その他安全 2016年06月08日

第207回【インタビュー】万が一に備えよう!プロから学ぶAEDの使い方

こんにちは。6月にはいると梅雨前線が少しずつ北上してきますね。最近は、さまざまな色や形のレインブーツが販売されています。なんとなく気分が上がらない雨の日ですが、今年は、逆に、雨の日ファッションを楽しんでみよう!とおしゃれなレインブーツを探しているところです。

2016.6.08更新

AED(自動体外式除細動器)を知ってはいても、いざ使い方となると、「分からない」という方や「難しそう」と思い込んでいる方が多いようです。そこで、今回はセコムグループでAEDや高齢者向けサービスなど医療・福祉に関連するサービスを担当する部署で、AEDのご契約先向け講習会「セコムAEDスキルアップサービス」も担当するセコム㈱特品部の土田勇美さんと小泉英之さんに心肺蘇生法とAEDの使用方法を教えてもらいました。

プロフィール
写真:セコム株式会社

◆セコム株式会社 特品部
土田勇美さん(写真左)

2009年入社。
AEDのサービス展開、講習会を担当。


◆セコム株式会社 特品部
小泉英之さん(写真右)

2010年入社。
高齢者向けサービスとAEDの講習会を担当。

万一のときに、AEDを使える自信を持とう

Q
AEDとは、聞いたことがあるけれど、実際にどのようなときに使えるのか知らない方も多くいらっしゃるようです。まず、AEDを使用することで得られる効果を教えてください。
A
小泉:心臓の動きが正常でなくなった時に、電気ショックを与え、動きを正常に戻すための医療機器です。たとえば心臓突然死は、心室細動や心室頻拍といった不整脈により、心臓が突然、正常でない動きをしてしまうことが原因で起こります。これらの不整脈に有効な手段となり、医療に従事していない一般の方でも使用できるのがAEDです。
Q
土田:人が倒れてからすぐに救急車を呼んでも、到着までに平均で約8分かかります。また、心室細動や心室頻拍といった不整脈が起こると、発生から1分経過するごとに助かる確率が7~10%減るといわれているため、1分1秒でも早くAEDによる電気ショックを与えることが重要なのです。
Q
では、倒れている人を見つけたときに、まずどのように対応すればいいでしょうか。
A
小泉:傷病者を見つけたら、AEDを使用するために次の対応を行ってください。
1) 周囲の安全確認
2) 反応の確認
3) 応援を呼ぶ
4) 呼吸の確認
5) AEDが到着するまで心肺蘇生を実施
その後、AEDを使用します。
はじめに、傷病者に近寄っても大丈夫かどうか、周囲の安全確認をします。その後、傷病者の肩をたたきながら、耳元で普通の大きさの声で呼びかけながら反応を確認し、徐々に声を大きくしていきます。反応がなければ、周囲へ助けを求めます。助けがきたら119番通報とAEDの搬送をお願いしてください。AEDが到着するまでの間、呼吸を確認し普段通りの呼吸がなければ、胸骨圧迫をしましょう。胸が約5cm沈み込むくらいの強さで1分間に100回から120回の速さで絶え間なく行うことが大切です。胸骨圧迫を絶え間なく続けることは、体力を使うので、周囲の人と協力して複数人で交代で行うことも大切です。
胸骨圧迫は、手の力ではなく体重を使って行うことがポイント!と小泉さん、力に自信がない女性でも体重をかければ効果的に行えます。
胸骨圧迫は、手の力ではなく体重を使って行うことがポイント!と小泉さん
力に自信がない女性でも体重をかければ効果的に行えます。
Q
次に、AEDが到着したら、どうすればいいでしょう。
A
土田:AEDの使用方法は、電源を入れ、音声ガイダンスに従うだけです。電源は、蓋を開けると自動でオンになるものもあります。その後は、音声ガイダンスに従い、電極パッドを取りだし、イラストの通りに右胸と左脇腹に貼ります。すると電気ショックが必要かをAEDが自動的に判断してくれます。電気ショックの指示があった場合は、周囲にいる人に離れるように指示した後、ショックボタンを押します。AEDの音声ガイダンスだけでなく、イラストでもわかりやすく示されている機種もあるので、誰でも簡単に使用できます。

画像
Q
倒れている人が女性だった場合、対応にとまどってしまう方も多いかもしれません。同じ女性としてできることは?
A
土田:電極パッドを素肌に貼らないといけないため、女性の場合でも肌着や下着も含め、胸部をはだけさせる必要があります。
人目を避けるために、周りの人に壁を作ってもらうなど、心遣いが大切ですね。また、AEDを使用する際は胸に貼る2つの電極パッドの間に障害物となるようなものがないかも確認してください。たとえば胸元にネックレスなどがある場合は、顔側に上げるようにしましょう。汗などの水分がある場合はふき取ることも忘れないでください。

女性にAEDを使用するときは周りの人や洋服で目隠ししたり、壁を作るなどの心遣いを
女性にAEDを使用するときは周りの人や洋服で目隠ししたり、壁を作るなどの心遣いを
Q
万が一、手術痕があるなど、パッドを貼る位置に躊躇した場合はどうしたらよいですか。
A
小泉:パッドは心臓を挟み込むような位置に貼るので、万が一、胸と脇の下に貼るのが難しかったり、手術痕などで躊躇される場合は両脇の下や、胸と背中でも構いません。また、妊婦や乳幼児、ペースメーカーを使用している方にも使えますので、ためらわずにAEDを使ってください。
Q
「自信がない」と躊躇せずに、周囲の人と協力しながらAEDを使用することが救命につながりますね。他に、気をつけるポイントはありますか。
A
土田:AEDは電気ショックを与えるものなので、通電の際は、周囲の人に「離れてください」と大きな声で指示することが大切です。通電中に触れてしまうと感電の恐れがありますし、傷病者への電気ショックのパワーも落ちてしまうからです。また、通電のあとも、救急車が到着するまでは、胸骨圧迫とAEDの使用を続けます。胸骨圧迫はとにかく、絶え間なく続けることが大切ですが、疲れてくると圧迫の力も弱くなってきます。多くの人と協力しながら行ってください
Q
最後に、読者のみなさんに一言メッセージをお願いします。
A
土田:みなさんにも大切な人がいると思いますが、万が一、傷病者と遭遇してしまったら、その方は、だれかの大切な人です。人の命を救うことができ、操作が簡単なAEDを、ぜひ使用する勇気を持っていただきたいです。高齢者や幼い子どもにも使えます。ぜひ、多くの女性に使い方を覚えてもらいたいです。
Q
小泉:AEDは、簡単に使用できます。まずは、いざという時に実践する勇気が持てるようお勤め先や自治体で行われるAED講習などを受けていただきたいです。また、自宅の近くや職場など、普段からよく行く場所では、近くのAED設置場所を事前に確認しておくといいですね。倒れている人を見つけたら、ためらわずにAEDを使いましょう。

"反応がない""電気ショック"となると、知識がない私が使って大丈夫なのかな?と不安に感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、ほんの少しの勇気が人の命を救うことにつながります。
まずは、「防災女子」として、家の近くや会社、通勤路などでAEDがどこにあるか確認することから始めましょう。

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