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2005 Hot News

開幕直前特集【トップリーグ2003☆激闘プレイバック】

 まもなく始まるトップリーグ2005。ラガッツにとっては、2年ぶりのチャレンジとなるステージだ。開幕を目前に控えた今、ここでもう一度、一昨年のトップリーグ初年度における戦いの記録を振り返ってみたい。出典は、現在チーム広報を務める筆者が、まだラグビー部入部前(本社グループ戦略室所属)だった当時、社内報に寄せた原稿より。

〜あの日の痛みを胸に、再びラガッツの大いなる挑戦がはじまる

 忘れたことなど一日もなかった。新たなラグビーへのチャレンジを、トップリーグ元年の大舞台でスタートさせた03年度シーズン。さまざまな葛藤が織り成す戦いは、喜びと感動に満ちあふれ、しかし最後には残酷なエピローグが待っていた。あの日のこと──。

第1章 殴りこみ
 日本ラグビー界が大きく変わろうとしている2003年。最大の目玉となる全国社会人リーグ「ジャパンラグビートップリーグ」が華々しく幕を開けた。その夢舞台に立ったセコムラガッツは、今季から指揮を取る加藤尋久ヘッドコーチの下、戦術にとらわれず、個々の判断を重視したスタイルに取り組んでいる。惜しくも開幕連敗スタートとなったが、チーム改革は着実に進み、後半戦の巻き返しに期待したい。
開幕戦で新たなスタイル貫く
22人
 デザインの一新された純白のジャージーに残暑のきつい日差しが降り注ぐ。
 9月15日、ラガッツは秩父宮ラグビー場で、確かな一歩を踏み出した。初戦の相手は優勝候補の一角、東芝府中ブレイブルーパス。ゲームキャプテンを務めた仲野哲也は、こう振り返る。 「夏合宿の最後でリコーに勝って、調子も上がってきた。東芝とはずっといい試合してきたし、開幕戦であれだけの観客でしょ。やってやろうと思ったよ」。
東芝
 14時01分、キックオフ。仕掛けたのは畑山幸彦、堀籠道也ら入社2年目の若い選手だった。CTB艶島悠介のパスがビックゲインを呼び込むと、思い切りのいい動きでトライシーンを演出。序盤の大量失点が響き、金星こそは逃したが、春から継続して取り組んできた「ボールを動かす」ラグビーを実践。プレーの決断と徹底が、順調な出発を物語っていた。
 ところが、近鉄との第2節。不意につまずきが訪れる。勝利を意識したあまり「敵を前にした途端、みんな足が止まっていた」(小池善行)。
 集中力を欠き、いとも簡単にボールを奪われる。得意のスクラムがインゴールまで押し込まれた瞬間、選手たちは「トップリーグ」に向けた練習がまだ3ヶ月足らずだったことに気づかされた。
 「簡単には変われない。ラグビーは実力が正直に点差に現れるスポーツ。すぐに勝てるほど、日本のレベルは低くない」(加藤ヘッドコーチ)。最低でも開幕1勝1敗のもくろみは崩れ、周囲からの雑音は否応なしに選手の耳にも届いた。
 「強いFWはどこへいった」、「新しいラグビーなんてこの程度のものか」。なぜ勝てなかったのだろう・・・そんな憤りだけが選手の胸に渦巻いていた。
心動かしたノックスの姿
ゴメス
ノックス
 10月、ワールドカップ開催によるリーグ戦中断の間、ラガッツは熊谷で合宿を張った。「今、何をするべきか。正直、もうあとがない」(生沼元)。ディフェンス面での立て直しを図ろうと激しい練習で泥にまみれ、夜は12時すぎまでミーティングを行い、コミュニケーション不足を解消。チームに足りないものは何なのか。それだけを必死に手繰り寄せようとしていた。
 時を同じくして、オーストラリアはキャンベラ。ラガッツFWの中軸、イノケ・アフェアキはトンガ代表の主将として、ワールドカップを戦っていた。予選プールのイタリア戦、すさまじい形相でタックルに入ったアフェアキの体は鈍い音を残し、そのまま担架で運ばれていった。
 ブラウン管を通してその光景を見ていた加藤ヘッドコーチは選手を集めて言った。「ノックス(アフェアキ)のあんなタックルを日本で見たことがあるか。国を背負って戦うというのはこういうことだ」。
 チームに誇りを。自分に勇気を。
 「もうこれ以上、恥ずかしいゲームはできない」(渡邉庸介主将)。創部以来18年、同じように連敗で苦しむ時期は幾度となく訪れた。そんな折、ファンからの激励の声は、いつもチームに温かかった。手紙も届いた。中には、不甲斐ないプレーへの叱責から、采配批判に至るものまで。それでも最後には必ずこう記されていた。
 <また、試合を観に行きます>。
 「みんな一人でラグビーをしているわけじゃない」(浅野和義コーチ)。応援してくれる人への感謝を忘れず、セコムグループの代表として前を向いて戦う。ラガッツは忘れかけた大切なものを取り戻した。
今は気持ちで負けない戦いを
 「みんなこの1ヶ月でよく考えるようになった。本音を言えばもっと早くできていれば、とも思うけどまだ2試合終わっただけのこと。これからが本当の勝負だから」(艶島)。
 ラガッツが「トップリーグ」の頂点を懸けた戦いに加わるのは、もう少し先になるだろう。だが、いずれは日本一を狙うチーム。今は強豪相手にハートで挑み、心ありきで番狂わせを演じる試合があってもいい。
 かつて、ある名指導者は言った。「楕円球を追いかける者は楽しく、苦しく、美しく」。ラグビー、すなわち“楽苦美”と。悩み苦しみ抜いた末には必ずや明るい未来が待っているはず。逆境に立ち向かうチームには、ためらいよりも予感が似合う。
【出典】社内報「セコミティ」531号より

第2章 遠すぎた初白星
 「ジャパンラグビートップリーグ」元年に挑む今季。ラガッツはサントリー、神戸製鋼という強豪相手に大善戦を演じる。わずか1年での急激な成長を目の当たりにし、周囲の評価は一変した。自分たちのスタイルを貫けば必ず勝てる。そう信じて残された試合に全力で立ち向かう。
サントリー、神戸製鋼に肉薄
加藤HC
 キックオフの時刻をとうに過ぎても、その扉は固く閉ざされたままだった。試合前のロッカールーム。
 「今、ここでチームが一つになろう」。加藤尋久ヘッドコーチを中心に意思統一を図っていた選手たち。レフリーに促され4分遅れで姿を現したその表情からは、戦いに挑む闘志がにじみ出ていた。
 11月9日、福島県のいわきグリーンフィールド。開幕連敗で沈滞ムードだったラガッツは、サントリーの前で蘇生する。
 王者への挑戦はいたってシンプルなものだった。前半、風上に立ち、キックで相手を敵陣にクギ付けにする。接戦に持ち込めば、いずれチャンスは訪れる。
 「同じ人間同士、勝てないはずはない」(澤口高正)。
 思い描いたプランは、ピタリとはまった。激しい出足で相手の攻撃を寸断し、ボールを奪って一気に攻め立てる。3点ビハインドで折り返した後半1分には、FB長井達哉のトライで逆転。前年、106失点を喫した相手に、堂々の試合を演じた。
 「厳しいゲームになるのは覚悟していたけど、正直リードされるとまでは思っていなかった」(サントリー・永友洋司監督)。最後は再逆転を許して敗れたが、試合後、初めてサントリー側から練習試合の申し込みを受けるまでに。両者は1月後の11月29日、サントリーの府中グラウンドで再び相まみえた。
 「やっとセコムもトップリーグの一員として認められたということ」(加藤ヘッドコーチ)。
 セコムは変わった。そんな声がいつしかスタンドのあちこちで聞かれるようになっていた。

ラガッツから生まれた第一子
神戸前田
生沼元
 王者への肉薄から5日後、チームに嬉しい知らせが舞い込んだ。セコムラグビー部初の女性スタッフとして、12シーズンに渡りチームを支えてきた総務の北理奈さんに、待望の第一子が誕生したのだ。
 予定日よりも2ヶ月あまり早い出産に「サントリー戦を見て、お腹の中で興奮したのかも」と北さん。ラグビー部OBである真樹氏(東京本部新橋統轄支社主任)との間にできた赤ちゃんの名前は「真麻理(まおり)ちゃん」。二人を結んだラグビーにちなんで付けられたその名は、セコムが初めて海外遠征を行った地、ニュージーランドの先住民マオリ族から取ったものだ。
 新たな生命の誕生に勢いを増したラガッツは、続く神戸製鋼戦でも前半リードを奪う好ゲームを演じる。第5節の三洋電機戦では、兵庫をはじめ近畿・大阪・中国の各本部・事業部から総勢700人を超える仲間が詰めかけ、チームに大きな声援を送った。
 だが、どうして初勝利は遠かった。
 「勝利をプレゼントせなあかん人がたくさんおるのに・・・。もうどうしたらええんやろ」(長井)。早く白星がほしい。それが何よりの自信に繋がる。選手たちの切実な思いは、限界点にまで達していた。
信念を貫く戦いの先に光が
 迎えた第6節、リコー戦。ケガ人続出の中、左手小指の骨折で欠場していたSH小池善行が強行出場を志願する。
 「チームのためにも、やれることはすべてやっておきたい」(小池)。急きょ、骨を固定していたピンを抜いて登場すると、皆の気持ちを代弁するかのように体を張ったプレーでゲームをリードする。前半7分、先制トライも手負いのSHから生まれた。
 「もう負けも善戦もいらない」(小池)。同点で折り返したものの、後半はリコーに引き離される展開。ロスタイム直前、小池が再びゴール真下に飛び込み19−29。そして・・・、ノーサイドの笛はあまりにも残酷に鳴り響いた。
 トップリーグ。下位2チームはリーグからの自動降格という厳しい現実が待ち受ける。勝ちが4点、負けは0点の勝ち点制で順位を決め「1試合4トライ以上」、「7点差以内の敗戦」には、ボーナスポイントが与えられるシステムだ。
 試合後の記者会見、加藤ヘッドコーチが重い口を開いた。「ボーナスポイントを稼ぐために、強い相手には100点取られてもいいから4トライを狙うという考え方もある。でも物事には順序がある。セコムは今年1年間かけてチームの土台を作っているところ。うちが今、それをやったらチームが根底から崩れてしまう。目先の「勝ち点1」よりも、まず一つの「勝利」をめざすこと。選手たちはよくやっている」。
 セコムラガッツ、6戦いまだ勝ち星なし。だが、その歩みは、着実に前へと進んでいる。歌や詩にもできないような希望と絶望のはざまで、勇敢な戦いの日々は続く。
 その答えはもうすぐ出る。
【出典】社内報「セコミティ」532号より

第3章 そして結末へ
ファン
 日本一になるために、あえてチームスタイルを変えて臨んだトップリーグ元年。だが、開幕からの連敗が響き、最終戦で無念のトップリーグ降格となった。それでも、チーム戦術が浸透した後半戦は、今まで歯が立たなかったトップチームから勝利を挙げ、進むべき方向の正しさを証明してみせた。1年後のトップリーグ復帰を胸に、セコムラガッツの頂点をめざす戦いはこれからも続く。
チームの力を信じた勝利の味
善行
ブライアン
クボタ
 冬の訪れ、告げる木枯らし。寒風吹きすさぶ秩父宮ラグビー場に、若さあふれる力が熱を注いだ。
 「まぐれじゃない。ひたむきに自分たちのラグビーを貫いた証し」(澤口高正)。待望のトップリーグ初勝利の相手は、前年度の日本選手権覇者からだった。
 第7節、対NEC。「春からの積み重ねがようやく形になってきた」(齊藤政美コーチ)ラガッツは、およそ6連敗していたチームとは思えない鋭い出足を見せる。突き刺さるタックルが相手の戦闘意欲を削ぎ、モール、サインプレーと局面に応じた攻撃で効果的にスコアを重ねる。
 「思い切って勝負できた。ラグビーに答えなんかない。0点にするのも100点にするのも自分次第。最後までチームの力を信じて戦ってくれた」(加藤尋久ヘッドコーチ)。後半は、気づけばNECを零封。切れない集中力で王者を粉砕すると、ここからチームの快進撃は始まった。
 続く、福岡サニックス戦。得点こそ僅差での決着となったが「すべてにおいて相手が上だった」と福岡サニックスのアラン・ペネヘッドコーチ。最後は、絶体絶命のピンチを相手の信じられないミスに助けられ連勝。勢いに乗ったセコムラガッツに、勝利の女神も優しく微笑んだ。
 二つの勝利は、チームに大きな自信をもたらす。「最近、個人練習の時間が増えたな」。全体練習の後、完全に日が落ちたグラウンドで、選手たちは気のすむまで体を動かした。「練習は強制されてやるものではないことを、自分たち自身で気づいてほしい」。そう心の中で願っていた加藤ヘッドコーチも目を細める。
 年明け3日のクボタ戦でも、ラガッツは自然に、泥臭く相手に絡んだ。立ち上がりこそリードを許したが、強力な相手外国人選手の突進をしのぐと、一気に流れを手繰り寄せる。「プレーにこだわりが出てきた」(FL前田貴洋)。逆転した後半は、FB石橋秀基の4試合連続となるトライで突き放し、粘るクボタを振り切った。
待っていたドラマの果てに
セネ
チーム代表
 破竹の3連勝。NEC、福岡サニックス、クボタはいずれもリーグ戦で創部以来初勝利となる相手ばかりだ。
 「今まで勝ったことのない相手に勝つというのは大変なこと。それだけに前半戦の取りこぼしが悔やまれる」(廣畠登元部長)。この時点で9位まで順位を上げたラガッツだが、続くヤマハ発動機戦には惜敗。リーグ残留は最終戦に委ねられた。
 ── 1月25日、ワールド戦。この試合に勝てば入替戦出場、しかし敗れればリーグから自動降格となる。運命の神戸ウィングスタジアム、今季最多12,000人の観衆を前に、生き残りを懸けた戦いの幕は切って落とされた。
 序盤、ボールを支配したフィフティーンはSO仲野哲也を基点に、確実にゲインラインを破っていく。だが、再三ゴール前へなだれ込みながら、あと一歩が届かない。「前半一つ取れていれば、あるいは違う展開になっていたかもしれない」(CTB今井通)。
 一方のワールドはワンチャンスをモノにし、次々とトライの山を築く。
 「関西のラグビーに不慣れなところを最後まで修正できなかった」(渡邉庸介主将)。ブライアン・リマがいない。長井達哉がいない。流れを変えるインパクトプレーヤーまでをもケガで欠いたチームは、最後に1トライ返すのがやっとだった。
 最終成績3勝8敗、勝ち点15で11位。セコムラガッツの来季、トップリーグ自動降格が決定した。
 泣き崩れる選手たち。それでも応援に駆けつけた仲間はわかっていた。必死に変わろうとした1年。ラグビーの質が変わり、気持ちがみなぎり、一心に戦った。結果は結果、胸を張れ。ただ、わずか一年で何もかもを実行するには、あまりに時間が足らなかった。
人知を超えた1年を忘れない
石橋
 来季、トップリーグの舞台にラガッツの姿はない。選手たちの胸の片隅に残るトゲも消えることはないだろう。
 だが、チームは走り出した。狭山グラウンドには自然と人が集まり、タッチフットで汗を流す毎日を送っている。「めざす方向性は間違っていなかった。弱かった時代を知っているオレたちが引っ張って、もう一度強いチームを作ってここに帰ってきたい」(PR山賀敦之)。
 今年1年間の人知を超えたドラマ。その裏にあった日常のかけら。新たな出会い。挑戦、挫折、勝つ喜び。涙・笑顔。愛すべき仲間。そして、1月25日神戸。すべてを忘れない。
 1年後、必ずこの場所に戻ってくるために。

【出典】社内報「セコミティ」534号より

 ── 約束通り、再昇格を果たした2005年。開幕戦の相手はワールドファイティングブル。
 いざゆけラガッツの男たち。もう、言葉はいらない。
【文責=小谷たけし】
トップリーグ2003   3勝8敗 11位
  月日 対戦相手 会場 勝敗 得点
第1戦 09月15日 東芝府中ブレイブルーパス 秩父宮ラグビー場 24-78
第2戦 09月21日 近鉄ライナーズ 近鉄花園ラグビー場 21-38
第3戦 11月09日 サントリーサンゴリアス いわきグリーンフィールド 21-47
第4戦 11月15日 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 近鉄花園ラグビー場 27-45
第5戦 11月24日 三洋電機ワイルドナイツ 神戸ウィングスタジアム 14-30
第6戦 12月06日 リコーブラックラムズ 秩父宮ラグビー場 19-29
第7戦 12月13日 NECグリーンロケッツ 秩父宮ラグビー場 37-10
第8戦 12月20日 福岡サニックスボムズ 秩父宮ラグビー場 34-28
第9戦 01月03日 クボタスピアーズ 秩父宮ラグビー場 28-24
第10戦 01月10日 ヤマハ発動機(ジュビロ) ヤマハスタジアム 25-40
第11戦 01月25日 ワールドファイティングブル 神戸ウィングスタジアム 10-36

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