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シニアのためのランニング講座

 このページでは、オリンピアンや長距離競技の専門家に監修をいただき、これからランニングを始めようと思っている人から、ランニング初心者、さらにはレースに挑戦するランナーにとってランニングを「安全・安心・快適・健康」に楽しむために役立つ情報を、毎月1回お届けします。

前河 洋一(まえかわ よういち)

【プロフィール】国際武道大学教授 日本陸連普及育成委員会ランニング普及部長
筑波大学大学院修了、日本陸連公認上級コーチ、国際陸連レベル1公認コーチ、健康運動指導士。筑波大学時代に箱根駅伝(5区)出場。訳書は「アドバンスト・マラソントレーニング」と「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」(ともにベースボール・マガジン社)、著書「ありそうでなかったマラソンの教科書(ランナーズ)」など。マラソンベストは2時間19分34秒。
 第2回 「ランニングへの招待2」

 ランニングを始めるきっかけは人によって様々ですが、
健康づくり、体力づくり  ダイエット目的
マラソンにチャレンジしてみたい  知人に誘われて
などの理由が多く見受けられるようです。
 なかには、" ブームだからやってみた、ホノルルマラソンを走りたいから、東京マラソンを走りたいから、他のスポーツよりも手軽に感じた、自分にもできそうだから、学生時代に陸上部だったから、地元の大会に出てみたいから、家族が走っていたから、楽しそうだから、仲間作りのため " 等々、走り始める理由は多種多様です。
 そもそも、ランナーのなかには"スポーツが苦手だった"という人も珍しくなく、「何かを始めてみよう!」と感じた時に、最初の一歩を踏み出すにはそれなりの覚悟と勇気が必要です。
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 その扉の先には様々な世界が広がり、人生を豊かにしてくれると信じています。数あるスポーツのなかで、ここ近年はランニングを選択する人が増えたのは、2007年に産声を上げた現在の東京マラソンが影響していることは間違いないと思われますが、最初の一歩を踏み出すのは自分自身です。

ランニングを始める前の基本と注意点

1)まずは健康診断・メディカルチェック

 社内の定期検診で安静時には異状が無くても、運動によってカラダには変化が起きますので油断は禁物です。心電図や血圧、血液性状などのデータを参考に、睡眠や食事の管理にも気を配って下さい。
 また、安静時の心拍数(脈拍)は自分自身(触診法)で測定可能ですので、日常的な体調チェックにも利用できます。ランニングを継続して体力が向上すれば、安静時心拍数が下がりますが、この変化は心臓機能の向上を意味し、これまでより多くの血液や酸素を運べるようになった証です。個人差はありますが、一般成人の安静時心拍数は1分間で70拍前後です。マラソンランナーは45拍前後と、極端に少ないのが特徴です。
 運動経験がなかったり運動不足が継続している人、あるいはウエイトオーバー気味で筋力不足の人は、ランニングを始める前に日常生活のなかで歩く量や頻度を増やすことをお薦めします。ウォーキングを習慣づけることによって、ランニングを始めるための土台作りができます。

2)シューズはランナーをサポートする唯一の道具

 シューズ選びは頭を悩ます作業ですが、良いシューズに出会えた時の感動は、ランニングへのモチベーションが一気に高まります。現在では、メーカーによる品質や機能面の差はほとんどなくなりました。また用途や走力に応じた多種多様な商品がありますので、選択肢が広がり、好きなブランドの中から足形にフィットし目的に合ったシューズを選ぶことができます。
 同じサイズ表記でも、すべてが同じ足形とは限りません。微妙な大きさの違いや細め・幅広タイプ、ソールの厚さなど、実際に履いた時の感覚は大きく異なります。必ず足を入れて(ランニング時のソックス、ひもを結ぶ)足踏みするなど、感触を確かめて下さい。
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 一般的に、ソールの薄い軽量シューズはスピードを求めるアスリート向けですが、衝撃吸収を目的とするような厚底のシューズは、足部の動きが制限されたり重量を伴うなど、必ずしも初心者にお勧めとは言えません。快適なフィット感と適度な厚さ、足の動きを妨げずにサポートしてくれる一品を探してみて下さい。値段はピンキリですが、お薦めは1~1.5万円の価格帯です。決して安くはありませんが、形が崩れてきたりソールがすり減ってくると、劣化や機能低下の兆候ですので、買い換えのタイミングも見逃さないようにして下さい。

3)ウエアの選択は目的や気象条件に合わせて

 ランニング用のウエアも、機能性に加えてここ最近はデザインやファッション性を重視する傾向にあります。日本の市民ランナーにお馴染みのスタイル(下はロングタイツと短パンの重ね着、上はロングTシャツまたは重ね着)は、本来は冬のレースウエアです。日本のマラソンシーズンは秋~冬~春の季節ですので、どちらかと言えば寒さ対策を想定してます。ところが不思議なことに、暑さ対策が必要なホノルルマラソン(気温は25℃を超えることが多い)でも、日本から参加の市民ランナーは冬と同じスタイルでレースに臨んでいます。これは大きなリスクを伴い、実際に熱中症や脱水などの症例が頻発しています。中には「日焼けしたくない、膝のサポートが不安」などの理由もあるようですが、気象条件に応じたウエアの選択は、快適なランニングを維持するとともに、健康を害さない(危険防止の)ためにも不可欠です。換えのタイミングも見逃さないようにして下さい。

著者近況

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 12月にはホノルルマラソンに行ってきました。毎年、日本旅行のツアーコーチとして現地での指導も行っています。国内のマラソンが制限時間7時間に延長される前(5時間前後が一般的だった)、初心者がマラソンを完走するためには制限時間のないホノルルなどの海外マラソンに参加する以外に方法がなかったのです。暑さに苦しみながらも、アロハスピリッツの明るく元気なお祭り騒ぎ的大会は、日本では味わえない魅力があります。その虜になって今回で20年。
 術後のリハビリ途中なので、今回は10kmまで走ってツアー参加者のフィニッシュをお迎えしました。どの大会でも、完走したランナーの充実感と達成感溢れる笑顔を見ると、自分自身も幸せな気分に浸れます。

第2回 RUNポイント
  • ランニングを始める前は必ず自分自身の健康状態をチェックしましょう!
  • シューズはランナーにとってとても大切な道具です。必ず足を入れ、感触を確かめて選んで下さい。
  • 日本には四季があります。季節・気候にあわせた服装で快適なランニングを!



第2回 「ランニングへの招待2」