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シニアのためのランニング講座

 このページでは、オリンピアンや長距離競技の専門家に監修をいただき、これからランニングを始めようと思っている人から、ランニング初心者、さらにはレースに挑戦するランナーにとってランニングを「安全・安心・快適・健康」に楽しむために役立つ情報を、毎月1回お届けします。
 今では全世界で楽しまれているランニング。このように人気になる前には、社会の流れを反映したランニングブームの変遷があったのです。
 第1回 「ランニングへの招待」
講師
前河 洋一(まえかわ よういち)

【プロフィール】国際武道大学教授 日本陸連普及育成委員会ランニング普及部長
筑波大学大学院修了、日本陸連公認上級コーチ、国際陸連レベル1公認コーチ、健康運動指導士。筑波大学時代に箱根駅伝(5区)出場。訳書は「アドバンスト・マラソントレーニング」と「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」(ともにベースボール・マガジン社)、著書「ありそうでなかったマラソンの教科書(ランナーズ)」など。マラソンベストは2時間19分34秒。

マラソンシーズンを迎えて

 秋が深まり紅葉が見頃を迎える時期は、マラソンシーズンの最盛期でもあります。毎週末、全国各地で参加者の規模やレース距離が異なる様々な大会が開催されており、地域によって大会の特色を出しているので、ランニングとともに旅の楽しみも広がります。
 近年では参加者が2~3万人の都市型マラソンも増え、エントリー開始と同時に申込みが殺到して、抽選や先着順などによって出場できるかどうかが決まる喜怒哀楽劇が繰り返されています。中でも東京マラソンの出場権は、抽選倍率が10倍のプレミアムチケットです。
 そのような大会への参加者が、スタートラインに並ぶまでにやるべきこと~それは、レースに向けてのトレーニングと自分自身の体調管理です。これからランニングを始めようとする方も、レースに向けたトレーニングに取り組む方も、健康状態をチェックしながらランニングと付き合い、充実した日々を過ごしてほしいと願っています。
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 この時期は、駅伝・マラソンシーズンとして主要な大会はテレビ中継されますので、画面を通じて一流ランナーの走りを見ることがイメージトレーニングになるかもしれません。レースの行方だけではなく、ランナーのフォームにも注目して見てください。

ランニングブームを振り返る

 ランニングは男女の性別を問わず、中高年の年齢層にも楽しめる生涯スポーツとして全世界に(特に先進国で)普及しています。
 アメリカでは、1960年代に心臓病の疾患や肥満が問題となったことから、その予防策として有酸素性の運動が有効であることが証明され、空軍医のケネス・クーパー博士が「Aerobicsエアロビクス」を提唱し出版しました(1967年)。同じ頃、後にナイキの創設者となる長距離コーチのビル・バウワーマン氏が、ゆっくり楽しく走る「Joggingジョギング」を発表します(1968年)。クーパー博士が成人病予防として唱えた有酸素運動は、ランニングやウォーキング、サイクリングやスイミングなどのエアロビックエクササイズであり、その後に考案されたエアロビックダンスが日本ではエアロビクスとして普及しました。
 1972年のミュンヘンオリンピック男子マラソンでは、アメリカ代表のフランク・ショーター選手が金メダルに輝き、アメリカ国内に広まる有酸素運動がランニングブームへと発展しました。
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ホノルルマラソンのフィニッシュ付近にあるVIPテントにて、オリンピックのマラソン金メダリスト、フランク・ショーター氏(右)と筆者(左)
 いわゆる、この第一次ランニングブームは、少し遅れて日本にも伝わりました。私がマラソンを走りたいと思うようになったのは、オリンピック金メダリストのフランク・ショーター選手が福岡国際マラソンで4連覇するのをテレビで見て、"ショーターみたいなランナーになりたい"という憧れを抱いたのがきっかけでした。今でもショーターは、私にとってのアイドルです。



 そんなランニングブームが一時的に沈静化する出来事が起こります。
 「The Complete Book of Running 奇跡のランニング」(1977年)の著者で"ジョギングの神様"と言われたジム・フィックス氏が、何とジョギング中に心筋梗塞で突然死したのです(1984年)。それを機に1980年代は、"ランニングは危険なのでは?"との不安から、人々はジョギングではなくウォーキングにシフトして世の中はウォーキングブームに代わります。その後、ランニングそのものが危険なのではないことが医学的にも証明されて、人々は再び走り始めたのです。
 千葉県の中部に位置する生命の森リゾートは、大自然の中にクーパー博士のアイデアが盛り込まれたスポーツ&宿泊施設として1985年にオープンしました。当時は日本エアロビクスセンターとして、各国のオリンピック選手をはじめ多くのアスリートが合宿に訪れており、今でもスポーツ選手や市民ランナーのトレーニングだけではなく、企業や団体の研修などにも利用されています。
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紅葉が見頃を迎えた千葉県にある生命の森リゾート
 また、週末のリフレッシュ空間として、人々の健康づくりや憩いの場となっていますので、機会があれば訪れてみてはいかがでしょうか?都心からは電車または車で70分ほどです。

次回は、ランニングを始める際の注意点などについて、
解説を予定しています。

第1回 RUNポイント
  • ランニングは自分自身の健康状態をチェックしながら付き合うことが大事!
  • この時期は、駅伝、マラソン大会がテレビ中継されています。一流のランナーのランニングフォームをチェックするのもトレーニングになりますよ!
  • 紅葉が色づく季節。健康のため、リフレッシュのため、ランニングの1歩を踏み出してみよう!



第1回 「ランニングへの招待」