたし、伝わってくるものを感じた。今日は試合前から勝利を確信できた」(浅野和義コーチ)。

写真4  後半同点に追いつくと、そこからはプレーのすべてが今季の集大成だ。ボールを動かす。モールを押し込む。スペースを生み出す。ミスもあった。あわやシンビンという危険なシーンもあった。それでもこの日のヒーローは絶対的にラガッツだった。遠征に滅法弱いジンクスなど試合中、選手は微塵も感じさせなかった。27分、小池善行がゴール真下へ勝ち越しのトライ。とどめは34分、鈴木貴士が歓声と悲鳴の入り混じる中、インゴールに滑り込んだ。
 延々と17分も続いたロスタイムがせっかくの名勝負にしらけた空気を生み、フィジーの英雄、ビリアム・サタラ選手めがけタックルに入った齊藤泰裕が意識を失い倒れこむと、ノーマン・リガイリまでが負傷退場。選手たちは足がつりながら、最後は14人でトップリーグの資格を守り抜いた。
 歓喜の瞬間、誰もが笑顔だった。そしてうれし涙があった。不思議なものだ。一度こうして降格したがために、こんなにも豊かな感情を持って一年を過ごすことができた。
 来季、再びトップリーグへ──。「チャレンジャーとして一つでも多くのゲームに勝てるようがんばりたい」(加藤尋久ヘッドコーチ)。一昨年の初陣、自動降格の辛酸をなめた。来季、チームは創部20周年の節目を迎える。「もう二度と同じ過ちは繰り返さない。今は早くトップリーグのチームと試合がやりたい」(小池)。
 栄光に近道なし。2005年のセコムラガッツに幸あれ。
【Text by 小谷たけし】

写真2

セコムラガッツ   豊田自動織機
前半 後半 得点 前半 後半
1 3 T 1 1
1 2 G 1 1
0 1 PG 1 0
0 0 DG 0 0
7 17 10 7
24 合計 17
16 反則 17

セコムラガッツ アキ 豊田自動織機
トライゴールペナルティゴールドロップゴールプレーヤーノート ポジション トライゴールペナルティゴールドロップゴールプレーヤーノート
    山賀 敦之  (PR)     曽和 裕雅後56分
    上野 進  (HO)     土井 勝人 
    石塚 陽介  (PR)     飯干 陵 
    澤口 高正  (LO)     石川 茂幸 
    I.アフェアキ  (LO)     D.ワラー 
    川口 和晃前14分 (FL)     三治 清敬 
    齊藤 泰裕  (FL)     松岡 毅 
    F.マホニ  (NO8)     一本杉 仁志 
    小池 善行後27分 (SH)     後藤 和彦1/1,1/1
    長井 達哉1/1,1/1 10(SO)     A.モナハン前3分
    正木 健介  11(WTB)     細野 亮 
    及川 英典  12(CTB)     佐々木 秀樹 
    今井 通  13(CTB)     夏山 昌利 
    鈴木 貴士後34分 14(WTB)     栗須 毅 
    下瀬 央輔2/2 15(FB)     横井 寛之 
    安藤 敬介  16(R)     棚原 恒太郎 
    千巖 和彦  17(R)      堀江 芳裕 
    竹内 基詔  18(R)     朝倉 祐輔 
    S.タアラ  19(R)     M.マリー 
    脇屋 洋一  20(R)     丹生 雅也1/1
    鈴木 健  21(R)     平井 秀明 
    N.リガイリ  22(R)     V.サタラシンビン : 後33分
凡例
後半16分8.マホニ → 19.タアラ 交替 後半0分1.曽和 → 17.堀江
後半21分10.長井 → 21.鈴木健 2.土井 → 16.棚原
後半24分2.上野 → 16.安藤 5.ワラー → 19.マリー
後半32分5.アフェアキ → 20.脇屋 後半10分12.佐々木 → 21.平井
11.正木 → 22.リガイリ 後半30分3.飯干 → 1.曽和
後半43分3.石塚 → 18.竹内 9.後藤 → 20.丹生
後半48分7.齊藤 → 17.千巖 13.夏山 → 22.サタラ
   19.マリー → 18.朝倉

●試合前
狭山グラウンドでジャージー授与式。選手は名古屋料理でゲンかつぎ?!

写真5  試合二日前。チーム全員で行なう最後の練習でジャージー授与式を行なった。選手たちは一人ひとりが決戦への意気込みを語り、試合に出場できないみんなの分までと強い決意を胸にした。
 前日名古屋入りした選手は試合会場を視察し、夕方市内のホテル入り。その日の夜や翌朝の食事で出された名古屋の名物料理の数々。選手たちは名古屋コーチンの手羽先で勝利を「トリ」に行き、みそかつでゲームに「勝つ」。きしめんにはねぎをかけて、1年の練習の労を「ネギ」らい、たっぷりのかつおぶしを乗せて「勝つ、オー」とゲンをかついだとか、かつがなかったとか・・・。

●試合後
大盛り上がりの祝勝会。選手も仲間もこの日ばかりは、と夜通しの宴!

 試合終了から1時間半後。選手たちはバスで久屋大通に到着。地元のセコムの仲間が待つ懇親会会場へと到着。「ようこそ中部本部へ」の垂れ幕の中、今後人気チームへと成長していくためにはまずは社内の仲間の支援があってこそ。利き酒大会などで交流を深め、20時にホテルへと戻った。
 勝利とシーズン終了の安堵感からか、疲れを知らない選手たちはホテルから50mと離れないところにある渡邉庸介主将の実家へとなだれ込んだ。渡邉主将が生まれる前から開業していたという中華料理屋「福水園」でチームそろって昇格を祝った。夜が更けてもその賑わいはいつ終わるともしれず続いたのだった。

写真6 写真7 写真8

勝利の雄たけび、出場した22人の喜びのコメント
山賀 敦之「次の日に新聞を見たり、お祝いメールや知人から手紙をもらったりして、じわじわ実感がわいてきた」
上野 進「応援に来てくれた方も、来られなかった方も、みなさんの声援に本当に感謝してます。勝てて心底ホッとしました」
石塚 陽介「前半自陣にいても点を取られなかったのが大きい。後半絶対に流れがくると信じてました」
澤口 高正「来年はまた厳しいシーズンになるけど、それだけ努力のしがいもあるってこと。上のチームを倒すのが楽しみ」
イノケ・アフェアキ「みんなとても良いパフォーマンスをしていて楽しかった。仲間たちにありがとうと言いたい」
川口 和晃「いけることまで行こうとどんどん前に出た。チームの代表として戦って昇格できたことがうれしい」
齊藤 泰裕「(脳震とうで退場し)ノーサイドの瞬間フィールドに入れなかったことに悔いが残る。来年はトップリーグで通用するよう体重100kgをめざす」
フレティ・マホニ「今年最後の試合で力を出し切れた。この2年間でラガッツはタフなチームに成長した」
小池 善行「昇格という目標を達成できたことのうれしさと、日本選手権にいけなかったことの悔しさが半々」
10長井 達哉「アウェーで戦ってる気が全然しなかった。みんなの応援が何よりの励みになりました」
11正木 健介「自分自身のプレーには満足がいかない。来年はトップリーグでナンバーワン・オンリーワンになる」
12及川 英典「(CTBにコンバートされ)色々と勉強になった一年でした。トップリーグの舞台に戻れてホッとしました」
13今井 通「セコム大応援団の前で昇格を決めることができてうれしい。応援ありがとうございました」
14鈴木 貴士「試合中声を出しても応援がすごくて聞こえなかった。すごい気持ちよかったし、めちゃめちゃ楽しかった」
15下瀬 央輔「応援ありがとうございました。トップリーグに上がったことに満足しないでこれからもがんばります」
16安藤 敬介「(手首の手術から驚異の復活を遂げた裏のMVP)あの場に立てたことを誇りに思う。来年はトップリーグで勝てるFWを作る」
17千巖 和彦「前の晩は緊張して眠れなかった。昇格のかかった大事な試合にメンバーとしてその場に立てたことがうれしい」
18竹内 基詔「(FWの大黒柱も7戦ぶりに復帰)相当プレッシャーのかかる試合だったが、勝ててよかった」
19セネ・タアラ「最後の試合に勝てて本当によかった」
20脇屋 洋一「(ノーサイドの瞬間、グラウンドでたまらず号泣)プレーしててこれほどまでに応援が後押しに感じたことはなかった」
21鈴木 健「通過点ではあったけど、結果には満足してます。本当の意味で来シーズンが進化の年だと感じました」
22ノーマン・リガイリ「チームをトップリーグへ導くことが私の目標でした。昇格できたのはハードな練習の賜物です」

写真10 写真11
写真12 写真13


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